あれは1986年のクリスマス。家に母親の友人とその子供たちが集まって、クリスマスパーティーを行いました。
忘れもしないあの日は雪が降って、もう遅い時間なのに外が雪明りでボーっと薄明るくなっていました。
自分も思春期のくらいの年齢、他の子どもたちも10歳前後、みんなでオードブルやケーキを食べながらワイワイしながら観ていたクリスマス特番。
それが実は今となっては伝説となっている番組です。
ネットのおかげで幻にまた会えた!
ネットの個人利用が世界的に普及して早20余年。
このネットのおかげで2005年に非常にうれしい事がありました。
少年時代に見てアーティストってすごいと感動した番組とその番組内で作られた曲。
番組はクリスマスだけの特番でその時のみ放送。そしてその時出来上がった曲も最初からレコードやCDとして売り出されることはしない曲、まさに幻のそして伝説の番組と曲でした。
上京してきて、「サザンオールスターズ」ファンだという人に必ず質問していたのが、この番組と曲についてです。
ですが、誰一人記憶のある人にあたらず、全く明確な答えを得る事が出来ずにいました。
それが、2000年くらいからネット検索をし始め、ついに2005年に動画サイトでアップロードされた動画を発見する事になるのです。
20年もの歳月のモヤモヤともう一度「あの曲」を聞きたいという思いがインターネットによって果たされたのです。
その番組は『Merry X’mas Show』
1986年の12月24日にクリスマス限定の特別番組として放送されました。
明石家さんまを司会に桑田佳祐、吉川晃司、松任谷由実を中心としたアーティストたちがいろんな曲や企画を見せてくれるというもので、いくら特番でも他に類を見ないほどの豪華さです。
翌年87年にも放送されました。
Kissin’ Christmas ~クリスマスだからじゃない~
とにかくすごいです。そして楽しいです。
この番組の発端は吉川晃司と桑田が吞んでいる時に、吉川に「今の音楽業界がつまらないのはあなたたちにも責任があるんじゃないのか?」と言われケンカになったが、朝まで話し合って桑田が「よっしゃ、考えてみる」といって始まったそうです。
桑田佳祐が企画を起ち上げ、吉川晃司がいろんなアーティストに声をかけて実現したという事で、本当に豪華な顔ぶれです。
そして、それぞれがいろんな組み合わせで一緒にクリスマスにちなんだ曲を紹介して行きます。
そしてこの番組のためだけに作詞作曲された曲「 Kissin’ Christmas ~クリスマスだからじゃない~ 」。
桑田佳祐と松任谷由実を中心に作られた曲です。
版権の事もあったのでしょう。初めからレコード化しないと宣言し86年、87年のこの番組でのみ使われた非常に贅沢な曲です。
イメージは和製「We are the World」というところです。集まったアーティスト全員で番組ラストに歌うんです。
すごいのが、番組に集まってからそれぞれのアーティストが音合わせしてラストに1発勝負という!!
その後、2007年「さんタク」という明石家さんまと木村拓哉の番組のエンディングで、木村拓哉が弾き語りで歌ったことがあります。
さらにそれから時が経ち、2012年桑田佳祐ソロアルバム「I LOVE YOU-now and foever-」に収録されました。あくまでも桑田ソロでの収録です。
1986年放送分曲まとめ
- Come Together:ビートルズの後期のヒット曲を全員で。
- MERRY X’MAS IN SUMMER 〜 I Saw Mommy Kissing Santa Claus:KUWATA BAND、アンルイス、松任谷由実、原由子、中村雅俊、泉谷しげる、鮎川誠、ARB、吉川晃司、トミー・スナイダー:間に「ジングルベル」を挟むアレンジがあり「ママがサンタにキッスした」を歌った後に桑田がメンバー紹介。
- Telegram Sam:ロッケストラ(KUWATA BAND、アン・ルイス、吉川晃司、BOØWY、高見沢俊彦、鮎川誠 、DEKAPAN(依田稔)、SUE CREAM SUE):「ロックオーケストラ」ということでオーケストラのように大人数で「ロックする」で「ロッケストラ」。
- 赤鼻のトナカイ:泉谷しげる、チェッカーズ:ノリノリの曲で泉谷しげるがほぼメロディー無視してますがカッコいい。
- 達者でナ:中村雅俊、小倉久寛、三宅祐司、スーパー・エキセントリック・シアター 、河内淳一:盆踊りのイメージで中村雅俊が熱唱。これもノリのいいアレンジと刺激の強い映像がいい!
- セッションだッ!:忌野清志郎、桑田佳祐、山下洋輔、今野多久郎:清志郎vs桑田の歌でのバトルセッション。すごいのが1000万円のピアノにバケツの水をぶっかけちゃう暴挙!!
- A Horse with No Name:KUWATA BAND、THE ALFEE、チェッカーズ:何もセットのないスタジオで歌う。
- 長崎は今日も雨だった – Dedicate to BEACH BOYS:BEACH FIVE(泉谷しげる、吉川晃司、桑田佳祐、高見沢俊彦、中村雅俊)、松田弘、琢磨仁:さわやか~にまとまってます(笑)
- 別れても好きな人 – Dedicate to SANTANA:SANTA★NA(鈴木雅之、桜井賢)、KUWATA BAND:グラサンコンビ、やべえです!!面白カッコいいです。
- 年下の男の子 – Dedicate to CHORDETTES:アンルイス、原由子、松任谷由実:ミリタリールックの3人が大人のお姉さんな感じでいいです!
