戦闘機やアクロバット飛行、海軍全面協力など前作のすごいところに関しては以前書いた記事で紹介させてきました。
しかし今回、「トップガン マーヴェリック」を観まして改めて前作の情報を補足させていただいたうえでネタバレありで語ってみたいと思います。
一言で言って「さいこー---!!」でした。
平日の昼間に見に行ったのですが、ほぼ満席でした。
IMAXレーザー、普通席は埋まっていて予約取れず、DolbyTheater席が何とか取れました。
※完全なネタバレとなっています。作品をご覧になられていない方はご注意ください!!
◆映画『トップガン マーヴェリック』公式サイト
いよいよAmazonプライムビデオにて「トップガンマーヴェリック」が配信開始になりました。
4K画質のUHD版と、FHD版の2種類が配信されています。
有料でのレンタル配信となっています。
9/29現在U-NEXTでも配信開始になりました。
前作をほぼ踏襲したオープニングになっていて、テンション爆上がりでした。
やっぱり「デンジャーゾーン」が流れるともうやばいですね。
しかもより解像度がまして非常にクリアかつ美しい映像になっています。
夕方のオレンジ色が本当に美しく、戦闘機やカタパルトなどのメカニックが見えてまるでその場にいるような臨場感でした。
リアルタイムで前作をスクリーンで観た人間としては、完全につかみでやられてしまいました。
前作は海軍が全面協力ということで機密情報以外はなんでも協力するというスタンスでした。
実機を飛ばしたり、空母での撮影に協力したり、基地でも同じく協力を惜しみなくしました。
今作でも海軍ではF/A-18のコックピットにカメラを設置し、現役のパイロットに映像用の飛行を行わせるなど様々な協力を行っています。
だからこその本物の映像が撮影され、CGや合成では味わえないとても迫力のある映像に仕上がっています。
前作の頃はまだ撮影機材も今ほど小型のものはなくて、35mmフィルムを収めた大くて重量のあるカメラを機体に取り付け、空中撮影を行っていました。
しかもカメラは完全固定で動かせないので、動きまくる被写体の戦闘機が常にフレームに収まるようにカメラ搭載機を精密に操縦して撮影していました。
恐ろしいほど精密な技術です。
今作でももちろん本物のパイロットによる精密な操縦技術あればこその戦闘機アクション映像になっています。
コックピットや機体に複数取り付けたカメラで撮影したものを編集して作った映像が本物の迫力を見せてくれます。
その昔、ブルーエンジェルズvsレッドアローズみたいな映像を見て「すごい」と感動したことがあります。
その映像見て「G」を覚えました。
そのイメージがあったので「トップガン」をスクリーンで見た時にはそのすごさみたいのがより強く伝わってきたように感じました。
観客席に座って観ているだけなのに「G」を感じるような映像。
今作も「G」がかかりまくりで、全身に力が入っていたからか観終わった後はジェットコースターに乗った後のような疲れを感じました。
よく「〇Gがかかる」なんて表現をしますよね。
これは体重に対してどのくらいの重さがかかるのかを表しています。
今作の場合、パイロットが加速や急旋回などでどのくらいの力でシートに押し付けれらるかという事を言っています。
1G=自分の体重と同じ。つまり普段の状態。
なので、8Gという事は自分の体重の8倍の力でシートに押し付けられることになります。
70kgの人なら560kg!!!ということです。そりゃ気絶もしますわ。
今作のパイロットを演じた俳優たちは対G訓練を受けて撮影に臨んでいます。
撮影の際にも実機で実際に「G」でゆがむリアルな表情を見せてくれているわけです。
フライト中、パイロットはヘルメットをかぶり、酸素マスクをつけるので顔がほとんど見えなくなってしまいます。
誰が誰やらってことにならないように、ヘルメットの色柄や額に名前(コールサイン)を印字することでわかりやすくしています。
そこに注目しても面白いと思います。
今作の撮影当時、58歳のトム・クルーズが訓練を受けて、自ら超音速戦闘機に搭乗して撮影しているというのが本当にすごいです!!
その他の俳優さんたちも対G訓練を乗り越えて実機に搭乗して撮影してるってホントすごいですよね!!
なんと対G訓練などに5か月もかけ、800時間も実機に搭乗してできた、まさに「G」を可視化した映像のオンパレードです!!
