今回はどの作品の記事よいか「X」によるアンケートで決定させていただいた「超人ロック」について語らせていただきます。
「超人ロック」と言えば、「超能力」です!
そして「スターウォーズ」も真っ青な壮大なSFストーリー。
意外とファンの方も多いのではないでしょうか。
※注意:この記事にはネタバレが多分に含まれています。作品をご覧になっていない方にはオススメできません。
聖悠紀(ひじりゆき)による日本のSF漫画を原作とした、ラジオドラマやアニメーション映画、OVAなどの作品群。
1967年が作品初出という事でSF作品としては「STARWARS(スターウォーズ)」よりも歴史が古い。
永遠に生き続ける強力な超能力を持つ少年の視点で描かれる人類のドラマです。
1984年に公式アニメ化初の劇場版が公開。
1989年にOVA化され「ロードレオン編」、91年にOVA「新世界戦隊編」が発売。
どんどん、新しいファン層を獲得していきました。
2022年10月30日に聖悠紀は72歳で亡くなりました。2017年に一度で心停止し、蘇生されるが昏睡状態になってしまいます。術後2か月で退院しリハビリに励むも、パーキンソン病に侵されており闘病生活に。
2020年6月にパーキンソン病で闘病生活している事を公表。
つまり、2017年までは「超人ロックシリーズ」(その他も)を50年以上も執筆し続けていたわけです。
残念ながら、本作が完結を見る前に聖悠紀が永眠されたので未完のままでの絶筆となっています。
主人公・ロックと同じように永遠に語り継がれるようになったという事なのでしょう。
「超人ロック」はいわゆる本作の主人公であるロックのふたつ名であり、彼の持つ強大な超能力ゆえに「永遠の命を持つ超人」と呼ばれています。
彼は永遠の命を持ち、何百年も生きていると言われています。
彼は普通の人間と同じような感情を持っていて、普通の人間として静かに暮らすことを求めています。
権力や特権階級を嫌い、あくまでもごく普通の人間としての生活を願っています。
しかも、その超能力を駆使し、年齢・性別・容姿を変化させて定期的に別人としての人生を送るので、彼を探し当て追跡することはかなり困難なことです。
だから一種の「おとぎ話」や「伝説」としてごく一部の人々の間では、彼のことは本当かどうかも分からない存在として語られます。
逆に彼を知った者たちは彼の強大な力を我がものとするために策略を巡らしたりします。その結果、彼の大切な周囲の人々に危害が及ぶことがあります。
愛する者や仲間たちが傷つけ、殺されたりして苦悩する場面がしばしば描かれます。
また精神的・肉体的に極限状態に追い詰められてしまうと敵味方区別なく攻撃してしまう「狂戦士状態」になってしまい、暴走してしまいます。
そのため、もし戦いになったり「狂戦士状態」になった場合に惑星をも破壊してしまうその能力の被害を少しでも減らすために人口が少ない田舎に居住する事を選択しています。
だから、彼は極力、人との接触をしないです。
基本的に緑色の髪の少年の姿をしている事が多いです。恐らく生れ落ちてからのロックの本来の姿なのでしょう。
「超人ロック」の世界では銀河中を飛び回る宇宙船が一般人でも操作可能な社会で、超能力についてもその存在が認められ研究対象として認められています。
その中で、描かれる、事件、戦争、恋愛、葛藤、などなどが、基本的にロック以外の人間たちの間で展開していきます。
エスパーとは超能力者のことで、「E」とも呼ばれます。いつから公認されたかは不明ですが、対ESP兵器は「炎の虎」事件以降に作られました。彼らは普通の人から差別や迫害を受けたり、軍や企業に利用されたりしました。「力」はCマイナーからAプラスの6段階で分けられ、最強は「クラスS」です。ロックは「クラスS」か「クラスL」でした。力は訓練や心理変化で上昇したり、新たな能力を獲得したり、特定の能力に特化したりします。
スキャナーとはエスパーの別名で、「壁の向こうや心をスキャンする者」という意味です。西暦から宇宙暦初期に使われました。先進国では適性検査で見つけて情報機関に使われましたが、人間として扱われませんでした。彼らの能力をさしてスキャン能力とかスキャニングと呼ばれます。