- さんまのまんま:明石家さんま、KUWATA BAND:「さんまのまんま」番組中にゲスト桑田とその場で作った曲を披露。
- I Wish I Was in New Orleans(想い出のニューオリンズ):石橋凌、小林克也、桑田佳祐:スタジオが雀荘になっていて煙草の煙がもうもうとする中で3人が歌う不思議な光景。
- 一緒に暮らそう:松任谷由実:ツアー中のバンドと自曲を披露。
- Help!:氷室京介、吉川晃司:もうとにかくこの二人が美しいです。
- Let’s Spend the Night Together:ロッケストラ:もうカッコいいの一言。最初のアン・ルイスの「ワンツー!イチニィサンシ!!」がいいです!
- 第九交響曲 – ROLL OVER BEETHOVEN:忌野清志郎:コーラス隊をバックに暴れまくる清志郎サイコー!!
- Kissin’ Christmas (クリスマスだからじゃない):全員:この番組のためだけに作られた幻の名曲。「レコードにはしない!」という事で翌年のこの番組まで公開されなかったです。
1987年放送分曲まとめ
- Come Together:全員:前年もこの曲からスタート!メンバーが増え一層豪華に。
- MERRY X’MAS IN SUMMER 〜 Happy Xmas (War Is Over):2曲目も前年と同じですがアレンジが変わっています。桑田がメンバー紹介。
- TWIST&SHOUT:ロッケストラ(KUWATA BAND、アン・ルイス、鮎川誠 、DEKAPAN、Char、BARBEE BOYS、BAKUFU-SLUMP):大人数でステージを縦横無尽に演奏したり歌ったり!カッコいい上に楽しそう!
- スクランブル四重合唱:前田亘輝、坂崎幸之助、鈴木聖美、鈴木雅之:4曲をそれぞれの歌手が歌いクリスマスの合唱に!
- セッションだッ! DEATH MATCH:忌野清志郎、桑田佳祐、泉谷しげる、山下洋輔、今野多久郎、古舘伊知郎:今回も清志郎vs桑田なのですが、古舘伊知郎の実況が入り、泉谷しげるが乱入する。
- 愛のさざ波 – Dedicate to “CHIYOKO”:アンルイス、小泉今日子、松任谷由実:3人がカラフルな着物に身を包み可愛く歌っております。アレンジもいい。
- 2人のFOUR SEASONS Dedicate to “NOBORU”:泉谷しげる、渡辺美里、琢磨仁:普通にいいうたなんですが、竹下のぼる氏がちょいちょい出てくるのは竹下内閣という世情を汲んでいるんですよね。
- リンゴ追分- Dedicate to “HIBARI”:中村雅俊、小倉久寛、三宅祐司、スーパー・エキセントリック・シアター:前年と似た盆踊りのイメージで中村雅俊がノリノリで熱唱する。
- 函館の女 〜I feel good – Dedicate to JAMES BROWN:鈴木雅之、桜井賢:前年のSANTANAコンビ再び!
- 星降る街角 〜Jumpin’ Jack Flash – Dedicate to ROLLING STONES:CHAR,米米クラブ:負けじとこちらもコラボ曲ノリノリです。
- きよしこの夜:吉川晃司、明石家さんま:今回の吉川のホモセクシュアル的なお相手は明石家さんまです。案外キレイにまとまってます。吉川が美しい!
- TAKE FIVE:桜井賢、坂崎幸之助、サンプラザ中野、パッパラー河合、新田一郎、桑田佳祐、河内淳一:下ネタ歌詞でアカペラチックに歌っています。
- 恋人がサンタクロース:松任谷由実、高中正義:前年に引き続きツアーメンバーとの演奏。
- WONDERFUL TONIGHT:前年は雀荘でしたが今回はストリップ劇場で本物のストリップ嬢が本当に演技している。
- 第九交響曲 – ROLL OVER BEETHOVEN:前年に引き続き清志郎大暴れ!VTR出演のみだったせいなのか「桑田覚えてろよー!」と「チャンネル変えろ!すぐ消せ!」などと叫んでいる。
- Kissin’ Christmas (クリスマスだからじゃない):全員
当時の記憶
細かくはないのですが、この当時、明石家さんまは「歌う」という事について自他ともに音痴であるという認識でした。
まあ、その後「ひょうきん族」などを中心に曲を提供されレコードとして発売されたりするようになったのですが。
とういことで、「明石家さんまが有名アーティストたちと一緒に歌う」という珍しい場面が見られるというのもこの番組の売りのひとつになっていたと記憶しています。
まとめ
2005年に見つけた時の感動を別のブログに書いたことがありましたが、その時は番組をぶつ切りにした動画で全部は見れなかったです。
それでも、うれしくてうれしくて、涙が出るほどでした。(コレ、マジだから自分的にもビックリ!)
さて、この曲は実はカラオケにあったりするんです!!マイク回しながらみんなで歌ったりしたら楽しいでしょうね!!
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