前作でマーヴェリックたちが乗っていた戦闘機。可変翼が特徴。高速で長距離運用できる機体。
最高速度マッハ2.34
コスト高で可変翼ゆえのメンテナンスのしづらさなどから後継機開発が行われ、消えていきます。
基本的にほとんどのメーターがアナログメーターです。ガトリング残弾数なんかはもアナログのカウンターです。
2006年にアメリカ軍では退役しています。
いろんな作品に影響を与えています。
「超時空要塞マクロス」のバルキリーもこの機体がモチーフとなっています。
そして、今作でも最後に大活躍してくれます!!!やっぱりかっこいいよ!!トムキャット!!
今作の撮影に使われた機体。Fは対空戦闘、Aは対地攻撃を表していて、その両方を行うことが出来る機体として開発されました。
しかし、スピードが落ち、航続距離も短くなってしまったため普及に至らなかった。
機体外やコックピット内にカメラを設置して撮影しました。
今作のマーヴェリックたちが搭乗したメイン機体。Eが単座(一人乗り)Fが複座(二人乗り)です。
マッハ1.7が最高速度ですが、自動空中給油システムに対応したり、電子化が進みます。
空母に格納される際には翼の先端を90度折りたたみ省スペースに収まります。
劇中で空中格闘戦(ドッグファイト)も行うし、地上施設を爆撃もする作戦を遂行しました。
F/A-18E/F以降、コストダウンのため空軍、海軍、海兵隊で使う機体を統一するために汎用性の高い機体開発が行われて完成した第5世代戦闘機。
それぞれの軍により運用方法は様々。
機体表面はステルス加工されていてレーダー波を吸収するため発見されづらい。
またネットワーク機能やヘッドアップディスプレイなどドッグファイトする前に決着するような電子戦を想定した兵装が装備されています。
2018年当時撮影時に現行の最新鋭機F-35はアメリカ軍の最高機密に当たり公開するわけにはいかないのでこちらの機体は今作には出てきません。
ロシア製第5世代戦闘機。
F-35の代わりに圧倒的な性能の敵機として登場。
ステルス性能が高く、高性能レーダー、ヘッドアップディスプレイ、AIシステムによる無駄のない効率的な戦闘作戦を遂行できる。
最高速度はマッハ2。マーヴェリックたちのF/A-18E/Fスーパーホーネットよりも高速戦闘が可能。
作中ではマーヴェリックとルースターが敵から盗んだF-14トムキャットで対決します。
最新鋭機を相手に弾も、熱源フレアも尽きた時の絶望感が半端なかったです。
前作で敵機として登場するのミグ28は架空の機体です。つまり存在しません。
飛ばしていた機体は海軍で仮想敵機として使われる機体F-5E/FタイガーIIを使用しています。
塗装を変えてそれっぽくしているんですね。
これも架空の機体です。(開発中だともいわれていますが。)
作中で最高速度マッハ10.2をたたき出しますがバラバラになってしまいます。
冒頭とラストシーンで出てくるプロペラ機です。
「マスタング」は「野生馬」という意味です。
第2次世界大戦、アメリカ陸軍航空隊(後の空軍)で最優秀戦闘機と言われた名機。
この映画はカウボーイ映画としての側面があります。
今作の「マスタング」はカウボーイ映画でカウボーイがかわいがる愛馬なんですね。
愛馬に乗って現れたカウボーイが事件を解決してラストに愛馬に乗って去っていくという王道パターンになっています。(以下記載のカワサキニンジャも愛馬に含まれます)
前作も今回も登場のマーヴェリックのバイク。
カワサキ ニンジャ1985年式のZX900-A2(US仕様)。
採用されている車体色は「エボニー×ファイアクラッカーレッド」。
「トップガン・カラー」とも呼ばれています。
冒頭で出てきた時に、めちゃくちゃ年季入ってるのが泣けます!
この辺の年季入った雰囲気とかはIMAXレーザーで観るといい色で表現されていると思います。
トム・クルーズ演じるマーヴェリックのファッション!!
