スピンオフを含め長い歴史があるSF大作といえば限られますが、そのうちの一作品である「スターウォーズ」シリーズを紹介します。
よく「スター・トレック」シリーズと比較されますが、どちらもSF作品としては世界的な大作です。
宇宙の大冒険物語であり、史上最大の父子ケンカ(笑)を楽しみましょう。
※注意:この記事にはネタバレが多分に含まれています。作品をご覧になっていない方にはオススメできません。
1977年公開、ジョージ・ルーカス監督作品のSF作品。その後世界的大ヒットによりシリーズ化して、小説、アニメ、ドラマ、ゲーム、スピンオフ作品など数々のメディアミクス展開されている。
この映画により、その後SFブームが巻き起こり、数々の名作が生み出されました。
「遠い昔、はるかかなたの 銀河系で・・・」
「エピソード4新たなる希望」
ルーク・スカイウォーカーの銀河を巡る冒険がはじまる「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」デジタルで登場。銀河帝国樹立から19年。砂漠の惑星タトゥイーンでルークは、長年隠れ住んでいたオビ=ワン・ケノービと出会い反乱軍の戦いに加わることを決意する。ダース・ベイダー率いる邪悪な帝国軍に捕らわれたレイア姫を救出するため、オビ=ワンは若きルークをジェダイへ導いていく。
Filmarksより引用
長い歴史あるシリーズで、製作された年代とエピソードの順番が違っているというのも有名な話です。
本編は9作品あります。
まず1977年にエピソード4である「新たなる希望」(公開当時は副題はなし)が製作・公開されて世界的大ヒットします。
その後、「帝国の逆襲」「ジェダイの帰還」(公開当初は「ジェダイの復讐」)と発表されて三部作となります。
以上の順番で発表されます。
この間に他のスピンオフ作品やアニメ作品なども公開されていますが、今回は本編「スカイウォーカー・サーガ」と呼ばれる映画作品のみに注目していきます。
電八が個人的に思う順番は公開順に見るのが良いと思います。
なぜなら、続編などその後に製作された作品は、「最初に製作された作品ありき」で製作されるものだからです。
物語の流れ、設定、キャラクターの言動など、すべて最初の作品をもとにします。
物語上の歴史が古くても最初の作品を見ていないと分からない設定やセリフなどが出てきてしまう可能性が高いです。
だから、公開された順番に見るのが理想だと思います。
C3POとR2D2に出会い、オビワンの指導の下、ルークがハン=ソロと共にレイア姫を救出して、反乱軍として帝国軍の大量殺戮兵器デス・スターを破壊します。
帝国軍の猛攻を受けながら、ルークはヨーダに師事して修行し、1人前のジェダイに育っていきます。
しかし帝国軍の将軍で、シスの騎士であるダースベイダーがルークの父親であるという衝撃の事実が発覚する。
すでにほとんどのジェダイは狩りつくされてしまって、最後の生き残りになったルーク。フォースに導かれ父親ダースベイダーとの決戦に挑む。
ジェダイの騎士やシスの騎士が使う、いわゆる「光の剣」です。柄の部分から刃となる光のエネルギーを発し、金属すら焼き切ってしまいます。またブラスターやビームもはね返してしまいます。
ジェダイのフォースに導かれ、引き合った、カイバー・クリスタルという水晶体が中核部に組み込まれています。
選ばれたカイバー・クリスタルの色によってライトセイバーの刃の色が決まり、形もひとりひとりちがいます。
この物語の中核をなす最も重要なものかもしれません。
「超自然的な力」とか「宇宙由来の超能力」とかそんな感じのイメージです。
予知、感知、感応、洗脳、など、意識に関する力や、物理的に自分自身やモノを自在に動かす力、など一言でいえば強力な超能力です。
フォースを使うジェダイにせよ、シスにせよ、とんでもないパワーをもっています。
しかし力の奔流のようなものがあり、扱う本人の意思に関わらず、導かれてしまいます。
望むと望まざると関係なく、巻き込まれて行ってしまいます。
フォースにはライトサイド(光の側面)とダークサイド(暗黒の側面)とがあります。
