スーパーヒーローという文化

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 日本のヒーロー文化

落合芳幾 作 「里見八犬伝 芳流閣之図」

ここ20年ほどで特にアメリカンコミックのヒーローたちの映画やドラマが急増して世界的に大人気となっています。

もちろん日本にも「月光仮面」(1958年)から連なるヒーローの系譜があります。

それ以前は特殊能力こそ持っていませんが、滝沢馬琴著「南総里見八犬伝」や大佛次郎著「鞍馬天狗」、また「石川五右衛門」など歌舞伎で演じられるヒーローたちがいました。

伝説や昔話などで語られて来た不可思議な能力や現象を庶民の味方として語りなおしたモノもあったようです。

日本ヒーローの歴史

ざっくり歴史を振り返るとテレビ初のヒーローが「月光仮面」でした。「月光仮面」は特殊な能力は有していないです。勇気と腕っぷしと拳銃が武器。

時代劇的な手法を取り入れてその後のヒーロー番組の礎となりました。

その後「遊星王子」「少年ジェット」「七色仮面」など特殊な能力を有したヒーローたちが現れていきます。

並行して1954年円谷プロから「ゴジラ」第1作目が公開されます。この時は完全にホラー・パニック映画ですが、大ヒットになり2作目、3作目を矢継ぎ早に公開していきます。謎の巨大生物「怪獣」が世の中に認知され1大怪獣ブームになっていきます。

◆ゴジラ オフィシャルサイト https://godzilla.jp/

大映でも1965年から「ガメラ」を公開、シリーズ化。

◆ガメラ生誕50周年記念特別サイト  http://www.gamera-50th.jp/

一方テレビでは「ウルトラQ」を経て「ウルトラマン」1966年が公開されて、いよいよ怪獣ブームがクライマックスを迎えます。

◆円谷ステーション-ウルトラマン、円谷プロ公式 https://m-78.jp/

しかし、子供向け商品に予算が大きく取れないことや製作自体が追いつかないという事でワンパターンだったり子供だましな作品が増え作品自体が子供たちにだんだん飽きられて行ってしまいます。

子供たちの遊びでも怪獣の真似をしてものっそりとしか動けないので不評だったようです。

そんな中、1971年「仮面ライダー」が放映開始されます。悪役にしてもライダー役にしても子供たちがごっこ遊びをするのに派手に動き回れる等身大のヒーローや悪役がすんなり受け入れられて大ヒットになります。

◆仮面ライダー年表/仮面ライダーWEB【公式」 https://www.kamen-rider-official.com/history

続けて1975年「秘密戦隊ゴレンジャー」が放映開始。ヒーローチーム「戦隊」モノの登場です。それぞれのコスチュームカラーを基調とした個性を生かした戦闘スタイルで悪の組織から地球を守るというのが大ヒットにつながります。

◆スーパー戦隊百科 https://www.super-sentai.net/sentai/

「怪獣」モノはあっという間に冬の時代を迎えます。「ゴジラ」シリーズは製作され続けるのですが、鳴かず飛ばずの状態が続きます。

◆1987年東映版「スパイダーマン」が放映されます。初めて等身大ヒーローが巨大モンスターを相手に

巨大ロボットで戦うという形式を始めます。

そんな中、「仮面ライダー」シリーズ「スーパー戦隊」シリーズともに安定した人気を誇っていましたが、さらに新人俳優や新人モデルを起用し、大人気俳優やモデルとなる、いわゆる登竜門的な役割を果たすようにもなります。

また大御所俳優やお笑い芸人も起用することで、受け入れられやすい作品にしていく姿勢も買われているようです。

当然、オモチャ化を前提の変身アイテムや搭乗メカなどがデザインされ、商品化されていきます。

さらに「パワーレンジャー」や「GODZILLA」など海外作品として大ヒットを飛ばすものも出てきます。もちろん賛否両論ありますが・・・(汗)

そして、「僕のヒーローアカデミア」「ワンパンマン」など職業ヒーローの話などが新たに現れてきました。

アメコミヒーローと日本ヒーローの違い

文化が違えば、ヒーローも違います。

アメコミヒーローの最大の特徴は自身が望んでヒーローになった訳ではないという苦悩がよく描かれる点です。

よりドラマとして人間的な部分が描かれます。恋愛だったり、自分は化け物ではないかという苦悩だったり。

恋愛して結婚、離婚、再婚などいわゆるドラマが描かれることが多いです。それも非常にヘビィにダークに描かれることがあります。

対して日本のヒーローは、苦悩がないわけではありませんが基本的に明るく描かれます。子供に見せるという事を前提にはしているのでドラマが重すぎると受けが良くない事があるからでしょう。

苦悩しているヒーローがいた場合、必ずそのヒーローを信じ認めてくれる仲間やキャラクターがいて、苦悩を乗り越えて成長していく様を描くことが多いです。

お色気はありますが、恋愛が描かれることは少ないです。チームは基本男女混合なのでチーム内でドロドロしてしまうと話が進まなくなってしまうからでしょう。

まとめ

違いはあれど、人はスーパーヒーローに憧れます。

世界平和を、地球を、人類を守るために力を尽くす存在に。

それも自分にしか出来ない特別な存在に。

そして必ず考える事になるのが「正義とは?」という事です。

世の中に絶対的な正義はあり得ないです。立場が変われば正義も変わります。

自分が一番大きく影響を受けているヒーローは桂正和原作「ウイングマン」です。

恐らく「正義とは?」の問いに対するひとつの答えがこの作品の中にはあると思います。

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