※この記事は2025年4月15日に加筆修正いたしました。
映画&ドラマで描かれた“戦闘ヘリ”の名作を徹底比較!
「戦闘ヘリ」と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、映画&ドラマ『ブルーサンダー』とドラマ『エアーウルフ』ではないでしょうか。
どちらも80年代を代表する人気作であり、ファンの間でも長年語り継がれている名作です。
ただし、タイトルは聞いたことがあっても「どう違うの?」と疑問に思っている方も多いはず。
この記事では、両作品の魅力や設定、描かれ方の違いを分かりやすく比較しながらご紹介します!
『ブルーサンダー』は、1983年に公開されたアクション映画として登場し、その翌年の1984年にはテレビドラマ版も制作されたシリーズ作品です。
映画版の主演は、名作『ジョーズ』などで知られる実力派俳優ロイ・シャイダー。最新鋭の戦闘ヘリコプター「ブルーサンダー」をめぐる陰謀と戦いを、緊迫感あふれる映像で描き出しています。
一方、テレビドラマ版は映画の人気を受けて制作されたものの、視聴率が伸び悩み、第1シーズン(全11話)で打ち切りとなりました。とはいえ、ヘリコプターアクションを前面に押し出した貴重な映像作品として、今でも一定のファンを持つ一作です。
『エアーウルフ』は、1984年からアメリカで放映された戦闘ヘリドラマシリーズで、全55話が制作されました。主演を務めたのは、当時人気を集めていた俳優ジャン=マイケル・ヴィンセントです。
物語は、ベトナム戦争の帰還兵が、最新鋭の超高性能戦闘ヘリ「エアーウルフ」を操り、さまざまな事件を解決していくという、スリリングで痛快な内容。アクションとドラマ性のバランスが評価され、シリーズは多くの視聴者の支持を集めました。
しかし、製作を担当していた会社が倒産。その後、事業が別の会社に売却され、新たに『新エアーウルフ 復讐編』としてリブート版が制作されます。この続編は24話が放送されたものの、前作ほどの人気には至らず、シリーズは終了となりました。
それでも、80年代の戦闘ヘリブームを象徴する作品として、今なお語り継がれる名作です。
2大戦闘ヘリ作品『ブルーサンダー』と『エアーウルフ』。それぞれに登場するヘリコプターの性能には、大きな違いがあります。
まず、『ブルーサンダー』に登場する戦闘ヘリは、実在の技術や軍用装備に基づいた比較的リアルな設定が特徴です。一方の『エアーウルフ』は、まさにSF的ともいえる超高性能ヘリとして描かれています。
その代表的な違いが「ターボブースト機能」。エアーウルフはこの機能により、マッハ(音速)を超える飛行が可能という設定になっていました。
しかし実際のヘリコプターは、構造上の制限から時速400km/hを超えることさえ極めて難しく、音速を突破することは物理的に不可能とされています。仮にジェットブースターのような装置で無理に加速すれば、機体に強い負荷がかかり、空中分解してしまうリスクが高いのです。
つまり、**ブルーサンダーは“現実寄りの性能”、エアーウルフは“理想を詰め込んだ超兵器”**という対照的なアプローチが取られており、その違いこそが両作品の大きな魅力となっています。
『ブルーサンダー』と『エアーウルフ』には、ストーリーや演出の違いはあるものの、共通する高性能な機能も多数存在します。
まず両機ともに、機体には防弾処理が施されており、戦闘中の被弾にも高い耐性を持つ設計になっています。また、一時的に加速できるターボ機能も備えており、緊急時の高速移動や離脱に活用されます。
さらに、どちらのヘリも高性能なコンピューターシステムを搭載しており、標的の捜索や索敵、情報収集などをスムーズに行うことが可能。まさに“空飛ぶ戦術司令室”といえる存在です。
そしてもうひとつ注目すべき共通点が、ローターの風切り音(轟音)を抑える消音装置の存在。これにより、隠密飛行が可能となっており、ステルス性を重視した作戦にも対応できます。
こうした共通機能は、両作品がいかに“未来的な戦闘ヘリ”を追求していたかを物語っています。
『ブルーサンダー』と『エアーウルフ』に登場する戦闘ヘリコプターは、いずれも実在する機体をベースに制作された架空の高性能機です。ここでは、それぞれの“元となったヘリ”について紹介します。
