ちまたに溢れるゾンビを題材にしたドラマや映画。
また、モンスターとしてRPGなどでは必ずと言っていいほど登場するゾンビ。
そのゾンビからの進化型であり、パロディであるのが「バタリアン」シリーズです。
こちらの記事をお読みになるには2点の注意点がございます。
人気が高く、シリーズ化されて5作品が公開されています。
1985年公開、「エイリアン」のダン・オバノン監督・脚本作品。世界中で大ヒットを記録。
「ナイト・オブ・リビングデッド」のパロディとして製作されています。
随所に笑いの要素があります。
1987年公開、ケン・ウィーダーホーン監督作品。さらにコメディ色を強くして製作されています。
前作は世界の破滅を暗示させて終わっているので、今作は続編ではなく別世界線として描かれています。
一応のハッピーエンド。
1993年公開。「バタリアン3」ではなくて「バタリアン リターンズ」というタイトルでビデオ発売された。
実は日本では劇場未公開の作品。
コメディ色を出来るだけ控えて、シリアス路線になっています。
2005年公開、エロリー・エルカイェム監督作品。
本作は映画としては世界で初めて実際にチェルノブイリでのロケ撮影が行われている。
2006年公開、エロリー・エルカイェム監督作品。
ヒロインは変更となっているが、「バタリアン4」の直接の続編。
実は日本人は「生き返った死体」にあまり恐怖を感じるという事がないです。
もちろん、ぐずぐずに崩れた肉体や群れを成して人間を襲うところは怖いのですが。
「生き返った死体」自体にはあまり恐怖感がないのです。
これは、日本神道にしても仏教にしても生と死は地続きだというのが古くから刷り込まれているからです。
しかしユダヤ教やキリスト教などは「死人返り=神の力によらない蘇り=最大の罪悪」という概念があります。
つまりもっとも忌み嫌う対象がゾンビなんですね。
もっとも忌み嫌うものが大挙して襲ってくるわけなので恐怖以外の何ものでもないわけですね。
だからキリスト教圏やユダヤ教圏では「ホラー作品=ゾンビもの」であり、欠かせないわけなのです。
実はゾンビとバタリアンにはいくつか違いがあります。
なぜ大パニックに発展していくのかというのを説明します。
もちろんゾンビと同じで襲われて噛みつかれた人間はバタリアン化します。
これでもどんどん増えていくのですが、劇中ではもっと爆発的に増えてパニックが大きくなっていきます。
バタリアンは焼却することでその個体は消失しますが、体内にあるトライオキシンが煙とともに上空に巻き上げられて、雲に吸収されます。
トライオキシンを含んだ雲は雨となり、地上に降り注ぎます。
これが墓地に降り注ぎ地中のおびただしい数の遺体に染みこみバタリアン化します。
1作目のラストは軍がバタリアンに襲われている村を核攻撃で焼き払います。
しかしその爆煙によってより広範囲にまき散らされたトライオキシンが各地で雨として降り注ぎ墓場からバタリアンたちが這い出してくるところで終わります。
バタリアンたちは脳みそを食べたがります。これには理由がちゃんと存在し劇中で語られます。
1作目で捕らえられたオバンバが語ります。
バタリアンは死んだときの苦痛にずっとあえぎ続けているんですが、新鮮な脳みそを食べると少しだけ苦痛が和らぐのだそうです。
だから生きている人間の新鮮な脳みそを食べるために襲い続けるわけです。
ただ、これって考えてみるとゾンビよりもバタリアンには絶対になりたくはないですよね。
なぜなら、等比級数的にバタリアンは増殖していきます。
つまり、新鮮な脳みそはあっという間に無くなってしまうという事なんですよね。
という事は、その後は肉体が完全に朽ちてしまわない限り苦痛に苛まれ続けることになるわけです。
バタリアンはゾンビより死ねない上に意識が少し残ってるがゆえに大変です。
残の念。
セリフのはしはしやシーンによって「ナイト・オブ・リビングデッド」をパロディしているのがわかります。
というか「ナイト・オブ・リビングデッド」は実際に起こった事件であるという設定になっています。
1作目、2作目はけっこう笑える作りになっています。
バタリアンには名前がついている人気キャラが存在します。
以上の2キャラは複数シリーズに登場します。
ほかにも、2作目のラストに登場するマイケル・ジャクソンによく似たバタリアンなど、ゾンビにくらべてキャラクター性が濃く描かれています。
3作目に登場する、ジュリー。だんだんとバタリアン化し意識が失われていくのを苦痛をもって保とうとします。
結果、全身にピアスやらガラスの破片やらを突き刺しまくります。
恐らくゾンビ史上、最も美しいゾンビなのではないでしょうか。
この記事では以下のことが分かります。
知っているとより楽しめる情報かと思います。
「金曜ロードショー」の水野晴朗氏による「バタリアン」の解説です。
なつかしいな~♪
尚、このブログでは、敢えて「ゾンビ」や「ナイト・オブ・リビングデッド」は紹介しません。
理由は「なんとなく」です。
なお、ただいまU-NEXTで1作目から3作目まで見放題配信中です。