【映画を楽しむコツ】vol.184「鉄男」編【U-NEXT】【Amazonプライムビデオ】

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映画愛好家の皆さん、こんにちは!今回は、映画「鉄男」に焦点を当て、その配信情報、評価、そしてネタバレについて詳しくご紹介いたします。

この記事では、映画「鉄男」を楽しむための秘訣を探求しましょう。

※注意:この記事にはネタバレが多分に含まれています。作品をご覧になっていない方にはオススメできません。

作品情報

1989年に公開された塚本晋也監督によるメタルサイキック作品。

1986年公開の「普通サイズの怪人」という作品を原型にキャストを引き継いで撮影。

自主映画ながら、監督自身も出演している事とローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを獲得したことで”塚本晋也”という名前が世界的に。

「メタルサイキック」という言葉と町工場などのノスタルジックな金属の描写、頭にガンガン響く音楽と理不尽な展開が特徴。

その後、シリーズ化3作目まで発表されています。

今回は1作目のみをご紹介いたします。

ざっくりあらすじ

ある朝、サラリーマンの男(田口トモロヲ)が目覚めると、頬に金属のトゲのようなにきびが出来ていた。次第に金属に侵蝕されていく男の肉体。かつて男がひき逃げした、“やつ”(塚本晋也)は男に復讐を果たすため、激烈なスピードで男のもとへ向かった。そして終わることのないメタルサイキック戦争が始まるのだった。

