【映画を楽しむコツ】vol.60 「グリーン・デスティニー」編【U-NEXT】【Amazonプライムビデオ】

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今回紹介するのは「グリーン。デスティニー」。

この映画を観た時の自分の一番の感想は「女優チャン・ツィイーがあまりにもかわいい!!」でした。

作品概要

2000年公開の中国、香港、台湾、米国の合作で監督はアン・リー監督。主演はチョウ・ユンファ。ヒロインはチャン・ツィイーとミシェル・ヨー。

アクション監督は「マトリックス」のユエン・ウーピン。音楽はヨーヨー・マ。

臥虎蔵龍」(がこぞうりゅう)という武侠小説を原作にしたアクション・ファンタジー作品。

美しい景色と映像、アクション映画なのにしっかりとした物語とせつない心理描写と音楽が香港アクション映画の常識を一変させた革新的映画として有名。

美しく壮大な景色とせつないラブ・ストーリー

非常に壮大な砂漠や、緑鮮やかな竹林、険しい岩山などの景色がまるで絵画のように非常に美しく撮影されています。

ユー・シューリンとリー・ムーバイは互いに思いを寄せるが同門の師弟関係でその事を伝える事にずっと抵抗を感じてきた。それでも長年思い続けていて、リー・ムーバイが毒で息を引き取る寸前にお互いの気持ちを確かめ合う。

盗賊の元頭ローとイェンは両想いになるが追われる身となり、最後にイェンが言い伝えに則り、ローへの愛情のために崖から身を投じて消えていくところで終わります。

ふたつの愛情が運命によって引き裂かれてしまう、非常にせつないラブ・ストーリーとなっています。

多種多様な武器を使ったアクション

この物語は武侠小説が原作なので、戦うシーンがけっこうな割合であります。

しかも中国武術で使われる多種多様な武器が出て来て、一瞬の見た目ではどう扱うのかわからないような武器もあります。

これを自在に使って戦い合います。

この映画のタイトル「グリーン・デスティニー」は実は剣の名前で伝説の剣「碧名剣」英語名です。

鉄をも切り裂く抜群の切れ味、どんなに酷使しても刃こぼれしない丈夫さ、どんな剛力や重さも受け流すことが出来るしなやかさがあり折れる事がない伝説の剣で使いこなせるのは秘儀を会得した者だけとされています。

豪華な俳優陣

ムーバイ役のチョウ・ユンファはすでにベテランで世界的にも知名度の高い俳優。

シューリン役のミシェル・ヨーも97年に「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」にボンドガールで出演しハリウッドデビューしているベテラン女優。

ロー役のチャン・チェンは「ブエノスアイレス」で昇り調子のところで「グリーン・デスティニー」に出演。息長く映画出演を続け、2021年「DUNE/デューン砂の惑星」にも出演しています。

イェン役のチャン・ツィイー1999年「初恋の来た道」で本格的に映画女優としてデビューしたばかりで大抜擢。予告編にも「期待の新星」と表記されてたりします。翌年にはジャッキーチェン、クリス・タッカーの「ラッシュアワー2」に共演して世界的に広く知られるようになります。

前記ふたりはすでに世界的に有名な俳優で、後期のふたりはこの時はまだ若手俳優でこの映画出演から世界的に有名な俳優となって行きます。

臥虎蔵龍(がこぞうりゅう)の意味

臥虎蔵龍(がこぞうりゅう)」を直訳すると「臥せる虎 隠れる龍」という事で転じて「まだ能力を見せていない人材や隠している人」の事だそう。

物語的に解釈してみると恐らく、「目に見えるモノの裏には目に見えないモノが隠れている」という事なのでしょう。

これは単純には金持ちの令嬢とその乳母に見えるイェンと「狐」は盗賊であり殺し屋で、ムーバイの師を殺した仇です。

彼女たちには見た目とは違う正体がそこにはあります。

正義の英雄として称えられるムーバイは栄光とは裏腹に正義の名のもとに命を絶たねばならなかったり、争ったりする事に悩み武侠(武道家)を引退する決意をします。

無敵の伝説の剣・碧名剣は栄光と苦悩をもたらすと描かれています。

見た目成功しているが、その実大きな悩みを抱えています。

シューリンは父親のやっていた鏢局(警備会社)を引き継いでしっかり運営している有能さを持っている一方、ムーバイへの思いを持ち続けて婚期を伸ばし続けているある種の愚かさを持っています。

見た目優秀・有能だが心情的な愚かさを持ち合わせています。

イェンは行動する自由、愛する自由を求めますが、あがくほどにむしろ追われる身となり不自由になって行きます。

ローは追われる身となる事もいとわないずに素直に愛情をしめします。追われる身となっても自分でした事を分かっているので気持ちは自由です。

イェンは自由を求めますが、ローは己の自由を投げうちます。

ムーバイとシューリン、イェンとロー、ふた組の男女はそれぞれ結局は運命に引き裂かれてしまいます。

しかし結ばれずに引き裂かれた二人の間には目に見えずとも深い愛情がそこには秘められているというのが意味合いとして含まれています。

アクションシーンについて

この映画はもちろんカンフーアクションが売りのひとつなのですが、ワイヤーを使ったアクションが随所にあります。

これは達人が使う軽功と呼ばれるいわゆる忍者が使うような体術を上手く表現できています。

宙返りや壁や天井を走ったり飛び越えたり、竹林の上で仙人のように竹を折らずに足場として利用して跳躍して見せたりとそれまでにないアクションでした。

これが世界的にうけてその後のアクション映画全般で頻繁に使われるようになります。

おまけ

2016年に「グリーン・デスティニー」の続編として、Netflixで「Crouching Tiger Hidden Dragon: ソード・オブ・デスティニー」を配信。

ミシェル・ヨーが引き続きシューリン役で出演。ムーバイの死から18年後を描くドラマ。もちろん碧名剣をめぐる物語になっています。

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