ホラー映画を観る際、お約束の要素を知ることは重要です。
本記事では、ホラー映画のあるあるや作法について紹介します。
ホラー映画ファン必見の情報が満載です。是非、ご覧ください。
最後まで生き残るのは筋骨隆々のタフガイよりも華奢で普段大人しめの女の子が機転を利かせて生き残ることが多いです。 ホラー映画では、スポーツ万能タイプや不良少女、タフガイなどは全滅します。
「強さ」のある人物が敢えてやられてしまう事で、身体の強さや根性では乗り切れないという絶望感が増します。
『ハロウィン』『悪魔のいけにえ』『エイリアン』『13日の金曜日』『エルム街の悪夢』を参考にしてください。
ブギーマンは死なない ホラー映画の殺人鬼は冷酷で計画的で順応性に優れ、マスクを被っています。そして、残念ながら怪人や殺人鬼はなかなか死ぬことがありません。
超人的な力を持つ存在もいます。『13日の金曜日』のジェイソンや『ハロウィン』のブギーマン、『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスなどがその代表です。
「ドラッグには手を出すな」 ホラー映画では、ドラッグの使用は悲劇の元です。
常習者は大抵ひどい目に遭います。
『ブラッド・エイプリル・フール』『プロムナイト』『鮮血の美学』『パラノーマル・アクティビティ3』などがその例です。
B級映画や尺の短い映画(内容が薄いとも言う)にありがちなのですが、あまり意味のないセクシーシーンが挿入されやすいもの。
水着ではしゃぐ部分がやたら長い、わざわざカップルの営みシーンを映すなど、本編には関係のなさそうな描写が続くこともありますよね。
これは単純に尺稼ぎで行われていることも多く、ストーリーが濃くないからセクシーシーンでなんとか引っ張っているのが本音でしょう。
なぜか昔からホラーとエロは密接な関わりがあり(?)、結び付けられやすいのです。シャワーを浴びていたら後ろから殺人鬼が!など、もはや定番中の定番ですからね。
そして先ほども説明した通り、エロ部分に積極的なキャラは100%殺されます。(⑨を参照)
セックスするなら命懸けです。
ホラー映画では、行為に及ぶ男女は必ずひどい目に遭います。
バージンが生き残るのが一般的ですが、セックスはほぼ例外なくタブーです。
『1984』『キャビン』『ハロウィン』『13日の金曜日』『エルム街の悪夢』などがその教訓です。
山奥や人里離れた土地へ行きたがるキャラクターたちは、「そこへ行っちゃダメ~」と言いたくなるほどの場所に行ってしまいます。電波が届かず、周囲には人の気配もなく(隣の家が見えないくらい)、ホラー的なシチュエーションがバッチリです。それでも若者たちは疑うことなく進みます。
目的地へ向かう途中には「本当にあそこへ行くのか?」という“忠告おじさん”が現れる展開もあるかもしれません。どう見てもやばい人が実は親切で忠告してくれていたというのが後で発覚することも。
まるで自ら蜘蛛の巣に引っかかりに行くかのように、彼らはヤバい場所へ足を踏み入れていきます。
男女グループが遠出をする系のストーリーだと、「休暇を利用してバカンス」「最後の夏休みだから」「レポート提出のための取材」など、長期休暇であるケースも非常に多いです。そして季節は7,8割の確率で夏ですね!