シスはダークサイドのフォースを極めんとするものたちのことです。
主に人の最も強い感情として、憎悪や絶望をもたらすことによって闇のフォースの極みへと至ります。
なので、平和には戦争を、幸福には不幸をもたらすように働きかけます。
しかし自らも絶望と憎悪に焼かれ続ける辛苦を伴います。
悪の象徴として描かれますが、快楽とはまったく縁がないです。
ライトサイドのフォースを極めんとする人々です。
基本的に人の感情を排し、宇宙の自然摂理に則った理念により行動します。
なので、戦争には平和をもたらそうと動きますが、人が幸せになるように行動するのではなく、あくまでも自然的な調和を優先します。
そのために人が犠牲になることは特に問題視しません。
実はいわゆる正義の味方とか、困った人や弱者の味方ではないんですね。
人の役に立つように作られた数々のロボットたちをスターウォーズではドロイドと呼びます。
C3POは翻訳や給仕などを行うためのドロイドです。
R2D2やBB8など人型をしていないドロイドは、艦船やスターファイターなどの運行サポートを行ったり、管制システムを制御したり、コンピュータ全般を操作することをスムーズに行うための補助を行ったりします。
他にも、掃除専用のドロイドや、戦闘ドロイドなどいろんなタイプが存在します。
大気圏、宇宙空間問わずに制空権確保のために行われる作戦行動を行うための戦闘機タイプの宇宙船のこと。
単独ではワープは出来ないので、空母などに艦載機として配備されています。ドロイドをドッキングすることでよりスムーズに操作することが出来るようになります。
また、いろんなタイプのものが存在します。
宇宙を航行する非常に巨大な戦艦。数々のレーザー砲塔などの武器を装備している他、スターファイターを艦載している。動く宇宙基地といっても過言ではないくらいの大きさです。
宇宙戦艦クラスまで行かなくても貨物船や艦載機クラスであれば、ワープエンジンを搭載することが出来ます。
ハン=ソロの愛機。「銀河系最速のガラクタ」の異名をとる。
もともとは貨物船だったものを改造して高速艇にしたもの。外見に似合ず高出力高性能な船。
レーザー砲などの武器を装備していて、スターファイター並みの高機動力と高出力をもち、さらにワープもできます。
帝国軍の恐怖と力による支配体制に異を唱え、平和な体制にするべく帝国軍に対抗する勢力。
レイア姫は反乱軍の将軍の一人になります。
闇落ちしたシスが暗躍して裏から支配体制を作り上げた銀河帝国の軍部。
ストームトゥルーパーなどクローン兵士を多用して大軍勢を形成し圧倒的な力と恐怖で支配していきます。
ルークが沈みゆく二つの夕日を見つめる非常に印象的なシーンがあります。
このシーンでは若く田舎者でものを知らないルークは士官学校に行き広い大宇宙に飛び出したいと思っているが、父親により反対され農民として貧しく暮らすことを定められていることに、何か無力感を感じてしまう事を意味しています。
夕日は必ず沈み、だれにも止めることが出来ない。とても大きな力を象徴していて、ルークは父親や今いる状況に逆らうことが出来ないと打ちひしがれてしまっていることを表しています。
また、太陽がふたつあるので、もうひとつの意味があります。別の運命に翻弄されることを暗示しています。つまり、フォースに目覚めてジェダイとして戦いの運命に巻き込まれてしまうことも表しているわけです。
レイがまったく同じ構図で夕日を眺めるシーンがあります。ながれるBGM も一緒です。
ちなみに、『スターウォーズ』は『オズの魔法使い』の構造を取り入れたと言われており、
ドロシーはルークとレイア姫、
トトはR2D2、
ブリキの木こりはハンソロ、
ライオンはチューバッカ、
案山子はC3POかな。
まあ、どちらの作品にしても歴史が200年ちょっとしかない、過去に神話などのファンタジーの世界を見いだせないアメリカの辛いところがミョーな痛々しい妄想力につながっています。
ルークが運命という竜巻に巻き込まれてド田舎(タトゥイーン)から仲間たちと共に大冒険の旅に出るという訳です。
