この10月に公開される「DUNE/デューン 砂の惑星 」は1984年公開の「デューン砂の惑星」のリメイク作品です。
◆DUNE/デューン砂の惑星オフィシャルサイト https://wwws.warnerbros.co.jp/dune-movie/
今回は1984年の公開作品を紹介します。
当時は原作SF小説「デューン」はあまりに壮大なスケールと超能力などのSF描写が当時の技術では映像化不可能と言われていた作品でした。
実際一度は莫大な費用を捻出できずに製作は頓挫している。芸術家サルバドール・ダリをはじめとした俳優に限らず大物を集めて上映時間なんと10時間にも及ぶ作品となる予定だったそう。
1984年公開、デヴィッド・リンチ監督、カイル・マクラクラン主演作品。
惑星全体が砂漠の独特の世界観と壮大なスケールの大河ロマン。
まず舞台となるのが惑星全体が砂漠となっているアラキスという惑星です。
この星特産の「メランジ」というスパイス(麻薬)は超能力を発達させることが出来るためメランジの利権目的で常に狙い続けられ、争いの元になっています。
超能力のひとつに物体を超光速移動させる能力というのもあり、遠宇宙を支配するのには欠かせないモノになっています。
これって麻薬中毒患者がハイになった時の万能感や幻覚を、超能力として描写してるんですよね。
そして象徴的なのがこの砂漠に生息している超巨大生物サンドワーム(砂虫)です。この作品以降、このサンドワームに影響を受けたアイディアや設定などがたくさんの作品で見られます。
叫び声を衝撃波にしてぶつけるという兵器が出て来ます。
それまでに音を武器にするというアイディアはほとんどなくてけっこう衝撃を受けたポイントです。
しかし日本では1959年「少年ジェット」で「ウーヤーター!」という叫び声が必殺技として描かれています。
原作小説「デューン」は1965年発表なので、もしかして「少年ジェット」が影響を与えているのか?とか思ってしまいます。が真相は分かりません。
砂漠で生き残るための術が描かれています。
スティルスーツというのがあるんです。体温を適切に調整してくれて、身体から出る水分をほぼすべて浄化して飲料水に変えてくれるというスグレもの。
その為の管や濾過装置が付いているのでスーツの形やデザインにも意味があります。
砂漠でのサバイバルの必需品です。
さらにこのスーツを着用し、呼吸も口から吸って鼻から吐く事により、わずかでも体外に水分が出ていくのを防ぐという描写があってリアリティがあります。
さらにサンドワームを操る術があるんですね。最後の方の戦いではサンドワームに取り付き操ってその巨体を武器にします。
「メランジ」によって引き出される超能力は、男性は論理演算能力が高まり、未来予測や超光速航法を可能にしたり、女性は感覚や欲求の把握と制御能力が高まるという描写があります。
いわゆる魔法のような能力ではなく、ある種の制限がある、科学的なアプローチから把握される能力です。
この作品は、ホドロフスキーの企画が頓挫したのを受けて、尻拭い的に撮影された作品と言われています。
監督のデヴィッド・リンチも自伝で「失敗作だ」と言ってたり、原作ファンからも酷評を受けるという、なんとも悲しい作品なんです。
でもこの映画、何か好きなんですよねー。
主演のカイル・マクラクランはこの映画がデビューにして主演と大抜擢でそのイケメンっぷりで後の「ブルー・ベルベット」や「ヒドゥン」でスターになります。
敵役としてスティングが出演していて、これもカッコいいんですよね。
世界や人物の描かれ方もデヴィッド・リンチ的な悪趣味な感じが全開です。
なので、カルト的な人気はあったんですよね。
新旧作品を比較して観るのも楽しそうです。
現在、Amazonプライムビデオでレンタル出来るので10月公開前に見ておくのもいいかもしれません。