大学生の夏休みパターンはもう王道中の王道。加えて女子キャラの水着シーン(ちょっとお色気あり)もあいまって、前半はだいぶ楽しそうな雰囲気が流れていることもしばしば。
このハッピーな感じと後にやってくる恐怖によって、ギャップが大きくより絶望感が感じられるでしょう。
なぜかいわくつきの家に足を踏み入れると、地下室が存在しているんですよね。海外の家だと一般家庭でも地下があることは普通ですが、それでもついドキッとしてしまいます。
描写の見せ方もうまく、「あれ?こんなところにもうひとつ部屋が……ギィィ(扉を開ける音)」というあのハラハラ感もグッド(笑)
中は暗く、何年も使われていないかでだいたいホコリまみれor汚いです。
部屋には謎の字が書かれた本、拷問や虐待などが行われていたことを示唆する凶器、明らかに何か憑いていそうな人形、誰かが書いた日記、ホルマリン漬けなど激ヤバアイテムも勢揃い。
「事件は地下室で起こっている(いた)んだ!」と、物語のヒントが隠されている場所にもなりがちですね。
ホラー映画の登場人物には必ずチャレンジ精神旺盛なキャラクターがおり、禁忌をすぐ破ってしまう展開が待ち受けています。
このキャラクターが1人なのか、あるいは集団なのかは作品によりますが、先のことが考えられない人々が揃うとみんなでタブーを犯します。そして恐怖に襲われてギャー!……と、だいぶ自業自得な流れ。①で紹介した男女グループだと、遠出や休暇でついつい気が大きくなってしまうのかもしれませんね。
開けるなと書かれた箱を開ける、唱えてはいけないであろう呪文を口に出す、謎のビデオやテープを再生しちゃう、持ち出すなと言われているものを持ち帰っちゃうなどなど。
彼らの「禁」の破り方はなかなか凄まじく、たまに同情できないものもあるとか……ないとか……。
最初は協力し合おう!と思っていても、人間は窮地に立たされると自分のことしか考えられなくなるもの。そのため仲間割れが起き、更なる悲劇を招いてしまうんですよね。
たまたまそこに集められた6人……系のストーリーならまだしも、元々友達だったのにいとも簡単に仲間割れするケースも。「君たち仲いいんじゃなかったのか」と思わず突っ込みたくなります。
人間関係がドロドロしていると、仲間割れした途端昔の話(主人公の今カレが仲間の元カレだったなど)を持ち出すキャラクターも現れることもありますよ(笑)『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』
「別れて行動しよう」はNG 「広い範囲をカバーできる」とか「奴には全員は捕まえられない」といった理由から、別れて行動するのはおすすめできません。物音がした場合でも、出どころを探るよりも、予め携帯電話の電波が届く場所を確認したり、予備の懐中電灯用電池を用意することが重要です。そうしないと、『30デイズ・ナイト』『ラストサマー』『死霊のはらわた』『ディセント』のような恐ろしい結果が待ち受けています。
仲間割れ→オレはもういい!1人で行動する!→死にました、は本当にあるあるです。単独行動をし、非協力的なキャラクターで生き残った人を見たことがありません!
特に仲間割れの末にキレ散らかしたキャラは、その後秒速で消されることも多いですよね。犯人にやられるもそうですが、意外と仲間に逆恨みされて殺されるパターンも。
ただこの勝手な行動をするキャラがいると、物語のいいアクセントになりますね。
ホラー映画を観ているとなぜか必ず有識者が1人はいます。
このキャラクターはみんなにとって頼れる存在になるのですが……。作品的にはとても邪魔と言いますか。この人物がいることによって難関を突破されてしまうので、絶対に消されます。
消すタイミングは物語冒頭か、中盤~終盤なのかは作品によるものの、意外と早いことが多いです。「有識者を失った」絶望をキャラクターに与えるためにも、いなくなるのは最初の方がダメージも大きいですからね。
女遊びの激しいプレイボーイ、男なら誰でもよさそうなお尻軽すぎガールは序盤で消されます。イチャついているカップルも同様です。
性に奔放なキャラクターは霊のセオリーに反するのか、はたまた作品の雰囲気をぶち壊すからかは分かりませんが、中盤までも生き残らないケースが多いでしょう。
ビッ○キャラはもの凄く気がイイ奴か、あるいは主人公と恋愛関係でひと悶着あるなど両極端。男ネタで揉めた経験があると⑥で紹介した仲間割れに繋がってしまうのが心霊よりも怖いところですね。
性格が良い子も悪い子も、かならず早い段階で無残な目に合います。
ブロンド巨乳の女の子は大概のパターンで、お金持ちのお嬢様だったり、学園のマドンナだったり、と何かしら人より優位なものを持っています。
彼女たちが真っ先にやられてしまうのは、恐怖と同時に何か意趣返しのような感覚があるのかもしれません。
