今回はウイスキーについての基本をご紹介いたします。
いろんな種類のお酒がありますが、その中でもたくさんの種類のあるお酒です。
基本を押さえて、美味しく楽しみたいですよね。
ウイスキーとは穀物を原料にした蒸留酒を樽で何年も熟成させたお酒の事です。
年数表記のない(ノンエイジ、ノンヴィンテージなどと呼ばれる)ウイスキーでも最低3年は熟成されています。
「12年」表記のものは最低12年熟成した原酒を使っているという意味です。
なので15年物の原酒をつかっていたりするものも「12年」という表記になっています。
そして特徴としては他のお酒に比べてアルコール度数が非常に高いです。
以前、紹介した日本酒やビールは4℃~20℃ほどですが、ウイスキーは40℃~60℃と非常に強いお酒です。
飲み過ぎには注意したいところです。
是非、チェイサー(お供に飲む水)を用意してもらいましょう。
まずウイスキーは大きく2つの種類に分かれます。
モルトウイスキーは手間がかかり大量生産は出来ません。ポットスチルは蒸留所ごとに個性があって、これにより出来上がるお酒にも個性が生まれます。人気が高いウイスキーです。
グレーンウイスキーは大量生産に向いていて価格も比較的に安く、手に入れやすいです。
モルトウイスキーもグレーンウイスキーも蒸留後、樽詰めされて何年も熟成させます。
ウイスキーのラベルによく8年とか12年などの記載がありますが、これは樽で熟成させた年数の事です。
一般的に年数が高い方が、味がまろやかで香りが華やかになります。その分価格も高くなります。
ウイスキーの種類はすごくたくさんあります。
原料やブレンドの有無などで分類されています。とりあえず基本的な分け方としては挙げられるのが以下の3つです。
シングルとは「ひとつの蒸留所」で造られたお酒を指します。
なのでシングルモルトとはは大麦麦芽(モルト)を原料にひとつの蒸留所で造られたウイスキーということです。
シングルグレーンはモルト以外の原料でひとつの蒸留所で造られたウイスキーです。
そしてブレンデッドはシングルモルトとグレーンモルトをブレンド(混ぜて)したウイスキーです。
製造される環境や扱っている水やいろんな要因で、ウイスキーの個性が違ってきます。
たくさんあり過ぎるので以下に代表的なものを3つほど挙げます。
スコットランド製のウイスキーの事です。もちろんその中でもたくさんの種類に分かれます。
スッキリ辛口でスモーキーな香りが特徴です。
「グレンフィディック12年」、「ザ・マッカラン12年」「タリスカー10年」「ボウモア12年」などが有名です。
他にもたくさんの美味しいウイスキーがあります。
代表的なのがバーボンウイスキーです。これは原材料にトウモロコシが多く含まれているウイスキーの事です。
味としてはトウモロコシが使われている事もあって甘みがあるものが多いです。香りも甘いバニラのような香りです。
「ジャックダニエル」、「I.W.ハーパーゴールドメダル」、「ワイルドターキー8年」、世界一売れているバーボン「ジムビーム」、クラフトバーボンの「メーカーズマーク」、「アーリータイムズ」、「フォアローゼズ」など。
比較的に安価です。年数表記がないのはアメリカの気候が温かくて早く熟成され、出荷されるためです。
「ジャックダニエル」はバーボンではなく、独自の製法などがあるために差別化してテネシーウイスキーとして販売されています。
日本ではウイスキーは2大酒造メーカーのモノがスーパーに並んでいます。
サントリーの「響」、「サントリーオールド」、「サントリー角瓶」など。
ニッカウヰスキーの「ブラックニッカクリア」、「スーパーニッカ」など。
以上はブレンデッドウイスキーです。
シングルモルトでは、
サントリーの「山崎」、「白州」。
ニッカウヰスキー「余市」、「宮城峡」。など
その他にもたくさんの銘柄があります。
2022年現在、実は日本のウイスキーは世界的に大人気で、シングルモルトなどは手に入れるのに非常に苦労するものもあります。
絶滅の危機にあったが、見事復活したアイルランドのアイリッシュウイスキー「ジェムソン」。
カナダのカナディアンウイスキーの「カナディアン・クラブ」。
以上のスコットランド、アメリカ、日本、アイルランド、カナダのウイスキーは世界5大ウイスキーと呼ばれています。
そして現在、注目度の上がってきている国があります。
まず、インドです。人口の非常に多い国インドは世界で一番ウイスキーを飲んでいる国です。ただしインドのウイスキーとして販売されているものの多くは他国の基準に当てはまらないものが多く、インド国内のみで流通しています。
その中で「アムルット」という銘柄はスコッチウイスキーの製法にならった非常に質の高いシングルモルトウイスキーです。
そして台湾です。
こちらも世界的な品評会などで非常に評価が高く、質の高いウイスキーを造る醸造所があります。「カバラン」です。
「アムルット」も「カバラン」も暖かい地域では質の高いウイスキーを造るのは難しいとされてきた説を覆した革新的な銘柄です。
ウイスキーの色について、よく
「年数長く熟成すると色が濃くなる」
なんておっしゃる方いらっしゃいますが、実はこれは正しくないんです。
日本におけるウイスキーの酒造法は実はかなりゆるくて、着色することが認められています。
最近では着色していないウイスキーにはラベルに「ナチュラルカラー」などと記載があります。
つまり色は好きな色にできてしまうんです。
そして「ナチュラルカラー」のウイスキーを見てみると年数表記のないものでも非常に色の濃いウイスキーがあったり、その逆のものもあります。
これは熟成樽に秘密があります。
バニラっぽい香りをつけるために熟成樽の内側を焼き焦がす処理を行ってから熟成させるのだそう。
この焦がし具合によって香りはもちろん色に違いが出るそうです。
お教えする呪文は
「ウイスキーショシンシャニオススメノクセノスクナイメイガラハナンデスカ?」
(ウイスキー初心者におすすめのクセの少ない銘柄はなんですか?)
