SFには難解な科学用語が良く出て来ます。これが苦手だという方、多いと思います。
自分もけっして頭が良い方ではないので、SF作品でよくわからない事があります。
その中でも取り分け分かりづらかったのが、「量子」という単語のつく言葉です。
この記事では「量子論」を本当にざっくり簡単に解説してみようと思います。
ざっくりわかっているだけでもSFが楽しみやすくなると思います。
※注意:あくまでも電八的な解釈を書いています。間違いや勘違いなどはご容赦ください。
よく思考実験というので「シュレディンガーの猫」って言うのが出て来ます。
箱の中に生きている猫を入れ、その中に毒ガスを一定時間に50%の確率で吹き出す装置を一緒に入れます。
所定の時間が経った時に、猫が生きているか?死んでいるか?というものなんです。
箱を開けるまでは生きているか死んでいるか分からない状態にあります。逆に言うとこの状態は「生きている状態」と「死んでいる状態」が重なった状態になっていると考えます。
どっちもある状態ということです。どちらも50%の可能性で存在するわけです。
箱を開けた時にその重なった状態の内の一方に確定するわけです。
そして、100回連続で猫が生き残る事というのは限りなくゼロに近いですが、可能性としては存在しています。
「もし100回連続で猫が生き残ったという可能性を選んで起こす事が出来たら」っていうのがSFで語られています。
量子コンピュータを実用化させるとそのような事が可能になるかもしれないのです。
量子コンピュータが話題になったことがありました。
そんなに「何がすごいのか?」ですよね。
一言でいえば実用的なところでは普通のコンピュータで何千年もかかってしまうような計算を一瞬で終わらせることが出来るくらいの差があるという事なんです。
ただ、もっとすごいのは量子論的に存在するかもしれない可能性世界にある量子コンピュータと量子的なネットワーク接続が出来て、計算処理をそのすべての量子コンピュータで行う事が出来るのでどれほど無限に近い計算処理も一瞬で行う事が可能という事なのです。
「物質転送」とか「テレポート」ってよく聞きますよね。
映画「ザ・フライ」や「スタートレック」シリーズなどでお馴染みです。
しかしこれよく考えると、転送した時に現れる物体はあくまでもコピーなんですよね。
という事を行っています。手順1で分解されているという事は、これが生物の場合この時点で死んでいる訳です。
そして転送先に現れる、元の生物にそっくりのモノはいわゆるコピーなんですよね。
オリジナルとコピーには物質的な同一性しかないわけです。
記憶や感情などが連続的に継承されていない状態になってしまいます。
「スタートレック」シリーズの転送はこれを量子的連続性を持たせる技術を使用しているという設定で解決しています。
”オリジナルとしての繋がりを「量子的に繋げる」ことによりコピーではない=オリジナルである”ということにしているわけです。
その他のよくある説明を紹介します。
壁にボールをぶつけます。その時に偶然に壁の分子とボールの分子がそれぞれの隙間をすれ違い、ボールが壁抜けする確率はそれこそゼロに近い確率ですが、可能性としてはあり得るということです。
またサイコロで同じ目を100回連続で出し続けるというのもゼロに近い確率ですが、可能性としてはあり得ることです。
ボールの壁抜けにしても、サイコロの目にしても、結果を選び取る事が出来たら・・・って事なんですよね。
自分にとって都合の良い事象を選択することが可能ならば、考え付く事はすべてなんでも有りになります。
ちなみにその辺を小説にしたSF作品があります。
以上の作品は割と分かり易く、量子論のことを説明してくれているのかなと。
面白くするためにかなりメチャクチャな展開になりますが、そこら辺を楽しんじゃえば量子論も何となくの感覚で分かってくると思います。
これが分かると「もしも」の世界はすべて存在し、選ぶことが可能ならばそれはすべて実現させることが可能になってきます。
SFの世界はみな「もしも」の世界です。
「エイリアン」がいる宇宙や、「プレデター」がいるロサンゼルス。
ミレニアムファルコン号が飛んだタトゥイーン星や、実はこの現実は全て「マトリックス」の中という世界。
コンピュータの中の世界にあらたな生命が芽吹いている「トロン・レガシー」世界や、レプリカントたちを奴隷のように扱っている「ブレードランナー」世界などなど。
たとえ世界的に矛盾があるのだとしても、すべての「もしも」は可能性としてあり得るわけです。
それが、一部でも現実化できるかもしれない科学分野が「量子論」と言う訳なんです。
なんだかワクワクしてきますよね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の記事は以上となります。
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