アナキン・スカイウォーカーはフォースの闇に堕ちてダースベイダーになります。
このダースベイダーと対決するのが、息子であるルーク・スカイウォーカーです。
旧三部作は、ダースベイダーが実の父親だと知ってしまって驚愕したルークがダースベイダーを打ち倒すまでを描いています。
闇堕ちするまでのアナキンを描いたのがEP1~EP3です。
物語の大半が「スカイウォーカー家」のしんどい父子ケンカを描いています。
EP7~EP9は父子ケンカの影響で隠者となってしまったルークからレイたちが「スカイウォーカー」を継いで、新しいジェダイを始める世代交代の話になっています。
ただ、このシリーズではハン・ソロとレイアのその息子、カイロ・レンが闇堕ちして、やはり父子ケンカをしています。
レイアはルークの妹なので、名乗っていませんがスカイウォーカー家の血筋です。
その息子カイロ・レンはルークに弟子入りして騎士になりますが、闇堕ちしてしまいます。
全編通して闇堕ちした者が出てしまう「スカイウォーカー家の血筋の者」を中心とした父子ケンカを描いているんですね。
ジェダイが選んだカイバー・クリスタルによってライトセイバーの色は決まります。
青、緑、などが一般的です。
青はルークやオビワンなどジェダイ・ガーディアン。
緑はヨーダやクワイガンなどのジェダイ・カンセラーに対応しています。
ダークサイドに堕ちたシスの闇のフォースにはカイバー・クリスタルは反応しないという設定があります。
基本的にシスのライトセイバーが赤いのはここに由来があります。
今のところ説がふたつ挙げられています。
ということらしいです。
また、「血を流した」赤いクリスタルは直すことが出来るのですが、元の色には戻らず白色になるのだそうです。
アナキンの弟子(パダワン)だったアソーカのライトセイバーが白いのはそのためだそうです。
EP9「スカイウォーカーの夜明け」のラストでレイが持っていた黄色のライトセイバーはアニメ版の「クローンウォーズ」などには登場していて、ジェダイ・テンプル・ガードと呼ばれるジェダイのその他のふたつの役職とのバランスを保つ選ばれた聖職者が持つものとされています。
つまりレイはジェダイ・テンプル・ガードとして認められたという証なんですね。
ちなみにウインドのライトセイバーが紫色なのは、彼を演じたサミュエル・L・ジャクソンが「クールな紫にしてほしい!じゃなければ出演しない」と言ったとか(笑)まあ出演しないというのは冗談なのでしょうけど。
これは例外中の例外ですね(笑)
「フォース」については何度も和訳が変更されています。
翻訳者により違いがあるというのもそうなんですが、「フォース」自体がどういったものなのかしっかりとした細かい設定がないというのもあります。
電八的には1977年の映画「スターウォーズ」(エピソード4新たなる希望)で訳されていた、「理力」が最も印象深くて、いまだにフォースと聞くとこの字が思い浮かびます。
1978年にバンダイ出版事業部が刊行した「スター・ウォーズ 特撮の秘密〜ジョージ・ルーカスの世界」という本では「原力」と訳されています。
また、小説版では、「力場」という表現が使われていました。
さらに「霊力」と訳していたものもありました。
それぞれに和訳したものに「フォース」とか「ザ・フォース」とルビが振られていました。
現代ではただ「フォース」と訳されています。
電八としてはすこしさみしいです(笑)
映画、小説、アニメ、ドラマ、マンガ、ゲームなど多種多様なSF作品に多大な影響を与えています。
ライトセーバーや宙に浮いて走るバイク、自動車、ワープの映像表現、多様な宇宙人のデザインなど例を挙げたらきりがありません。
「スターウォーズ」以前の作品とはSF作品の表現の仕方がガラリと変わったと言っても過言ではありません。
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の記事は以上となります。
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