「日曜洋画劇場」での軽妙なトークが特徴的で、みんな一度は聞いたことがある「サヨナラ サヨナラ サヨナラ」で有名な淀川長治さん。
それが印象強くて「サヨナラおじさん」として親しまれました。
今、自分が映画好きなのもこの人の解説を聞いて面白そうだと興味を持って映画を見たからです。
今回は、日本で初の映画解説者となった淀川長治さんについて語ってみたいと思います。
子供の頃にあの有名な映画人チャールズ・チャップリンと直接、話をしてしかもスタジオに招き入れられて撮影風景を生で見せてもらった経験があるそうです。
しかしもっともすごいエピソードは、大人になってからです。
そう、成長した淀川長治さんは日本で映画を紹介・解説する第一人者となり、チャップリンを語る上での第一人者として当のチャップリンとインタビュアーとして再会を果たすのです。
チャップリンは淀川長治さんのことを「覚えている」と言ってくれてとてもうれしかったということをインタビューで答えています。
とにかく、映画が大好きで人に映画の面白さだとか、いい部分をお勧めせずにはいられない性分だったのだとか。
それが解説などににじみ出ているので、自分も影響されてしまっているのだと思います。
映画解説者は基本的にその映画や監督、演出など秀逸な部分などを紹介する仕事です。
しかし、淀川長治さんは基本的に自分が大好きで感銘を受けた部分を中心に紹介しています。
というか、人間誰でも好き嫌いがあるはずです。でも我らが淀川長治さんのテレビでの解説からはそういったことは微塵も感じられないんですよね。
「どの映画にも魅力的な要素がある」という信念を持ち、決してB級映画でも批判的な言葉は言わず、「優れたセリフ回し」や「女性の足のクロスの仕方」など、普通の人々が見落としがちな部分を見つけて褒めるようにしていました。
本当に「映画が好き」なんですね。
黒澤明監督とも親交が深く、黒沢が亡くなった際は葬儀に参列し、棺の黒沢に「泣かないよ。僕もあとから追いかけるから、もうすぐだよ」と語りかけていたそうです。
それから2か月後に淀川長治さんも後を追うように亡くなっています。
この動画を見ていただくと分かる通り、映画の紹介や解説をするだけの人ではありません。
大好きな映画をより多くの人々により楽しく見てもらいたいという気持ちから、SNSもない時代から「映画塾」をひらき、映画の楽しみ方や、映画の映像的な構造や、「優れた演出とは?」みたいなものを広く公開していました。
とはいえ、今で言うポリコレ主義者や団体などに批判を受けてしまうこともありました。
しかし真意はそこになく、差別の意図などはありません。あくまでも映画を楽しむための解説だったので変わらずに解説者として、毎週のテレビでの解説、そして執筆活動を精力的に行い、膨大な数の映画をお茶の間に紹介し続けました。
出版社やテレビ局に近いし、出かけやすいということで、長年にわたり東京全日空ホテルの34階スイートルームで長逗留の形でくらしていました。
部屋の決定について、「そこで死ぬことを想定して選んだ。そのために棺桶が入るかどうか、エレベーターの大きさドアなどの寸法を調べて決めた」のだそう。
これは、古くから仲の良かった黒柳徹子の番組「徹子の部屋」に出演した時の談です。
1996年に公開された映画『男と男のいる映画』で、「子どもの頃から男が好きだった」と同性愛者であることを告白し、1990年に出版された著書『銀幕より愛をこめて』でも、若かりし頃に映画館で少年が中年男性の懐に手を入れて捕まり、その出来事を目撃し、「あの時は財布の窃盗だと騒ぎになって少年は捕まったが、私はその時から同性愛者のサインを見抜いていた。あの少年は窃盗をしようとしたのではなかったことを」とも記しています。
また、マーティン・シャーマンの戯曲『BENT』について、「これまでに数えきれないほどの映画や芝居でラブシーンを見てきたが、『BENT』のラブシーンくらい痛ましく悲しく美しく強烈なものに接したことはなかった」というコメントや、アーノルド・シュワルツェネッガーが来日した際に「長寿の秘訣を聞かれたら、お風呂で話しましょう」とコメントするなど、過激な発言も多かったようです。「ターミネーター」では冒頭いきなり裸で現れるアーノルド・シュワルツェネッガーの尻をべた褒めしていました。
さらに、アラン・ドロン主演のフランス映画『太陽がいっぱい』について、「主人公と、彼に殺害される友人はホモセクシャルな関係にあり、そのことがわからないとこの映画の魅力はつかめない」と終始主張しましたが、あまり賛同者はいなかったようです。また、女性のインタビュアーに対して非常に嫌悪感を持っていたとされています。
吹き替え版が好きな電八的には、なんともうれしいことに淀川長治さんも吹き替え版肯定派だったようです。