フライトジャケット、MA-1。多少ワッペンなどに変更はあったみたいですが、ほぼ前作のままなのもうぉ!!っとポイント。
さらにレイバンのサングラスです。
前作、トップガン公開後に日本中で流行ったことを懐かしく思います。
前作では映画なので現実ではあり得ないことというのが結構あったようです。
海軍の全面協力を取り付けたはいいが、どこまで協力すればいいのか製作側も海軍側も探り探りでした。
海軍側は機密情報を漏洩するわけにはいかないので、出来るだけ情報を表に出さないのが望ましかったわけですが、実際に撮影が開始されるとその心配は吹き飛んだそうです。
そもそもリアルな海軍パイロットの話を製作するという事での協力要請でした。
しかしフタを開けてみればビックリの大嘘てんこ盛り映画だったのです。
機密を守るとかいうレベルに遠く及ないレベルであり、逆に困る大嘘を描かれないように苦笑しながら訂正するくらいでした。
今作も大嘘がしっかりあります。もちろん海軍担当者たちは志願者増加のために苦笑しながらも全面協力しています。
前作では製作側から考えると、「トム・クルーズ主演」「海軍全面協力」と謳ってしまっている以上、絶対に大ヒットさせなければなりません。
そのためにはアメリカ人が大好きなパターンを作るしかありませんでした。
そこで、学園を海軍、アメフトを戦闘機、に変えた青春ストーリーに仕立て上げたのです。
つまり学園スポ根青春ストーリーが元ネタなわけです。
結果、ロッカールームで裸でダベるシーンとか、美人教官と恋に落ちるとか、ビーチバレーで筋肉アピールとかあるわけです。
実際には海軍パイロットにはロッカールームはありません。パイロットって優秀な少尉以上なので個人のオフィスがあります。つまり個室を持ってます。
美人教官はいるかもしれませんが、恋に落ちることは極稀です。
恋仲になることが禁じられてはいないでしょうけど、同じ部署や作戦に関われないのは当然ですからね。
それから趣味でビーチバレーをする人はもちろんいるとは思いますが、内容として必要なシーンではなかったです。
その後続くラブシーンへの枕なのだとは思いますが。
それから上記にもありますがミグ28です。これは実は存在しない機体だったんですね。
細かく見ていけばもっとあるはずです。
主演のトム・クルーズが前作が終わってすぐに「トップガン」の製作権利を買い取ってムダなシリーズを製作して陳腐になってしまわないようにしていました。
前作のあまりの人気の高さに海軍に志願する人が爆発的に増加したため、今作の製作に海軍も快く協力体制をとってくれるようになりました。
俳優たちの本格的な対G訓練をしたり、撮影機体を提供して飛ばすなどが実現。
さらに本格的なアクションを見せることを主眼にしたためにロッカールームで裸でダベるシーンはなくなり、仲間や家族を重視するシーンが増えました。
ビーチバレーのシーンはビーチでのアメフトになりましたが、ちゃんと「仲間をひとつにする」という目的のための訓練の一環というシーンになっています。
「格納庫でのブリーフィング」も実際にはあり得ないのですが、前作のイメージを変えすぎないために敢えて入れるくらいにとどめられています。
今作でももちろんフィクションとして描かれているので実際にはあり得ないシーンが存在します。
しかしそこがエンターテインメントなわけです。
「ああ、映画を観た!!」っていうワクワク感につながっているわけです。
胸熱だったのが、アイスマン役のヴァル・キルマーの出演です。実は彼はがんを患いほとんど声を出すことが出来ないのです。
今回、その症状をそのままにキーボードで文字を打ってマーヴェリックとコミュニケーションとります。
またこのシーンがいいです。
前作でグースを失ったマーヴェリックにかけられなかった言葉を、グースの息子からの憎悪で落ち込むマーヴェリックに今度こそ言うってシーンです。
本当に病でかすれてしまった地声を使って精一杯マーヴェリックに伝えます。
過去を引きずって苦しんでたのはマーヴェリックだけではなかった、一緒にアイスマンも苦しんでいてそれでも見守ってくれていたというのが分かる本当にいいシーンです。
まさにこれぞ”映画”という感じになっています。
絶対にスクリーンで観るのがおすすめです!!
