ゴジラシリーズの紹介をしたならば、ガメラシリーズも紹介するのが筋というものでしょう!
という事で、NETFLIXでも『GAMERA-Rebirth-』が始まった「ガメラ」シリーズを紹介します。
◆『GAMERA -Rebirth-』公式サイト
※注意:この記事にはネタバレが多分に含まれています。作品をご覧になっていない方にはオススメできません。
1965年公開の「大怪獣ガメラ」から始まる怪獣ガメラを中心とした怪獣作品シリーズ。
いわゆる「昭和ガメラシリーズ」と呼ばれるシリーズが製作された時代。
子役には日本人の子役だけでなく外国人の少年が配役されることが多く、彼らがガメラと心を通わせることになります。
大映は倒産を余儀なくされてしまい、徳間書店傘下で新会社として再建されます。
徳間グループではメディアミックス戦略を打ち立て、特撮では「打倒ゴジラ」を目標にします。ここで「ガメラ」を復活させようという事で「平成ガメラシリーズ」が製作されることになります。
2002年、大映の営業権が角川書店に譲渡されます。
「平成ガメラシリーズ」三部作が完結した後、「ゴジラ」も2004年にいったん完結という事で純粋なオリジナルの特撮作品が見みたいという特撮ファンから声にこたえる形で、2006年には新作ガメラ映画『小さき勇者たち〜ガメラ〜』を製作・上映しました。
「ゴジラ(1954)」が大ヒットして、「巨大怪獣ものは売れる!」と大映は判断し、自分たちでも巨大怪獣作品を製作しようという事で出来たのが「大怪獣ガメラ」です。
しかしあっという間に東宝の「ゴジラ」共々、巨大怪獣作品は下火になっていきます。しかもスクリーンではなくテレビ作品が主要となっていきます。
「ゴジラ」の制作会社である円谷プロではいち早くテレビ作品にシフト、「ウルトラマン」の製作に力を入れていきます。
さらにテレビで「仮面ライダー」がヒットすると巨大怪獣作品は完全に需要がなくなってしまいます。
時が経ち、再び「ゴジラ(1984)」が製作され、平成ゴジラシリーズがヒットします。
すると、じゃあ、「ガメラもやりますか~」っという感じで、平成ガメラシリーズが製作決定します。常に二番煎じで製作開始されるわけです。
その姿勢から、「ゴジラ」超えがなかなかできないいつも2番手なイメージになってしまっています。
「昭和ガメラ」シリーズは「ゴジラ」シリーズと違い、最初から子供向けの作品として製作されます。
ガメラと心を通わす子供たちや、応援する子供たちを中心にストーリーが進んだりします。
しかし逆に言ってしまうと「子供向け」=「こんなもんでしょ?」という心理が働いてしまい、いまひとつ見ごたえのある作品作りに繋がらなかったようです。
それが証拠に、「ゴジラ」シリーズに比べ本数も少ないですし、敵怪獣も少ないです。
いまいちな結果になる事が多いガメラシリーズですが、それでもファンがいるのには理由があります。
ゴジラシリーズに対して以下の表現があったことで、リアルさや怪獣の残虐さがより伝えられたからだと思います。
まず、残酷な描写があります。
街で怪獣が暴れれば、建物が倒壊して人々が巻き込まれたり、踏みつぶされたりします。
怪獣同士の戦いでも残酷な容赦のない戦い方をします。
また直接、怪獣が人を捕食するところも描かれます。
怪獣の恐ろしさや、人間に向けられた強烈な悪意を感じ取れます。
ガメラはその悪意と真っ向から戦って、人々を守ってくれるわけです。このギャップに惹きつけられます。
また、細かい部分なのですが、怪獣も生物であるということで、傷ついたら血が流れます。
ガメラの血は蛍光グリーン、怪獣ごとに血の色が違いますが、傷つくと流血します。野生の動物感を演出したかったのだとか。
ガメラは昭和シリーズと平成シリーズで設定が異なる部分がありますが、ゴジラよりも詳細な設定があります。
そもそも制作会社の大映が「ガメラは子供の味方」という基本設定を打ち出し製作していきます。
基本的にガメラと心を通わせる子供たちが登場します。またガメラは身を挺して子供たちを守ります。
