以前から何度かプロレスについての記事を書いてきました。
いずれも男子プロレスの記事でした。もちろん女子プロレスも大好きです。
だから今回は女子プロレスの記事を書いてみました。
まずはざっくり女子プロレスの歴史と楽しみ方の幅が広がって、今すごく面白いことになっているので男子との違いと基本を少々書きました。
1948年くらいからあり、男子プロレスよりも実は歴史が古い。
ただし、「ガーターマッチ」という、互いのガーターベルトを脱がしあう形式の試合というよりは現在の「キャットファイト」や「泥レス」にちかいものでした。
プロレスの神様、力道山が「プロレスは女にできるものではない」といったことから、禁止令が出されてしまい、女子プロレス自体が一時期姿を消していました。
世界チャンピオンのミルドレッド・バーク、メイ・ヤングら当時の全米トップ選手を招いた在日米軍慰問試合などで蔵前国技館を始めとした大会場を使って興行して注目を集めました。
満員の観衆を集め大反響を得たため、それまでのお色気強調路線を排し、現在の女子プロレスに近い形になっていきました。
1955年9月10日と11日、両国メモリアルホールで「全日本女子プロレスリング王座決定トーナメント」が開催されて、猪狩定子&田山勝美組が女子タッグ初代王者となります。
また記録映画として『赤い激斗』が制作されました。
これを機にいくつもの女子プロレス団体が乱立したものの、これらは日本女子プロレスにまとめられ、
最終的には現在の興行形態を作った全日本女子プロレスが女子プロレス団体として勝ち残ります。
1970年代後半にビューティ・ペアの登場により女性ファンの人気を集めブームとなり、それ以降もクラッシュ・ギャルズなどスター選手は女性人気を得ることとなっていきます。
プロレスでは男子・女子共にスター選手たちはアイドル的な側面とともに正義の味方的な一面も持っています。
彼らは「ベビーフェイス(善玉)」と呼ばれます。
そんなスター選手、または正義のヒロイン的な選手の超えられない壁として興行を盛り上げるのが「ヒール(悪玉)」です。
反則行為やえげつない攻撃や物言いなどで、ベビーフェイスを圧倒します。
特に80年代は不良ブームもあり、メイクやファッションが不良を思わせるものが多かったです。
しかしヒールにはヒールの矜持があり、そこがファンたちを惹きつけています。
だからこそダンプ・松本やブル中野のような伝説的なヒールレスラーが誕生しました。
1990年代に入りユニバーサル・プロレスリングやW★INGプロモーションと業務提携を結んだ全日本女子が提供試合をしたことで男性ファンから注目を集め、
FMW女子部と全日本女子の対抗戦が契機となり、全日本女子を中心に団体対抗戦が東京ドームなどの大会場で行われるほどの人気を得た。
団体対抗戦は総じて負傷必至の消耗戦であり「勝っても負けても良い試合をして次の試合につなげる」というプロレスの鉄則を破るものであった。
クラッシュ・ギャルズ以来の女子プロレスブームが起こり女子プロレス単体でゲームソフトが発売されるほどだった。
その後、団体が分裂・細分化するなどして小規模団体が乱立するようになると、どの団体も地方巡業が出来ずに資金不足になっていく。
首都圏という限られた範囲の中のしかも減少してしまったファンの取り合いになっていくが、消滅していってしまう団体も現れます。
またほかのプロスポーツと違い、プロレスは選手生命が非常に長く、新たなスター選手が生まれづらい土壌であったのも業界を追い詰める要因でした。
そこに格闘技ブームとなります。
格闘技ブームになり、男子プロレスも経営上かなりの打撃を受けることになります。
格闘技大会に参戦することでプロレスに注目をもどそうという動きもなかなかうまくいきません。
そんな中、柔道選手出身の神取忍選手と、生粋の女子プロレスラー北斗晶の因縁の対決が行われます。
ゴング直後からバッチバッチでやられたらやり返すケンカマッチの状態。
すぐに北斗晶は頭を割られ、明るい金髪と顔面が真っ赤に染まってしまいます。
驚くほど凄惨な試合でした。
最終的に何とか北斗晶がフォール勝ちとなります。
その後マイクを持ち神取忍に向かい「お前には(プロレスに対する)愛がないんだよ!」と叫んでいました。
技のスピードや過激さが増して、リング上での事故などで亡くなる選手が出始めます。
さらにタレントのようなリング外での活動も数多くするようになります。
結果、ストレスなどで自分の命を自ら断ってしまった選手も。
ショーとはいえ命を削ってリングに上がり、毎日のトレーニングをこなす選手たち。
そんな選手が亡くなってしまうのは非常に残念に思います。
亡くなられた選手のご冥福をお祈りいたします。
もともと、男子プロレスに比べ、アイドル要素を取り入れたり、派手なメイクや衣装で選手の個性をアピールしたりすることが多かった女子プロレスです。
しかし最近は団体数が増え、さらにその中でのグループがあったり、と多様化が進んでいます。
選手の移籍などもある種ドラマ的にセンセーショナルに演出されたりと、見ている観客をドキドキ、ワクワクさせる展開で楽しませている。
ひとりでもお気に入りの選手を見つければ楽しめるようになってきています。
男子に比べて平均的に女子は身体が小柄で体重が軽いです。
そのためスピーディな動きと技のキレ、そしてトップロープからのダイナミックなダイブ技などで観客を魅了します。
さらに団体vs団体での抗争や対抗戦などが男子に比べ数多く実施されているのが特徴です。
レスラーのタイプも非常に多様性があります。
などです。
もちろん複数要素が組み合わさっている選手もいますし、選手ごとの「ドラマ」があります。
追いかけて見てみるとより楽しさが倍増すると思います。
以上の動画はヒールで活躍する世志琥(よしこ)選手のTikTok動画です。
彼女はリングではバチバチのヒールで流血を伴うような過激な試合もしますが、ネット動画では違った一面を見せています。
彼女の紹介する自作の料理やスイーツが大人気です。動画自体も非常におもしろいです。
大人気でレシピ本が発売されるほどになっています。
このようにネットでの活動や発信を行う選手も増えています。
これも楽しみ方のひとつです。