ホラー映画はこわいですよね~。
でも、感情をゆさぶるという意味においてはいろんな技術や工夫が必要なんですよね。
恐怖は非常に強い感情でありますが、安全な場所でリラックスして映画を見ている観客に恐怖を感じさせるのはなかなか難しいわけです。
つまりあらゆる工夫と技巧を凝らしてあるわけです。
そんなホラー映画について語っておきましょう。
ホラー映画とは
ホラー(恐怖)映画とは、観客が恐怖感を感じて楽しむための映画です。
サスペンスやスリラーも恐怖を扱うジャンルです。
これらとの違いを分けるのは、
- 超自然現象や悪魔・モンスターなどを題材とし扱うものをホラー
- 現実に実在してもおかしくない、または実在した凶悪犯や殺人鬼を扱うものをサスペンスやスリラー
ただし、けっして厳密なものではありません。
さらにスプラッターやスラッシャーと呼ばれるものもあります。
これは血しぶきや惨殺死体などを衝撃的に見せるもので、けっこう多用されるのでひとつのジャンルというよりはサブジャンルというのが一番近いのだと思います。
また全体的に性行為などのエロティシズムを一緒に描くことが多いのも特徴のひとつです。
これはエロティシズムが
- 抑えなければならない衝動と抑えきれない罪悪感
- 快楽と苦痛のギャップ
- 神聖さと邪悪さ
などを効果的に描くことができるからだと言われています
ホラーの定義について
基本的にホラー映画の定義というものがあるらしいです。
- 登場人物が何らかの脅威に直面して、その脅威をもたらす対象に恐怖・嫌悪を抱く状況が主に描かれている。
- その描かれた脅威の対象は、多くの人々が通常、恐怖・嫌悪の情動を抱くと予想されるものである。
- 鑑賞者も描かれた対象に対して恐怖・嫌悪の情動を抱くことが、作り手の主な目的として意図されている。
戸田山和久という方が研究されて言及している定義になります。
以下が、戸田山氏の著作「恐怖の哲学 ホラーで人間を読む」という本です。
2種類の恐怖
ホラー映画で描かれる恐怖には2種類あります。
- 理解不能な現象、オバケ、幽霊、怪物などの超自然現象がこわい
- 人間がこわい
ひとつは理解できないものと、いつどこから何が来るのかわからないということへの恐怖です。
めちゃくちゃ不安でビビります。
また「人間がこわい」は実際に自分に起こりうる生々しい恐怖です。
殺人犯に追いかけ回されたり、法律とかマスコミなんかをつかってジワジワと追い詰められたりなど具体的に自分に起きてほしくないことを描きます。
めちゃくちゃストレス感じます(笑)
さらに2種類の恐怖を組み合わせて新たな恐怖を生み出すこともあります。
根本的な感情を揺さぶられる感覚
ホラー映画を楽しむ人の心理も2種類あります。
- 感情の根本を揺さぶられるのが楽しい。
- 観終わったあと、「自分じゃなくてよかった」という安堵。
人間の根本的な感情は非常に強いものです。これを揺さぶられるのは良くも悪くも強い刺激になります。
また鑑賞中の恐怖感と鑑賞後の「自分ではなくてよかった」という安堵のギャップが、言ってみたら絶叫マシンに乗ったのと似たような感覚なのだと思います。
ホラーのサブジャンル(種類)
ホラー映画にもいろんなサブジャンルがあります。
- スプラッター(スラッシャー):派手な血しぶき
- SFホラー:異星生物やクローンなど
- シチュエーションホラー:追い詰められた状況が怖い
- サイバーパンクホラー:スタイリッシュかつエログロが入り混じる
- 〇〇パニック:天変地異や事故や遭難など
などなど。
といった感じでたくさんのサブジャンルに枝分かれしています。
以下にそれぞれのサブジャンルに該当する作品を紹介しておきます。
ますはスプラッター。”プール一杯分の血糊をつかった”という「ブレインデッド」
言わずと知れた”SFホラーの最高傑作”「エイリアン」
記憶もなくなぜかもわからないというシチュエーションが怖い「CUBE」
スタイリッシュかつエログロ、快楽と苦痛、「ヘルレイザー」
パニック映画といえば、この1作ははずせない「タワーリング・インフェルノ」
恐いけど魅力的なキャラクター
ホラー映画といえば、定番のキャラクターたちがいます。
昔から言い伝えられているモンスターの、ドラキュラ、フランケンシュタインの怪物、狼男などです。
それぞれを題材にした映画はいくつも製作さています。
さらに、「13日の金曜日」シリーズのジェイソン、「エルム街の悪夢」シリーズのフレディ、「ヘルレイザー」シリーズのピンヘッド、「チャイルドプレイ」シリーズのチャッキー、「IT」シリーズのペニー・ワイズなどなどetc….。
ホラー映画はその映画がヒットしてシリーズ化すると主人公よりもその敵役であり恐怖の対象であるキャラクターが大人気になります。
またサスペンスにおいても人気のキャラクターがいます。こちらは実在の人物がモチーフになっていることがあります。
たとえば「羊たちの沈黙」から始まったシリーズのレクター博士、「スクリーム」シリーズのゴーストフェイス、「ラストサマー」シリーズのフィッシャーマンなどです。
ぶっちゃけた話、たとえ映画自体がくだらなくつまらないものだったとしても、彼らさえ出てくればしっかり楽しめてしまうというのもホラー映画の特徴のひとつなのかもしれません(笑)
日本ホラーでもっとも有名なキャラクター”貞子”の「リング」。
文化による恐怖の違い
国や文化により恐怖の対象がちがいます。
たとえば、キリスト教の世界では「死人がよみがえる」ことはもっとも嫌悪感が高いことです。
だから「ゾンビ=よみがえった死体」はめちゃくちゃグロくて怖い存在なんです。
日本では幽霊や妖怪などは神や仏なんかと性質が違うだけで、基本的には同じものという感覚があるので、死体に対しての恐怖感はそれほど高くないんですよね。
むしろ、「よみがえってしまうほどの怨念」がこわいんですよね。
まとめ
以上、ホラー映画について語ってきました。
さて、個人的におすすめホラー映画を2本ご紹介いたします。
まず1本目は1980年「ザ・フォッグ」のSFリメイク版「ミスト」
2本目は美しいイザベル・アジャーニが狂気に汚れていく「ポゼッション」
人によって怖いと思うものや対象が違います。
ですからここで紹介したものに微塵も恐怖を感じない人もいます。
恐怖・嫌悪・忌避といろんな言葉で表す感情を刺激するようにできているのがホラー映画であると言えます。
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