2000年から続く映画「X-MEN」シリーズのひとつ。その中でもどぎついながらもギャグに溢れる作風の珍しい作品で、その第2弾。近々第3弾が公開される予定みたいです。
※注意:この記事にはネタバレが多分に含まれています。作品をご覧になっていない方にはオススメできません。
『デッドプール2(原題:Deadpool 2)』は、マーベル・コミックスの人気キャラクター「デッドプール」を主人公にしたアクション・コメディ映画です。
2018年に公開され、前作『デッドプール』(2016年)の続編として、多くのファンの期待を集めました。
主演のライアン・レイノルズが再びデッドプール役を務め、独特のユーモアとアクションがさらにパワーアップしています。
かつての傭兵ウェイド・ウィルソンは、治療不可能な病を乗り越え、デッドプールとして生まれ変わります。今作では、未来から来た戦士ケーブルと対峙しながら、若きミュータント「ラッセル」の命を救おうと奮闘します。家族や仲間、そして自分自身と向き合う、騒がしくも温かい戦いが描かれます。
一見すると過激で下品。でも、どこか温かくてアットホームな空気感──それが「デッドプール2」の最大の魅力です。
本作は、マーベル作品としては異色のR指定映画。まるで「ジョン・ウィック」シリーズを思わせるような、ハードなアクションとバイオレンスが展開され、人が吹き飛び、バラバラになる描写も少なくありません。主人公のデッドプール自身も、何度も壮絶な目に遭います。
こう書くとただの残酷映画に聞こえるかもしれませんが、不思議と観ていて“爽快”なんです。その壊しっぷりが潔く、むしろ笑えてくるほど。
また、デッドプールの発言は時に非常に下品で毒舌。しかし、その裏には深い悲しみ、愛情、そして優しさが潜んでおり、観る者の心を掴んで離しません。彼をサポートするキャラクター・コロッサスも、そんな彼の“人間らしさ”に共感しているのかもしれませんね。
オープニングの映像は、「007」シリーズを彷彿とさせるパロディ調。BGMには制作者の強いこだわりが感じられ、映画ファンなら思わずニヤリとしてしまうことでしょう。
さらに「デッドプール2」は、さまざまな映画やポップカルチャーをユーモアたっぷりにパロディ化。映画ファンなら「このネタ知ってる!」と楽しめる要素が満載です。
ただのスーパーヒーロー映画じゃない。笑えて泣けて、ちょっとグロい。でも、どこか心に残る──「デッドプール2」は、そんな唯一無二の魅力を持った作品です。
映画『デッドプール2』を語る上で欠かせない要素のひとつが、“第4の壁”を突破するというユニークな表現スタイルです。
「第4の壁」とは、もともとは演劇用語で、舞台上の登場人物と観客席を隔てる“見えない壁”のことを指します。通常、役者はその壁を意識せず、観客の存在を感じさせないように物語を進行させます。この概念は、現在では映画やマンガ、小説などにも応用され、登場人物が視聴者や読者を“意識しない”という暗黙の了解となっています。
しかし、デッドプールは違います。
この作品の主人公・デッドプールは、自分が「映画のキャラクター」であることを理解しており、劇中でしばしば観客に話しかけたり、ウィンクをしたりといった“メタ”な行動を取ります。まさに“第4の壁を破る”演出が、彼のアイデンティティのひとつなのです。
原作コミックではさらに大胆で、コマの枠を飛び越えたり、過去の自分のコマに戻って会話したりと、マンガという表現媒体そのものを遊ぶような自由さが見られます。
このようなメタフィクション的演出により、デッドプールは他のスーパーヒーローとは一線を画す存在となっています。自分が「作られた存在」であることを理解している彼は、時に自分を“この世界の神”と称することすらあります。
『デッドプール2』は、ただのアクション映画やマーベル作品にとどまらず、「キャラクターと観客との境界を越える」という新しい映画体験を味わわせてくれる作品です。
『デッドプール2』の中で、ファンが熱狂したシーンのひとつが、メタルボディのミュータント・コロッサスと怪力モンスター・ジャガーノートの直接対決です。迫力満点のこのバトルは、まさにマーベル映画らしさ全開の名シーン。
まず、ファンにはおなじみのキャラクター「ケーブル」が登場。演じるのは、なんと『アベンジャーズ』シリーズでサノスを演じたジョシュ・ブローリン!このキャスティングに、劇中のデッドプールも“サノスネタ”でしっかりとツッコミを入れてくれます。こうしたメタジョークも『デッドプール2』の魅力のひとつですね。
そして、何よりうれしかったのが、「X-MEN」シリーズの人気キャラジャガーノートの本格登場!前作『X-MEN:ファイナル ディシジョン』では、サイズ感が小さくインパクト不足だった彼が、今作ではまさに“怪物級”の迫力で描かれています。
意外と知られていないのですが、ジャガーノート(ケイン・マルコ)は、X-MENの創設者であるプロフェッサーX(チャールズ・エグゼビア)の義兄弟にあたります。しかも、彼はミュータントではなく、古代の魔力を宿す“サイトラックの魔石”によって超人的な力を得ている特別な存在です。
さらに、彼が常にかぶっている特徴的なヘルメットには重要な意味があります。これは、プロフェッサーXの強力なテレパシー攻撃から自分を守るための防御装備で、精神波を遮断する特殊素材で作られています。ちなみに、マグニートーのヘルメットも同じ素材が使われているというのは、マーベルファンにとって嬉しい裏設定ですね。
ジャガーノートは、一度暴れ出すと誰にも止められない存在。あまり頭が良くないため、作戦には引っかかりやすい一面もありますが、そのパワーはハルクやソーにも匹敵すると言われ、体は強力なフォースフィールドに包まれていて、物理的な攻撃ではまず傷つけられません。
このような強大なキャラクターを前に、コロッサスがどう立ち向かうのか。CGの迫力も相まって、アクションシーンとしての完成度も非常に高く、まさに見逃せない名勝負です。
『デッドプール2』には、映画ファンなら思わず二度見してしまう“超豪華なカメオ出演”があります。
なんと、ハリウッドのトップスター・ブラッド・ピットがわずか「2秒間」だけ登場するのです!
演じているのは、Xフォースのメンバー「ヴァニッシャー」。透明人間であるため、普段は画面に姿が映らないのですが、ある瞬間だけ正体が“チラッ”と見えるという演出。そのたった一瞬に、なんとブラピが登場するという超贅沢なサプライズ!
こんな贅沢な使い方、さすが『デッドプール2』。製作陣の遊び心が炸裂していますね(笑)。
このような遊び心あふれる演出も本作の大きな魅力。映画の細部まで注目して観ると、思わぬ発見があるかもしれません。
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