映画を楽しむにあたり、気に入ったキャラクターを見つけるというのもあります。
そこで今回はあまりにも強烈で鮮烈なイメージで世界中にファンがいるほどのキャラクターで殺人鬼にもかかわらず魅力を感じてしまうハンニバル・レクター博士を紹介します。
映画「羊たちの沈黙」「ハンニバル」「レッドドラゴン」ドラマ「ハンニバル」など通して登場するキャラクターのハンニバル・レクター博士について語ってみたいと思います。
優雅でオシャレでスマートだが、そのうちに秘めた凶暴な獣性とのギャップが魅力なのだと思います。
実は医師免許を保有しており、精神科医として活動していました。
大変、優秀なうえにセレブを相手にするような権威性の高い医師として知られるほどの人物として描かれています。
さらに研究熱心であり、患者を診るのと同時に研究も行っています。
自宅にワインセラーを置き、年代もののワインを何本も所有。
銘柄にも詳しく、ソムリエとして料理に合わせたワインをチョイスすることもできます。
非常にするどい嗅覚と味覚で細かいレシピや調理法を言い当てることも。
また自ら調理して、友人を自宅に食事に招いて食事会を行います。
美術・芸術にも詳しく、詳細な歴史についても記憶している。
美術の分野でも博士号をもっており、研究者として講義を行うこともできるほど。
肉体的にもトレーニングを欠かさず行い、格闘技やナイフを使った戦闘術などを修得しています。
いつでも最高のパフォーマンスが発揮できるように気を使っています。
しかも彼には道徳的な縛りが一切ないので効率よく相手を壊すということになんの躊躇もないです。
警官の2、3人くらいならば少しのスキであっという間に行動不能に陥らせることが可能です。
医学、数学、幾何学、歴史、美術、芸術など学問に関しても驚異的な頭脳を見せます。
彼は長年にわたり「記憶の宮殿」を頭の中に構築していて、文字や情報だけでなく、その場で感じた感覚などを逐一すべて記憶として蓄えています。
映画「羊たちの沈黙」で登場した時には牢獄内で、美しかった景色、美味しかった料理やワイン、楽しかったこと、面白かった本などを何度も反芻するように思い出して生活していました。
なので狂わずに頭脳を冴えわたらせたまま保つことができたのです。
視覚:視力自体ももちろんよいが、見た景色を画像的・映像的なイメージとして覚えることが出来て後から分析できるほど。
聴覚:かすかな足音でも誰のものか聞き分けたり、動物の鳴き声などを聞き分けることもできる。また絶対音感の持ち主。
嗅覚:料理に使われている微かなスパイスやハーブの香りを嗅ぎ分けたり、皮膚から漂う汗や分泌物の匂いを嗅ぎ分けることもできる。
味覚:かすかに使われた料理の隠し味を下で感じ分けることができる。
触覚:かすかな風や温度のぶれや触れたものの感触で状態を理解することができる。
レクター博士は旺盛な探求心を向けている対象が2つあります。
ひとつ目を探求するためにもっとも冒涜的なことを平気で行うことで、天罰を与えられることがないことを証明しようとしています。
さらに例えば教会が落雷に撃たれて死者が出るような火事になった場合に、その教会関係者に天罰を受けるような神を冒涜するような行いがあったかどうかを徹底的に調べて、天罰との因果関係があるのかどうかを研究していたりします。
そしてふたつ目は道徳や倫理は自由を失わせるものである。だから不道徳なことも行えるような絶対的な自由ということに興味があるわけです。
このふたつについて探求心を満足させるのが「人を殺して料理して自ら食べるだけでなく、何事も知らない人々にその料理を食わせる」という神をも恐れない冒涜的で不道徳極まりない行為なんです。
また「本人の一部を食わせる」ということも行います。
すべての作品をこれから網羅するとなるとかなりの時間と労力がいります。
最低限、これだけ見れば魅力が分かるというものを紹介いたしたます。
ハンニバル・レクターという人物像がもっとも分かりやすい作品として、やはり映画「羊たちの沈黙」を挙げます。
アカデミー賞受賞作品というのもありますし、アンソニー・ホプキンズの怪演が見事です。
これを見て興味が出たら、あとはお好きな順番で観てもいいと思います。
また、この記事にはレクター博士のモデルになっている実在した殺人鬼たちも紹介しています。
また、魅力という点ではドラマ「ハンニバル」シリーズはよい感じです。
ドラマ「ハンニバル」シリーズはシーズン3まで製作されています。
時系列としては映画「ハンニバル・ライジング」と映画「レッドドラゴン」の間を埋める作品になっています。
逮捕前の若かりしレクター博士をマッツ・ミケルセンが非常に魅力的に演じています。
ちなみに映画「羊たちの沈黙」、「ハンニバル」と原作小説からの考察をまとめた本が出版されています。
フィレンツェの美しい景色や芳醇なワイン、子羊の脳みそ料理など豊富な情報量で人物像に迫っています。
いままで3人の俳優が演じています。
この記事でわかるのはハンニバル・レクターというキャラクターの魅力についてです。
人物像を把握してから作品を読み返したり、見返すとまた一味違った感想と新たな発見があると思います。
せっかくですから味わい尽くしましょう。