『ブルーサンダー』のモデルとなったのは、フランスのアエロスパシアル社が製造したSA341 という軍用ヘリコプターです。この機体は実際にフランス陸軍でも運用されていた実戦向けの軽量戦闘ヘリで、高い機動性が特長。
劇中ではこのSA341をベースに、キャノピー(風防)をダイヤモンドカット風の多面形デザインに改造し、独自のカラーリングで未来的な雰囲気を演出。こうして“ブルーサンダー”としてスクリーンに登場しました。
一方『エアーウルフ』に使われたのは、ベル社製のBell 222Aという民間用ヘリコプター。ビジネス用途でも用いられるスマートな機体で、映画やドラマに登場する戦闘ヘリとしては異例のベース機といえます。
このBell 222Aは、主に外装のカラーリングと一部のデザインのみを変更することで、架空の超高性能ヘリ“エアーウルフ”として生まれ変わりました。
なお、この撮影に使用された実機は、後に救急医療用ヘリ(エア・レスキュー)として再利用されていましたが、1992年6月6日、救急任務の帰路で雷雨に巻き込まれて墜落。その結果、オリジナルの“エアーウルフ”機体は失われてしまいました。
映画版『ブルーサンダー』(1983年)は、ロイ・シャイダー演じるロサンゼルス市警のヘリコプターパイロット、フランク・マーフィーが主人公。
カリフォルニア州政府と米陸軍が共同開発した秘密兵器「ブルーサンダー」のテストパイロットとして選ばれたマーフィーは、ある飛行テスト中に政府関係者による重大な陰謀を偶然録音・録画してしまう。
その瞬間から、マーフィーは証拠隠滅を図る組織に命を狙われることに。真相を暴き、生き延びるため、彼は孤独な戦いに身を投じます。
物語のクライマックスでは、マーフィーがブルーサンダーを自ら破壊し、正義を貫くというドラマティックな展開に。
夕焼け空を飛ぶブルーサンダーの姿は、多くの映画ファンに強い印象を残しました。
なお、翌年に制作されたテレビドラマ版『ブルーサンダー』は、残念ながら第1シーズンで打ち切りとなっています。
『エアーウルフ』は、人気シリーズ『ナイトライダー』を手がけた制作チームによって、1984年にアメリカで放送がスタート。ほぼ同時期に始まった『ブルーサンダー』とは異なり、こちらは放送開始直後から人気が急上昇し、シリーズ化されました。
物語は、CIAの天才科学者が開発した超高性能戦闘ヘリ「エアーウルフ」が、テスト中にリビアへ逃亡。
主人公である元パイロットのストリングフェロー・ホークは、CIAからの依頼でこのヘリを奪還。成功後、エアーウルフを自らの手で隠してしまいます。
CIA作戦部長アークエンジェルは、行方不明のホークの兄を捜索する代わりに、CIAの極秘任務にエアーウルフを使用するようホークに提案。ホークはこれを受け入れ、チームと共に様々な事件を解決していきます。
その後、制作会社の倒産により権利が売却され、『新エアーウルフ 復讐編』としてリブート。
キャストは大幅に変更されましたが、主人公の退場などをストーリーに自然に組み込む形で移行され、設定は引き継がれました。
どちらの作品も、筆者にとっては思い入れのある大好きなシリーズです。
『ブルーサンダー』は、大人向けの本格サスペンスドラマとして完成度が高く、社会派のテーマとリアルな設定が魅力的でした。機体のデザインも重厚感があり、シリアスなストーリーにぴったりとマッチしています。
一方の『エアーウルフ』は、超高性能ヘリによって事件を次々に解決していく痛快なエンタメ性が魅力。戦闘機との空中戦や、敵の拠点の破壊、隠密飛行、情報収集といったあらゆるミッションをこなす万能感が、見ていてとても爽快でした。
キャラクター性をヒーローに例えるなら、
『ブルーサンダー』はバットマン。影に潜みながら、冷静に正義を貫くダークな存在。
『エアーウルフ』はアイアンマン。最新テクノロジーを駆使して堂々と戦うスタイリッシュなヒーロー。
それぞれが持つ世界観とスタイルの違いこそが、ファンを惹きつける大きなポイントだと感じています。
この記事では、その昔、喜んで見ていた代表的な「戦闘ヘリ」モノの比較です。
繰り返しになりますが、両作品ともに大好きです。
どっちの方がいいとかは自分にはありませんが、好みの分かれるところなのかなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の記事は以上となります。
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