“吹替え版”には次の意見を持っていた。「吹替え版はセリフのノーカット版。字幕は一度に2行しか表示できず、どうしても要約せざるをえない。複数の人間が同時に喋る場面にも対応できない。この問題を克服し、全てのセリフを楽しめるのが吹替え版のメリットだ」
「日曜洋画劇場」をたくさんの人に見てもらうためには、聞くだけでも理解出来ることが大事」という事で吹き替え版が放送されていました。
仕事や家事をしながらでもセリフが分かる日本語吹き替えをうちの父親と母親は内職しながら見てたの思い出します。
目と手は内職の作業に、耳はテレビにって言ってたなぁ〜。
非常に共感を覚え、そうなるように自分でも人を好きになれるようにいいところを探すようになりました。
でも中途半端なせいで友達は少ないです。
逆に友人として付き合ってくれている人は大切にできているか分かりませんが、電八的には大好きです。
映画「12モンキーズ」への評論をしているのですが、TVとは違う辛口の評論となっています。
でも、辛口でけなしながらも、だからこそ見る価値があると閉めています。
「登場するのが、今や売れっ子のブルース・ウィリス。まことファンのお望みどおり全裸に近い裸身で活躍。この男、シュワルツェネッガーと違ってその肉体のぶくぶくふくれたセクシーぶりが呼びもの。たんまりと今回はそれをお見せする。最悪なのがJ・ディーンの2代目を狙うが如きブラッド・ピットだ。とにかくありったけのオーバー・アクト。この男、ワン・シーンとて共演者のブルース・ウィリスに負けじとばかりのハミダシ熱演。なぜいつも、どのスナップを見ても、J・ディーンの表情をするのか、このばかみたいな個性づくり。裸男と狂的青年とテリー・ギリアム。とにかく覚悟をもってご覧あれ。今年の珍作第一級。この肉のかたまりの坊主頭と、電気カミソリが化けたごときギョロ目の若造の共演。入場料を払う価値はありますぞ。」
辛口というか、毒舌ですよね~♪。でも肯定的に見えるのが淀川節ですよね~(笑)
「映画は皆のもの。映画館の中で、こっちに学校の先生、あっちにソバ屋のおかみさんがいる。お爺ちゃんも、子供もいる。皆が学問や教養に関係なく、一緒になってひとつの映画をみている。僕はそういうのが好きなの。映画は人の垣根も国の垣根も取り払ってくれる。それがいいの。それが映画なの」(淀川長治)
「映画って本当にいいものですね。」
映画好きが高じて、自ら映画を撮って公開した人です。映画解説も柔和な笑顔と優しい声で本当に映画が好きなのが伝わってきます。
淀川長治さんが入院した時には弁当を持参して見舞いに行くほど、仲が良かった。
好き嫌いを基準に映画を評論するスタイルを批判されたりもしましたが、逆にハッキリと好き嫌いで言ってくれるので分かりやすさと共に親しみやすさが感じられます。
「小森のおばちゃま」
「おばちゃまはね・・・」と自らを呼び、俳優ジェームズ・ディーンの大ファン。
淀川長治さんのおすすめで映画評論家に。三島由紀夫らとも親交がありました。
そもそもイケメン俳優で、テレビ受けもよくクイズ番組の司会やMCなどでよくお茶の間で見かけました。それが縁で「ゴールデン洋画劇場」での映画解説を務めます。
映画評論家にして食通。
とにかく、とことんまでのめりこむタイプの人だったようで、その語り口も軽やかにでも詳しく分かりやすくというのが特徴でした。
「あなたのハートには、何が残りましたか?」
元アナウンサーで、局を退職後に映画を猛勉強して執筆活動を開始、「木曜洋画劇場」で映画解説を担当するようになります。
父がスウェーデン人、母が日本人のハーフ。
来日して歌手になるもなかなか苦労したようです。雑誌のインタビューで好きな映画3本を紹介した記事を「王様のブランチ」のプロデューサーが見てオーディションを受け見事映画コメンテーターに。
明るい人柄が「楽しい映画紹介」につながっていてワクワクします。
もともとは翻訳家であり、「魔道」「魔導士」という言葉を開発した人です。さらに博物学、図像学、神秘学の研究家にして、作家でもあります。
豊富でマニアックな知識で語り、ロマンを感じさせます。
日本初の映画評論家。時代背景や社会情勢、監督の好み、人柄、など膨大な情報量で多角的に映画を読み解く評論家です。
映画解説、評論家であり、サタニストでもあります。プロップや撮影技術、撮影法などに非常に詳しくて資料もたくさん所持しています。
お笑い芸人とグラビアモデルという異色の組み合わせで「映画を楽しむ」というのが、この3人を見ているとなんかいい感じで伝わってきます。
動画のラストに必ず「バイバイ、バイバイ、バイバイ」と淀川長治さんをリスペクトしたあいさつで閉めています。
映像作家。独自の映画の読み方で分かりやすく解説していくれます。ヒップホップやラーメンの動画もあります。