です。
癖が強い場合、自分の思っているウイスキー観とあまりにかけ離れたものを勧められる場合があります。
当たりはずれの激しいことになってしまいます。初心者は外れないのが重要です。
マスターや店員さんがウイスキーに詳しそうならば迷わずこの呪文を唱えよ!
ウイスキーは実は常温のストレートで飲むように作られています。(常温で飲んだ時の味をもとにすべてが調整されているという意味。)
これは冷やすと甘さや香りが抑えられてしまってアルコールの苦みが引き立ってしまうからだと言われています。
なので、常温が好ましいとされています。
ただ、アルコール度数が高いのでストレートはきついという方も多いと思います。
自分もストレートはなかなか飲めません。
そこで味を楽しむならば水を足しましょう。
別に決まりがあるわけではないので丁度良いと思う量の水を足して調節します。
水を入れる事によって香りがより立ちますし、甘さや喉越しも楽しみやすくなります。
ちなみに常温のウイスキーと水を1:1で割ることをトゥワイスアップといいます。
そんな飲み方に名前がついています。
「間違った飲み方」なんてないんです。自分が美味しいと思える飲み方がすべてです。
っていうとなんか「ガンバラなくちゃ!!」とか思うかもしれませんが。そんな必要は全くありません。
自分が美味しく飲みやすいスタイルが見つかればそれでいいです!
例えば、氷を入れた水割りやハイボールで飲む場合はウイスキー1に対して水やソーダを3で割るのが良いと言われています。
ただしこれもあくまでも目安です。自分に合う様に調節しながら丁度良いところで飲めばOKです。
ひとりひとり、美味しいと思う基準が違います。一応の基準を知っておいてそこから自分に合う楽しみ方を見つければいいだけです。
ウイスキーとひと口に言ってもたくさんの種類があって、どうすればいいのかわからんという方もいらっしゃるかと思います。
ただ、考えれてみればたかだかお酒です。とりあえず飲んでみて自分が美味しいと思えるかどうかです。
この辺はいつもの食事やお菓子と変わりません。
そしてウイスキーの良いところはミニボトルというのがあるということです。
ミニボトルは小さいビンで少量を詰めたもので、もちろんその分値段も安いです。
けっこういろんな銘柄のモノが最近ではコンビニなどでも販売されています。
他のお酒に比べると非常にお試ししやすいのも特徴のひとつです。
いろいろ飲んでみて試してみるのが一番です。
また、自分は辛口のお酒(ウイスキー以外でも)に関しては「セメダインのような香り」を感じる事があります。
これは恐らくアルコール自体の香りなのだと思いますが、スッキリ辛口のお酒こそアルコール自体の味や香りがたつのでそのように感じているのではないかと思います。
よく映画やドラマなどで酔っ払い親父がポケットから取り出すお酒を入れた金属の容器があります。
これはスキットルまたはフラスコ、ヒップフラスコ、フラスクボトルなどと呼ばれる容器です。
金属製なので割れる事もなく、常温で飲むウイスキーを入れて持ち歩くのには非常に適したボトルだと言えます。
携帯性に優れているので、キャンプや登山などのアウトドアでも活躍します。
最近はチタン製のものもあります。
その昔、ウイスキーの醸造所ではネズミが材料などを荒らさないように猫が飼われていました。
彼らは尊敬と愛情をもって「ウイスキーキャット」と呼ばれていました。
その猫たちのオシャレでかわいい写真と物語がつづられた本があります。
この物語を知ることでウイスキーの味わいにひと味加えることが出来ると思います。
この本に映ってる、ウイスキー職人たちが鼻が真っ赤でいかにもウイスキーを愛していますって顔してるのもいい感じです。
例えばですが、オールドパー(Old Parr)というお酒があります。
英国史上、最長寿といわれた、伝説の人物
「オールドパー」とは、15世紀から17世紀にかけて152歳9ヵ月の長寿を全うし、英国史上最長寿といわれた
Old Parr (オールドパー)公式サイトより引用
伝説の人物「トーマス・パー」の愛称。
と、謳われています。
最近このお酒のCMなどでビンが斜めに立っている絵柄を見るようになりました。
なぜ、斜めに立っているのか?実は理由があります。
トーマス・パーの逸話に由来しています。
152歳9か月もの長寿だった彼は当然、”H”の方もお強かったそうです。
そうです!ビンのように固く斜めにそそり立つ”それ”がモチーフになっています。
ボディ部の特徴的な模様も”タマタマ”のしわだともいわれています。
本当かどうかは分かりませんが(笑)