Filmarksより引用

モノクロ作品であることの意味

あくまでも電八的解釈となりますが、この作品がなぜモノクロなのか?というのを考えてみます。

質感が際立つ

肉体、血液、オイル、金属、といずれも手触りや質感が重要なものです。

モノクロにすることで材質や手触り感などが強調されて質感が際立つのだと思います。

特にこの映画は質感が重要な意味とインパクトを生み出すものなので、モノクロは理想的な選択なのだと思います。

目が強調されて表情が印象的に

白と黒が強調されることで、目が必然的に強調されます。

この作品は出てくる人々みんなが、狂気を孕んだ眼をしています。

しっかりと目を強調させるためにモノクロにすることで表情をきっちりと描き切ることが出来たのだと思います。

コントラストを強調することで没入感が高まる

コントラストが高まると、景色には奥行き感が生まれ、周囲のものは立体感が出て、まるで作品を観ている自分がその中にいるような没入感を高めることが出来ます。

真夏のうだるようなじめっとした暑さや、汚れた廃液、匂いたつ血液や汗の匂い、など臨場感があがります。

ストップモーションの多用

特殊効果としてストップモーションを多用しています。

しかし、撮影しているカメラがSuper8というハンディのフィルムカメラです。

このカメラで1コマ1コマずつ撮影していくという凄まじく手間と時間のかかる方法をとっています。

しかし、そのおかげで何とも言えないガリガリとした動きを見せる不思議な映像が出来上がっています。

猛スピードで街中を駆け抜けるシーンもこの手法で撮影されていて、すごい迫力となっています。

グロ描写

謎の”金属細胞”に身体を徐々に侵食され、肉体的・精神的激痛に生活も人格も崩壊していく男の話。

肉体の下から金属に侵食されてメカメカしくなった身体が露呈していくと共に、強力な超能力が暴走しだすわけです。

これを表現するために、特殊メイクをふんだんに使い、血が滴る金属を印象的に見せます。

結果、汗と血と、オイルと金属部品が入り混じり、その匂いまで伝わってくるようなグロい描写がふんだんに使用されています。

低予算ながら、自主映画の域をはるかに超えるクオリティです。

撮影エピソード

自主映画ということもあり、予算が非常に限られていました。

鉄くずを身体にまとわせているから「鉄男」という事で、監督自身もテレビなどを拾ってきたりと本物の鉄くずを集めて使用したそうです。

そうした本物の鉄くずを体中に両面テープで貼り付けて造形したのですが、重すぎて立ち上がれなかったことがあったそうです。

また、貼り付けたものをはがす時が本当に痛くて大変だったと主演の田口トモロヲがインタビューで答えています。

さらに撮影期間だけで1年半を費やしたのですが、原因としてあまりにもきつい現場でスタッフがひとりまたひとりと逃げ出していってしまったようです。

最終的に残ったのは監督とキャストだけ。照明や美術などスタッフの代わりをキャストが順番にやっていたそうです。

ということでスタッフロールはキャストと音楽以外、すべて塚本晋也になっています。

評価と評判

映画「鉄男」の評価は非常に高く、多くの映画ファンから絶賛されています。

その独特の雰囲気と印象的な演技が、観客に強烈なインパクトをもたらしました。

批評家からも高評価を受け、ローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリに輝いています。

日本における実写サイバーパンク作品の代表作となっています。

またアニメ映画「AKIRA」もほぼ同時期に公開されていて、アニメのサイバーパンク作品代表となっています。

「AKIRA」にも”鉄雄”というキャラクターが出てきて超能力の暴走で機械と肉の塊になっていく描写があります。

重なった偶然とはいえ、時代を象徴していたのかもしれません。

好景気から不景気になり、大量消費の末に生み出される大量のゴミ。そして人間の生々しさと機械の非人間的でグロテスクな造形。社会の圧力により精神的に蝕まれていき、どこかで爆発してしまいそうな一面を皆が抱えて生きている時代でした。

公開時、日本においてはほぼまったく注目されず、ローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリをとったという事で東京都中野区の映画館で上映したところロングランになったということです。

電八的感想

公開後につてで塚本晋也監督のトークイベントに行く機会があり、名前だけ知っていたのでどんな話が聞けるのかと思って行ってみました。

映画を撮影するという事についての監督の話だったのですが、覚えているのは監督が「鉄男、めちゃくちゃかっこいいから見てね!」って言ってたのだけ(笑)

公開から2、3年後にレンタルビデオで見ました。近場のレンタル店になかなか置いてなくて時間たってしまいました。

始めて見た時の金属バットで頭をガンガン殴られたような衝撃は忘れられません。

夏の強烈でじめっとした暑さ、金属に侵食されていく激痛、殺してしまった人の血の煙るような匂いみたいのが、映像なのに伝わってきました。

しかも、主人公の”男”と宿敵の”やつ”はぐちゃぐちゃに混ぜこぜになって、「世界を鋼鉄の塊にしてやる」と言って撃ちまくって走り去って行くところで終わるというのも衝撃的でした。

イライラして、キレて、過ちを犯して、グチャグチャになって、絶叫して、爆発して、結果、スッキリした!みたいな映画ですね!!

時代を考えてみると、バブル崩壊前夜というところであり、世の中は未来への不安と、お金のため人間性を捨てることへの限界を迎えている時期でした。

それが金属に侵され人間じゃなくなっていく過程として描かれているわけです。

イライラしてちょっとした事でキレて人を殺してしまうような事件がニュースになるような世相でした。

強制的にではありますが、この映画ではそんな不安で不満な心情を互いにぶつけ合いグチャグチャになって、「こんな世界はぶっ壊してしまえ!」という結論に至るわけです。

配信情報

まず最初に、映画「鉄男」の配信情報をお伝えします。

現在、この映画はU-NEXTでは見放題、Amazonプライムビデオではレンタル配信、Huluでも見放題配信で視聴可能です。

どちらかのサービスを利用して、手軽に鑑賞することができます。また、配信状況は常に変動するため、最新の情報を確認することをおすすめします。

Bitly

まとめ

「鉄男」は、映画愛好家にとって見逃せない作品の一つです。

配信情報、評価、ネタバレについてご紹介しましたが、最終的な判断は皆さん自身の目で確かめていただきたいと思います。

この記事が、映画「鉄男」を楽しむ際の参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の記事は以上となります。

この記事を気に入って頂けましたら幸いです。

また是非、SNSなどでシェアしていただければと思います。

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