もっとも応用力がある能力です。物体を思った通りにしかも触れずに動かす能力です。
能力のレベルが高ければ高い程、動かせる物体の規模は範囲が広がります。より微小なものから、より巨大なものまでをコントロールできるようになります。
微小サイズでのコントロールが出来れば、例えば空気の層を自分の周囲にまとわせる事で真空中でも活動できますし、原子の振動をコントロールすれば、宇宙空間で宇宙線に侵されることなく生身で行動できたり、自身の体温をどんな環境でも保つ事ができます。
逆に極大サイズでのコントロールでは、宇宙船や隕石などを動かしたりできます。ロックは「太陽をも凌ぎ、惑星を引き裂く」ことが出来ると言われています。
またいろいろ応用する事で、衝撃波や電撃を発生したり、銃弾を弾き返し、レーザーを歪曲させるなど、いろんな効果を生むことが出来ます。
周りのエネルギー(熱など)を集めて光の槍や剣のような武器にします。エスパー自身のエネルギーだけでなく、外部のエネルギーも使うので威力が高いです。しかし、エネルギーが少ない宇宙などでは作りにくいです。投げたり切ったりして戦います。普通のバリアーは簡単に切り裂けます。命中すると爆発することもあります。
『魔女の世紀』では剣みたいに固かったですが、その後は形がなくなって光の棒になりました。ロックは得意技としてよく使います。時が経つと、他のエスパーも使えるようになりますが、制御が非常に難しいので限られた能力の高いエスパーにしか扱えません。 初出は『炎の虎』のアマゾナでした。
また、エネルギー吸収球(エネルギー吸収ボールというものがあります。
これは空間をねじって作る暗い球体で、テレポートの応用です。周りのエネルギーを吸い取る性質があります。人間が触れるとショックを受けて、失神することもあります。空間に浮かび、作ったエスパーがなげたりします。テレポートできるエスパーなら作り方を知れば誰でも作れます。ラフノールを惑星ごと隠すのにも使われました。亜空間フィールドと似た原理で、亜空間フィールドでエネルギー吸収球を消せますし、エネルギー吸収球で亜空間フィールドを消せます。
最初はロード・レオンとロックだけの技でしたが、時代が進むと、他のエスパーも使うようになりました。 最初に使ったのは『ロード・レオン』のロード・レオンです。
精神感応力と訳されることが多いです。相手と言語・音声や合図、機械などを利用せずに遠隔で直接頭脳に語りかける事ができます。
また相手の記憶や考えている事を読み取ったり、強力になれば考えをコントロールして思い通りに操ったりできます。
さらにより正確に深層を読み取る時には相手に触れることで正確性がまし、より深層をのぞくことが出来ます。これを接触テレパスと呼びます。
いわゆるスキャン能力と呼ばれるに至った代表的な能力です。
透視能力もこの能力の一端であります。
治癒(メタボライザ)は傷を癒す超能力です。水分を使うので、使うと体から湯気が出ます。病気は治せません。「マトリクスコピー」や「若返り」などの応用があります。
若返りとは肉体年齢を超能力で変えることです。最初は自分だけでしたが、他人にもできるようになりました。 帝国期には科学でもできるようになりましたが、限界があります。普通の人は2回が限度で、3回以上は化け物級の能力です(帝国の大臣は15回やりました)。また老化を早めることもできます。 新連邦時代には安くできるようになりましたが、適合率が必要です。適合率が欠けていると死ぬこともあります。若返りできない人もいます。 若返りの限界は「5歳児」です。
初出は『コズミック・ゲーム』のロックです。
再生能力はロックの特別な若返りです。赤ん坊になっても能力や知識を保存しています。初期のエピソードでは記憶能力が不完全で若さゆえの失敗もありました。ロックだけの能力で、生理現象のようなもので自分では止められません。逆に自分自身で再生することは可能です。 初出は『コズミック・ゲーム』です。
この能力がある事により、銀河の歴史にロックが関わる壮大な物語を展開することが可能となります。
超能力の技を見ただけ、体験しただけで学習・吸収する超能力。一見便利なようだが、使う者の能力次第で墓穴を掘ることもあります。