恐怖体験をするとパニックに陥り、まるで子供の如くわめきはじめる女子キャラがいます。
「どうしてこんなことになったの!」「もうイヤだわ!家に帰りたい!」とみんなも同じことを思っているのに駄々をこねだす始末。あまりにわめき方がうるさいと、仲間だけでなく視聴者のイライラをも誘うので、あまりいいキャラクターとは言えません。
パニックが落ち着けばいいのですが、場合によっては「こうなったのはこの計画を提案した○○のせい」と責任転嫁し出すのでタチが悪いです。また叫びすぎて殺されるパターンもあるあるですね。
ホラー映画特有のビックリさせる音。以前は大きい音がする→振り返るとはそこには……というのが王道的な流れでしたが、最近の作品は捻りを入れてくるので、音の先には意外と何もいなかったりします。
音が鳴った!何かがいるぞ!はもう古いのかもしれません。
むしろ超日常的なシーンで視聴者が驚くような演出&音を入れ、「何もありませんでした~」が近年のあるある現象でしょう。恐怖の“下準備”を霊とは関係ない部分から初めてくるのが何ともニクいですね。
心霊は機械類をコントロールできるのでしょうか。キャラクターが窮地に立たされると車のエンジンはかからなくなり、スマホは壊れるか圏外になるか、電源が入らなくなるかして、自然とその場から脱却不可能な環境を作り出されてしまうのです。
頼みの綱とも言えるアイテムが次々と故障すれば、人は必ず恐怖に陥るはず。SOSを出せなくなり、逃げることもままならなくなるため、スマホや車が壊れてくれると自ずと恐怖度もアップしていきます。
もちろん機械だけではなく部屋の扉、窓などもバグりがちなので、急に開かなくなることもしょっちゅう。ホラーを観慣れているとちょうど良すぎるタイミングで壊れるので、ちょっぴりクスリときてしまいますね。霊やモンスターは様々なものを操れる(?)のかもしれません。
モンスターが登場するタイプのホラー映画は、必ず誰かがケガをします。
追いかけられて転倒するか、モンスターとバトルして負傷するかして傷を負うキャラクターが現れがち。酷い場合には骨折までしてしまい、一気に不利な状況へと追いやられるのです。
ここでケガ人を見捨てるか・見捨てないか談義が繰り広げられるケースもあり、良心的なキャラクターは絶対に負傷者を置いて行かないんですよね。
ケガ人が出る展開へ陥ると、「脚を引っ張られるのはゴメンだ」と言い出す人物が仲間割れや単独行動によりトラブルを持ち込むのはもはや伝統レベルです。
何かに追われて隠れる→息を潜める→うっかり声や音を出してヤバイ!となっても、1回目は多くの場合がセーフ。犯人は気づかずうまいこと通り過ぎてくれるので、非常にありがたいですね。
基本どのモンスターや心霊も『ドント・プリーズ』のおじいさん並みに耳が良い超人なのですが、完ぺきではありません。時に聞き逃すこともあるでしょう。
その「聞き逃した」にタイミングよく直面すれば、なんとかその場をやり過ごすことができるもの。ただし2回目、3回目はうっかりバレたり見つかって追いかけられるのもありがちな描写だと思います。
ホラー映画の在り方もどんどん進化していますが、鏡やガラスに映り込む古典的な部分はあまり変わっていないようです。いつの時代も鏡やガラスは危険なお約束アイテムだと思います。
気づいたらいた、じっとりと霊の影が浮かび上がっていたなど我々の恐怖心を最大限にそそる演出と言えるでしょう。急に脅かしてくるよりも「なんかいた」という方が断然怖いですからね。
特に邦画ホラーはヌルッと映り込んでいることも多く、その控えめさが逆に恐ろしかったり……。
キャラクターが恐怖やピンチに直面して通報しても、警察は9割の確率で無能です。
海外作品は無能警察24時であるパターンばかりで、現場へ駆けつけても簡単に消されてしまいがち。せっかく出されたSOSにも応じられず、超がつくほど絶望的な状況へ陥ってしまうことも多いのです。
また警察官そのものにやる気がないと、通報にさえ応じない最悪なケースも。「イタズラ電話だ」と勝手に判断し、現場では惨劇が起こっていることもあるあるですね。
ホラー映画で登場人物全員が助かるケースなどほぼなく、基本的に救出へ来た良心的なキャラクターも見事に巻き添えです。もうこれは可哀想としか言いようがありません。そして9割の確率で退場させられるなど、悲惨な目に遭うのもあるあるでしょう。
まぁ救出しにきたキャラがあっさりと問題を解決してしまったら、それはそれでつまらないですからね……。
一瞬の希望は差せど、やはり絶望の淵に立たされる。巻き添えを食らう人物はその要素を引き立たせる役割を持っています(笑)
物語の世界にしかない“謎のウイルス”が蔓延、感染系映画ではお約束中のお約束。ゾンビ映画はこれが爆発的に広がってくれないとストーリーが進みません!