平成三部作でもガメラと心を通わすのは女子高生である浅黄です。
ギャオス、ガメラからの派生で生まれたイリスも女子高生の綾奈と心を通わせます。
子供が登場しないのは「大怪獣決闘ガメラ対バルゴン」だけです。
ゴジラは生体兵器としての側面があります。以下で紹介するガメラの武器を観ると分かりますが生物というだけでなくいわゆるメカニックな感じのする部分を持ち合わせています。
さらに太古に滅びた超古代文明「アトランティス」がキーとなっています。
昭和シリーズでもガメラは「アトランティス」に生息していたかもしれないと表現されます。また平成シリーズでも「アトランティス」で作り上げられた生体兵器なのではないかという事が予測されます。
漫画作品「大怪獣ガメラ」では映画「宇宙怪獣ガメラ」のラストで行方不明になったガメラを「アトランティス」の技術で蘇らせたことになっています。
つまり古代アトランティスの技術で生み出されたものという設定が根底にあります。
代表的な武器のひとつです。ゴジラに続きガメラも火を吹くことで「怪獣=火を吹く」というイメージを定着させたと言っても過言ではないでしょう。
平成ガメラシリーズでは火炎噴射ではなく、胸部が赤く光りエネルギーの溜めモーションののちに球状の火球を敵に吐き出します。
数発ならば連発も出来ます。
『ガメラ 大怪獣空中決戦』では超烈火球(ハイ・プラズマ)、『ガメラ2 レギオン襲来』では究極超烈火球(ウルティメイト・プラズマ)、
頭・両手・両足を甲羅に引っ込めて、両手足のあった部分からジェット噴射して回転して飛行します。
両足のジェットのみで飛行するスタイルです。両手を翼のように広げ、頭も出したままです。
大気中を高速で目的地に向かって飛行する際に使用されます。
飛行しながらプラズマ火球も撃てるので、ドッグファイトや高機動戦闘にも向いています。
超古代文明がギャオスに対抗するために創造したガメラは、甲羅という形の「器」に地球の命の源「マナ」を蓄えています。ガメラの甲羅は、マナを集めるための装置として機能しています。
「マナ」が蓄えられているが故に、非常に固く丈夫な甲羅となっています。
頭、手足だけでなく、腹部も実は以外と柔らかく、攻撃を受けては大きな負傷を負っていますが、甲羅はギロンの手裏剣やその他の怪獣のツメやキバを弾き返しています。
あまり言及されていませんが、甲羅から電気を発射し、爪には毒があります。また、エルボークローは普段は肘の中に収納されており、任意で突出させることができます。
『ガメラ3 邪神覚醒』では爆熱拳()なども。
シリーズ中もっとも登場回数が多いのがギャオスです。
人間を捕食する凶暴な怪獣で、その大きな翼で高速飛行するのが特徴です。
さらに口から発せられる光線のような「超音波メス」は切れ味抜群で、ガメラの腕を切り落としてしまう事もあります。
大怪獣ではなく、「大悪獣」のギロン。
その名の通り、凶暴凶悪で殺しを楽しむようなところがある怪獣です。
頭部が鋭い刃物になっていて、なんでも切り裂きます。さらに目の上あたりの丸いくぼんだ部分から手裏剣を連続発射できます。
この手裏剣も切れ味抜群でガメラの身体を切り裂き血だるまにしてしまいます。
『GAMERA-Rebirth-』に再登場します。↓↓がそのデザインです。予告動画を見るとかなりの身軽さで飛び跳ねまくってゴジラの攻撃をかわしています。
子供の頃から特撮作品を観ていた3人。そして同時にそのうさん臭さや、無理のある設定、話のつくり、科学考証的におかしな表現などに不満も持っていた。
もちろん、特撮のそんな部分も含め大好きだったので大きく影響は受けています。
結果、映画としての出来がいい作品に仕上がっています。
未知の生物に対しての科学的な解釈をしてガメラやその他の怪獣の存在感がリアルに感じられるように演出されます。
そこにはしっかりとした科学考証に裏打ちされた説得力があり、もし怪獣たちがいたら、どうなるのかがリアルに描かれています。
「自衛隊vs怪獣」の図式をしっかり描きます。「シン・ゴジラ」に繋がる政府内部での判断の様子や、自衛隊の攻撃や対処などを描く手法がバランスよく描かれています。