吸収する相手の能力が自分を上回っている場合、吸収した能力をコントロールできずに自滅してしまう事があります。
超能力で作る多次元のバリアです。鏡のような形で、中は別の空間です。ロスト・プラネットのエスパーが精神体を保管していたのですが、後にバリアや宇宙船として使われるようになりました。強度は高く、物理攻撃や超能力攻撃では壊せません。特定の超能力や兵器でしか破壊できません。小さくするとエネルギーなしで永遠に存在できるようになります。牢や結婚指輪としても使えますが、内側から出ようとすると自分も死んでしまいます。星間移動に便利ですが、探知されやすいし、外の情報が入りにくいです。鏡の出来で超能力のレベルが分かります。 初出は『スター・ゲイザー』で、複数のエスパーが作ったのです。『魔術師の鏡』からは1人でも作れるようになりましたが、性質に違いがあります。
E・デテクター、ESPセンサーは超能力を使うと発する波長を感知して、力の強さを示す機械です。ジャマーなどはデテクターの反応で動きます。 ESP波は人によって違いますが、登録すれば誰か分かります。『凍てついた星座』ではロックの波を記録して居場所を探したことがあります。
ESPジャマーはエスパーに対する兵器です。略して「ジャマー」と言います。偽のESP波でエスパーの脳を刺激して、痛みを与えます。範囲内のエスパーは動けなくなりますし、強いと気絶や死にも至りますが、エスパーでない人には影響しません。最初は固定の波長でしたが、後に対象のエスパーに合わせて波長を変えるジャマーや、ランダムに変えるジャマーができました。小さいものから大きいものまで色々あります。エスパーに対する装備としては定番です。昔は軍のものでしたが、今は一般の家でも使われます。 訓練で少しは耐えられますが、ジャマーの近くにいると「乗り物酔いと二日酔いを足して、2を掛けたような」感じだそうです。帝国時代にはジャマーを止める装置もありましたが、今はロストテクノロジーとなっています。
1960年後半からSF作品が小説などで日本に入り始めてきます。時代的にSFが流行しだした頃に「超人ロック」は産声を上げます。
しかし当時は「マンガやアニメ」は子供向けで、「SF」は子供だましだという風潮でした。(残念ながら今でも片鱗が残ってます。)
そして1977年映画「スターウォーズ」の公開で「SF」作品の評価が世界的に上がります。
そんな中、すでに日本では存在していた「超人ロック」は見直されることとなるわけです。
さらに日本においてSFを流行させた作品のひとつで、その役割は非常に大きかったです。
洗練された宇宙船などのメカデザイン、魅力的なキャラクター、普遍的な人間ドラマ、超能力や永遠の命による苦悩などがしっかりと描かれ、壮大な一大叙事詩となっています。
いわゆる壮大な「スペースオペラ」が人々に受け入れられて、アニメ劇場版、OVA化、ラジオドラマなどと広くメディア展開されていきます。
「超人ロック」以降、マンガやアニメのキャラクターデザインで、独特の色や髪型をした者たちが多く登場するようになります。
その髪型はまさに自由自在な色と形をしています。
この髪型は、「重力に逆らっている」ようだから「無重力ヘア」と呼ばれるようになります。
無重力ヘアのキャラクターはロック以前には記憶にないので、恐らくロックが「元祖・無重力ヘア」でしょう。
よく、似ているからとごっちゃにされちゃうのが「サイボーグ009」の主人公嶋村ジョー。
確かに片目が隠れる前髪や大きく後ろになびく後ろ髪など似ている部分もあります。
違いとしては、サイボーグ(改造人間)である事、デザイン的には真っ赤な戦闘スーツ、能力としては超能力ではなく加速装置による、超加速状態で行動できるという事です。
一番わかりやすい見分け方は髪の毛の色が緑色していたら「超人ロック」です。(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の記事は以上となります。
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