※以下は2021年7月4日に公開した記事をアップグレードしたものです。
珍しくラブ・ストーリーの映画を紹介します。今回紹介する映画は同じ監督、同じ主演女優の映画です。
一時期、大人気で主題歌の日本語カバーや日本でもドラマ化など大ヒットしました。
「猟奇的な彼女」、そして同じ監督、同じ女優で製作された「僕の彼女を紹介します」の両作品を解説していきたいと思います。
「猟奇的な彼女」:2001年公開のクァク・ジョエン監督作品。主演女優チョン・ジヒョン。挿入歌「I Believe」が大ヒットしたことでも話題に。
「僕の彼女を紹介します」:2004年公開。監督、主演は同じ。主題歌に日本のX JAPANの「Tears」が韓国映画初の日本語主題歌として使われた異例作。
またチョン・ジヒョンがボブ・ディランの「Knockin’ on heaven’s door 天国への扉」をカバーして劇中で何度も流れます。
※注意:この記事にはネタバレが多分に含まれています。作品をご覧になっていない方にはオススメできません。
ナンパ大学生のキョヌはひょんなことから「彼女」と出会います。
「彼女」の口ぐせは「ぶっ殺されたい?」。
気に入らなければ誰にでも文句をつけ、すごい勢いでどつきまわそうとします。
そんな彼女に振り回され、どつきまわされるがキョヌは彼女の悲しい過去を知ってしまい、なんとか「彼女」の力になってあげたいと思うようになります。
「彼女」を受け止めようと日夜がんばるキョヌにだんだんと「彼女」も心を開いていくが…。
女性警官のギョンジンは教師のミョンウと出会い、交際を始めます。
夏休みに二人で旅行に行って語り合い、ミョンウは「自分の前世は風だった。死んだら風になりたい。」と話します。
その帰りに二人の乗った自動車は悪天候で転倒して川へと転落してしまいます。
ミョンウは溺れて息が止まってしまいます。ギョンジンは必死で蘇生措置を施します。
ミョンウは何とか息を吹き返しました。
事故後、お互いに気持ちが強くなっていきます。
事件に無謀に飛び込んでいくギョンジンを心配するミョンウ。
そんな矢先ミョンウはギョンジンを守るために銃撃戦に巻き込まれて胸に銃弾を受けてしまい、亡くなってしまいました。
悲しみに暮れるギョンジンは後を追おうとして何度も自殺を図りますが、その度になぜか助かってしまいます。
ギョンジンは49日の間はミョンウの魂は地上にいると信じ、刑事に復職します。
しかし追っている犯人に胸を撃たれてしまうギョンジン。
奇蹟的に助かった彼女は夢の中でミョンウに再会して前向きに生きる意志を固めます。
そんな彼女にやさしい風が吹くのでした。
なぜ二つの作品を同時に紹介するのかというと、設定がかぶっているところが諸所あります。続いている作品のように見せるために敢えて行っている事なんです。
つまりふたつの作品のつながりを考えるのは実は非常に重要なんですね。
「僕の彼女を紹介します」のラストは「猟奇的な彼女」の冒頭にあるシーンとかぶります。
チョン・ジヒョン扮するギョンジンが駅で電車にぶつかりそうなところをすんでのところで助けられるのですが、助けてくれたのは「猟奇的な彼女」のキョヌ役のチャ・テヒョンです。
これから「猟奇的な彼女」のストーリーが始まっていくような終わり方をしています。
ストーリー上、「僕の彼女を紹介します」→「猟奇的な彼女」になります。
また設定上、「猟奇的な彼女」では二人は学生ですが、「僕の彼女を紹介します」では成人した社会人です。
つまり時系列で考えると別の物語にはなっているのですが、敢えて「猟奇的な彼女」を彷彿させるシーンとして描かれています。
なのでオススメの鑑賞する順番が「猟奇的な彼女」⇒「僕の彼女を紹介します」⇒「猟奇的な彼女」の順です。
この順番で観れば、「学生である」とか「成人している」とかの設定を超えて楽しんでいただけると思います。
2度目の「猟奇的な彼女」を見る時のポイントは、もちろん設定のシンクロしている部分の確認なんですが、もう一つ重大なのが隠れキャラ探しです。
いろんな隠れキャラがいます。中には監督自身が入ってたりします。
実はこれ、DVDなどの特典に説明があり正解もそこに記載があったりするのですが、中には実際に作中で見つけるのがかなり難易度の高いモノがあります。
難しかったのが空にUFOが飛んでいくというものがあります。ぜひ探してみてください。
「僕の彼女を紹介します」では主題歌がX JAPAN「Tears」が採用されています。
X JAPANが韓国でも非常に人気があり監督自身も大ファンなんだそう。
韓国映画史上では初の日本語主題歌の採用だったようです。
監督のその後の作品も「僕の彼女はサイボーグ」日本作品を撮ってみたり、「世界の中心で愛を叫ぶ」の中国リメイクを撮ってみたりと日本好きなんですね。
そのせいもあってか、日本のマンガ、古谷実「僕といっしょ」のシーンと全く同じシーンが劇中にあります。
ビルの屋上で自殺しようとしているギョンジンの元に現れた家出少年たちとのシーンです。
この事を指摘している人ってほとんど見ない。大発見なんですかね(笑)
確かに日本好き以外につながりが全くないですからね。
とにかく好きな映画です。
あえてポイントを挙げるならば
特に「猟奇的な彼女」は大人気で日本でもハリウッドでもリメイクされています。
さらに「猟奇的な彼女2」があるみたいです。
日本でソフト化されたタイトルは「もっと猟奇的な彼女」です。
◆時代劇版
◆ハリウッド版
今回紹介した二つの作品は、非常に酷評する人もいます。
ですが、いいものはいいですし、泣けるほど切ないのも確かです。
楽しんだ者勝ちです。
楽しめる要素がふんだんにあり、そういう仕掛けになっています。
自分としては両作品ともに大好きな作品です。
これほど何度も見返して楽しめる作品はあまりないのではないでしょうか。
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