音楽って不思議ですよね。その曲を聞けば、その曲を楽しんでいた頃の自分の心情、記憶、匂い、雰囲気を思い出します。
今回は、そんな好きな音楽の中から一青窈さんの曲について書いてみようと思います。
台湾人の父と日本人の母を両親に持ち、幼少期は台湾で過ごしていたそうです。小学校2年生の時に父がガンで亡くなっっています。
そのため彼女の曲には父に関する歌詞がしばしば登場します。
2002年「もらい泣き」でデビュー。翌年同曲で日本レコード大賞最優秀新人賞、日本有線大賞最優秀新人賞などを受賞、NHK紅白歌合戦初出場。
デビューしてすぐに大ヒットの歌姫。
さらに2004年 5thシングル「ハナミズキ」が大ヒットを記録。
日本だけにとどまらず海外でもカバーされるほどの世界的ヒットとなりました。
そんな彼女の曲で気に入っている2曲を紹介、深読みしてみようと思います。
2003年春にリリースされた2ndシングルです。
自分は2004年に発売されたアルバム「一青想(ひとおもい)」を購入したらその中にこの曲が入っていて衝撃を受けました。
ドラマティックで凄烈な冒頭のメロディ。そして歌詞。
だれかに言われて
パパに遇いたくはなる
あの観覧車を覚えてる
一青窈「大家」歌詞より
以上の歌詞は亡くなってしまった父を思い出しているんですね。
幼い頃に遊園地に連れて行ってもらった事を思い出しているんですね。
失ってしまってその重要さにはじめて気が付いてしまいさみしくはなる。
みんな誰でも自分の「心の中の父」のような大切な人がいるけど、結局は自分ひとり。
だから心配ない。自分もひとりで生きていける。だからお父さん心配しないで。
って内容の曲なんですよね。せつないようなやさしさに溢れたような歌です。
2004年2月にリリースされた5thシングルです。
一青窈の代表曲として最もヒットし、最もカバーされ、世界的にも評価の高い曲です。
この曲は「君の好きな人と百年続きますように」の歌詞から結婚式で歌われる曲になっています。
でも実は恋愛要素はこの曲のメインではないんですよね。
実はアメリカの9.11同時多発テロ事件で傷ついた人々に向けて歌った曲だったんですね。
ハナミズキはアメリカに桜を日本から送って植えたところ非常に喜ばれ、今でもそこが観光名所になっているそうです。
そしてその「返礼」としてアメリカから日本にハナミズキが送られたそうです。その事があり、ハナミズキの花言葉には「返礼」という言葉が加えられたそうです。
そしてこの曲の歌詞の「自分」と「君」は誰なのか?
「水際まで来てほしい」という事から、自分が死んでしまったので水際(死の世界)から見えるところに来て一目でも姿が見られたらと思っているのが分かります。「
「水際」=あの世とこの世を分ける三途の川の岸のことです。
彼岸(ひがん)=あの世にいる自分から、姿が見える此岸(しがん)=この世の際まで来てくれたらという願いなわけです。
そして「母の日にミズキノハ送ってください」という歌詞から「自分」は母親で息子に送る歌詞なのだというのが分かります。
9.11同時多発テロで自分は死んでしまったけど息子の幸せを願っているよ。果てない波(テロを起こしてしまうような憎しみの連鎖)がちゃんと終わって、君と好きな人が百年幸せでいられますように。
なんて優しいことばなんでしょう。
他にも一青窈さんの曲には良いモノがたくさんあるのですが、なぜかこの2曲が自分の中では強烈に印象に残っています。
それからいつもステージで裸足だったなぁ~というのを覚えてます(笑)
[quads id=1]