“謎のウイルス”とは人間が故意的に作り出したものだったり、うっかりしたハプニングで発生してしまったり、原因が分からなかったりととにかく様々。
感染力の強さは凄まじく、ゾンビだとだいたい噛まれてTHE・ENDのパターンが大半です。気づけばメインキャラクターよりも感染者の数の方が増えていますよね。
ホラー映画で超がつくほどハッピーなまま終わる作品はあまり見かけません。トラブルは回避できても少しの疑問が残るなどは普通で、スッキリ爽快なまま終わってはいけないジャンルだと思っています。
ですから多くの場合は後味が悪く、犯人が生きているか死んでいるかさえも謎のまま幕を閉じることも多くあるでしょう。
主人公だけ生き残る(または主人公含め全滅)バッドエンド。
「ミスト」のラスト息子を含めた無理心中後、自分だけ助かってしまう胸糞エンド。「バタリアン」の核で主人公たちを村ごと焼き払うが、結果被害が全世界に拡大とか。
「結局怖いのは霊より人間」を示唆するエンディング。
「ミザリー」なんかは典型です。本当に身近に恐ろしい人物がいるかもしれないのが怖いんです。一見普通の人に見えても中身は分かりませんからね~。
犯人か模倣犯か、後継者が生きていそうなことを匂わせる(恐怖は繰り返されることを意味している)
「SAW」や「13日の金曜日完結編(パート4)」などが代表的です。
上記のような終わり方をする映画は無数に存在し、何とも言えない空気のままエンドロールへ入るのもあるあるですね。
ホラー映画では必ずと言っていい程、セットで語られるのが「快楽と苦痛」、「死と不死」です。
「最も強烈な痛み」こそが「快楽」として描かれ、「求めるものが眼前にあるのに手に入れられない状態が続く」ことが究極の「苦痛」として描かれることが多いです。
「快楽」の象徴かと思われるセックスは、上記で書いた通り、絶頂を迎える寸前に殺されてしまったりと逆により強烈な「苦痛」となります。「求めるものが眼前にあるのに手に入れられない」訳です。
逆に「痛み」を描く際には、痛みを感じている本人ではなく、与えている殺人鬼や怪物・怪人が満たされるのが描かれています。
激痛と絶望が深ければ深い程、彼らは強烈な「快楽」を感じていると描写されます。
「不死」を扱った作品によくあるのが、「永遠とは究極の退屈であり孤独な牢獄である」ということ。
よく考えてみれば、時間が過ぎれば、どんな楽しみにも飽きが来てしまいます。最終的にする事が何もなくなって、ただただ長い時間を過ごすしかないのは苦痛でしょう。しかも自分ひとりだけがその状態なのは牢獄に囚われているのと大して違いないわけです。
だから「不死」は永遠の若さを得るかわりに孤独で退屈という苦痛の時間が永遠に続くことを意味します。
逆に、いかに残虐でも「死」んでしまえば、そこで終わりです。苦痛も何もすべてが終わります。
ある意味、解放される訳です。
ホラーと言わず、映画では「死」は甘く静かな解放の瞬間として描かれることが多いです。
古来から日本のホラーには独特のお約束表現があります。
「ヒュ―ドロドロ」は日本人には定番。でも実は海外の人々には何のことか全く理解が出来ません。「不気味な音」とさえ認点眼れないそうです。
髪が長く白装束、額に天冠(てんがん)と呼ばれる三角の布・足がなく、手をだらりと垂れて、「うらめしや~」という女性の幽霊。
首のない鎧武者や首だけの侍の幽霊。
幽霊が登場する前に人魂が飛ぶ。また人魂自体も。
他にもありますが、代表的なのはこのくらいでしょうか。
歌舞伎などからの影響が色濃く残っていたりするようです。
日本のホラーを最近では「Jホラー」というようになりました。これは映画「リング」「呪怨」の影響が非常に大きいです。
「ホラー」は長い間、日本では「ホラー映画不遇の時代」が続いていました。社会的にも予算的にも製作自体が困難な時代が長く続いていたのです。
しかしレンタルビデオ普及により、規制の低いビデオ作品でホラー作品は製作されるようになります。
このビデオ時代により、日本のホラー作品は人材や経験値を積み上げ、転換期を迎えます。
オリジナルビデオ作品、映画「女優霊」という作品が発表されます。
この作品は「リング」の監督の中田秀夫と脚本の高橋洋初タッグ作品です。
その後「Jホラー」のアイコンとなる、黒髪ロングに白ドレスの女性キャラクターがすでに登場しています。
古来からの女性幽霊のイメージの現代アップグレード版という訳です。
そして、満を持して「リング」「呪怨」シリーズの登場です。
これらのシリーズにより、新たな日本ホラーにおける定番が出来上がります。「リング」シリーズの貞子や「呪怨」シリーズの加耶子は現実世界でも都市伝説化するくらいの人気を博します。
プロ野球の始球式に登場するほどの大人気でした。
そして恐怖の描き方や演出方法自体が世界的に認められることになります。
だから「Japan Horror」という事で「Jホラー」と呼ばれるようになりました。
このブログで分かることは
以上となります。
作法・お約束やあるあるを抑えることでよりホラー映画が楽しめるとよいと思います。
どうぞご参考までに。
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の記事は以上となります。
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