そして前作は出来れば観てから今作を観ることをお勧めいたします。
今だからこそできる最高の映像に仕上がっています。
「映画館で観てほしい」というのがつまった映像づくりになっています。
「あ~今、映画を観ている!!」というワクワクがオープニングから溢れます。
ここのところ何十年ぶりかのリメイク作品というのが多いのですが、「ああ、映画を観た!!という映画体験」に関してはもっとも濃ゆい作品だと思います。
前作をスクリーンでリアルタイムで観て、今作もスクリーンで観た自分としてはまさに感慨深いだけでなく、当時感じていたワクワク感をよりグレードアップさせて思い出させてくれた映画と言えます。
実は「ペニー」は司令官の娘でマーヴェリックの元恋人ということで前作ではグースやその妻キャロルとの会話に出てくるだけのキャラクターでした。
前作の後、マーヴェリックはチャーリーとはうまくいかず別れ、その後ペニーとくっついたり、離れたりを繰り返していたという裏設定があるそうです。
前作のチャーリーやキャロルが出てこないのは、過去向きなストーリーを描くつもりが最初からなかったのでチャーリーとは別れた設定、キャロルは亡くなった設定になっています。
ジェニファー・コネリーの美熟女ぶりが素晴らしいです。
すでに熟女向けの雑誌などでジェニファー・コネリーのシンプルで若ぶらずに老けないファッションなどが特集を組まれたりするほどです。
言ってみたらポッと出のキャラクターをこれだけ魅力的に演じられる女優さんもそう多くはないですよね。
まさにはまり役と言えるでしょう。
トム・クルーズの映画に対する思いを継承する映画でもあります。
若きグースの息子ルースターにいうセリフ。
「考えるな行動(アクション)しろ!」
「アクション」はもちろん撮影時の監督の「アクション!」の声もかけています。
これは映画という産業を廃れさせないためにはどうすればいいか?という問いにトム・クルーズが見つけた答えなのだと思います。
若き俳優たち、若きクリエイターたちに向けた熱いメッセージもこもっているのが分かります。
観ている観客に対してもトライ&エラーの重要性を説いているのでしょう。
映画に対して常に命がけで体を張り続けているトム・クルーズならではのメッセージです。
アメリカ陸軍であったら「Move! Move! Move!!!」って上官が怒鳴りつけるシーンなのでしょう。
しかし、「映画」というコンテンツを救う、守る、ための戦いという事で「アクション!」という言葉で表しているわけです。
最後の作戦の描かれ方に関して、鋭いツッコミを入れる方がけっこう多いです。
それは狭い谷間を右に左にと急旋回しながら、飛行していって、最後の小さな標的に爆弾を打ち込むという作戦だからです。
まさに「スターウォーズ新たなる希望」のデススター破壊作戦のシーンにそっくりです。
いや、まあ、わかりますよ、その突っ込み。うん。でもみなまで言わなくても。
「G」を見せるのにうってつけだったのは確かだし。「空中戦も対地攻撃も可能な戦闘機」の作戦を見せるのには最適のシーンです。
逆に「新たなる希望」オマージュって受け取り方でいいんじゃないかと。
敵の基地をトマホークミサイルで攻撃してから、マーヴェリックたちのの作戦がスタートします。
しかし、その時に「ん?ミサイルを思ったところに着弾させることができるんだ。」と思ってしまいました。
そうですよね。現在トマホークによらずミサイルは技術的に誤差±5cmで命中可能なわけです。
つまり攻撃したいところにピンポイントで攻撃できるので、わざわざ戦闘機でレーダーを避けながら危険な工程を短時間でこなすなんて必要ないんですよね。
レーダーも迎撃ミサイルも、敵航空基地もターゲットの地下施設も、衛星で配置されてる場所が分かっているのだからGPS座標と高度を入力すれば一気に破壊出来てしまいます。
誰の命も危険にさらすことなく、一瞬で作戦完了できてしまいます。
が、それでは映画が成り立ちません。
細かいことはおいておきましょう!
前作ではガトリングを使って追い込みつつ、追尾ミサイルをロックオンしたらほぼ勝利でした。
ロックオンされたら、ほぼミサイルから逃れることは不可能だったんですね。
今作ではこのミサイルを回避する方法が描かれます。
追尾ミサイルは熱感知式なので、熱源フレア弾をばらまくことでミサイルを熱源に誘導着弾させて爆破するという回避方法が描かれています。
アニメなんかでは割と以前からこの回避方法は描かれてきたのですが、今作のようなギリギリの緊張感を生むような見せ方はなかなかないと思います。
エンディングテーマを担当するのはレディー・ガガです。
「Hold My Hand」:レディー・ガガ
割と同時期に戦闘機モノの映画で「アイアンイーグル」というシリーズがありました。
自分は結構好きです。
あまり有名ではないですが3作目まで公開され、3作目には「世界のサニー千葉」千葉真一が出演しています。
2作目冒頭で主人公が撃墜されて、主人公交代になるというのもなんですが、ストーリーもけっこう荒唐無稽です(笑)
残念ながら、ソフトも生産されていない上に動画配信もないみたいです。
好みとしては2作目「アイアンイーグル2 メタル・ブルー」がスキです。
以前はテレ東の「午後のロードショー」でけっこうやってたのにな~。
それから、割と好きなリーサルウェポンズの「デンジャーゾーン」です。
80年代テイストをうまく笑えるようにアレンジしていてなんか好きなんですよね(笑)