この部分が「シン・ゴジラ」ではかなり過剰に演出されメインとなっていますが、「平成ガメラシリーズ」ではガメラ対その他の怪獣などとバランスよく描かれています。
特に「ガメラ2 レギオン襲来」は日本SF大賞を映画としてはじめて受賞した作品です。日本のSF界にガッチリとした本格SF作品として認められた作品という事です。
徳間書店傘下に入った大映は「ガメラは子供の味方」という昭和の設定を必ず取り入れてくれとオーダーしますが、脚本の伊藤が却下。
ハードSFとして大人が楽しめるようにする以上は、それは受け入れられないと拒否しました。
妥協案として「人類の味方」であれば、出来なくはないと答えたのだそう。
実際は「人類の味方」かどうかは微妙で、「ガメラ3」では地球を守るために人類が害になるならばガメラは人類の敵になる可能性が描かれます。
『大怪獣ガメラ』という漫画作品は、この作品の世界観を描いています。『宇宙怪獣ガメラ』の最後で行方不明になったガメラは、人類がアトランティスの技術で生き返らせました。そして、「平成ガメラシリーズ」の姿に変身したガメラを過去に送り込んで、地球の歴史を変えるというストーリーになっています。
金子修介監督がアイドル映画などで、いかに女の子の魅力を描き出すかというのが得意であったからこそ、「平成ガメラシリーズ」に登場する女の子がみんなずっとかわいくてキレイに描かれています。
長峰 真弓(ながみね まゆみ)役の中山忍。もともと整った美貌の持ち主なのですが、より一層魅力が溢れてました。
画面に映るたびにうれしかったですね~。(笑)
穂波 碧(ほなみ みどり)役の水野美紀。見よ!この仕草!とにかくかわいい!
真冬のロケだったのにずっとミニスカートです!美脚です!
草薙 浅黄(くさなぎ あさぎ)役の藤谷文子。ガメラと心を通わす女子高生でガメラが何をやろうとしてるのか翻訳するような役。
3部作すべてに登場して、いろんなファッションを見せてくれます。
比良坂 綾奈(ひらさか あやな)役の前田愛。シリーズの中で唯一ガメラを憎む女の子。ガメラを憎むゆえにイリスを育ててしまう。
ショートカットがトレードマークの可愛い子ですよね~。演技といい、なんだか放っておけない女の子にガッチリフィットしてましたよね~。守りたくなっちゃいます。
俳優陣がとにかく豪勢です。今となれば大御所ぞろいの大作といってもよかったくらいですね。
しかも贅沢な使い方してます。
レギュラーではないですが、山咲千里がまた美しい!
以下の動画は仲間由紀恵が登場するシーンです。
◆【ガメラ3】女性キャンパーを悲劇が襲う(1999年3月 大映制作、東宝公開)
カメは恐竜と共に絶滅したという設定にないっています。
これはカメがいる世界であれば、ガメラを見た瞬間に「カメの怪獣!」って絶対に言ってしまいます。
「カメ」がどうにも世界観と相反するのと、言葉の響きがよろしくないという事で、とにかく現場ではカメを連想させるものをすべて、徹底的に排除して俳優にも「カメ」という言葉を言わせないように厳命したのだとか。
平成三部作はU-NEXTで見放題配信中です。ぜひご覧になってみてください。以下の画像がリンクとなっています。
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さて、ここまで「ガメラ」シリーズの魅力について語ってきました。
怪獣としての「ガメラ」の魅力はもうひとつ。
敵怪獣がどんなに強く、身体がボロボロの満身創痍でも、あきらめずに立ち上がり戦い続けます。
不屈の闘志とあきらめない心に感動してしまいます。
ガメラの雄姿を観て実生活のしんどいことも乗り越えていけるといいですよね~♪
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の記事は以上となります。
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