【映画を楽しむコツ】vol.6「フィールド・オブ・ドリームス」編【Amazonプライムビデオ】【U-NEXT】

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「スポーツの王様」なんて言われる野球なんですが、周囲の人たちに比べて自分はあまり興味がない方です。

しかしこの映画を見ると野球が好きな人の気持ちが分かった気になれます。

何よりも父親との親子の絆の修復がメインテーマですが、妻や娘との家族の絆も描かれます。

作品概要「フィールド・オブ・ドリームス」

1989年公開のケビン・コスナー主演、フィル・アルデン・ロビンソン監督作品。

ウイリアム・パトリック・キンセラの小説『シューレス・ジョー』が原作で、主人公レイ・キンセラは原作者の祖父的な設定らしい。

1960年代をキーワードに「良きアメリカ」を描いたファンタジー作品です。

※注意:この記事にはネタバレが多分に含まれています。作品をご覧になっていない方にはオススメできません。

ざっくりあらすじ

トウモロコシ農場を経営しながら、妻と娘と3人家族で無難に生きているレイはある日、トウモロコシ畑で”声”を聴く。

その”声”は「お前が作れば、やってくる」と言っていた。

衝動に任せてみると「トウモロコシ畑をつぶして球場を作れば”シューレス・ジョー”がやってくる」というのが分かる。

今まで冒険的なことを何ひとつしてこなかったレイは思い切って”声”に従って畑をつぶして球場を作る決心をする。

そして、奇蹟が起こり始める――――。

野球が分らなくても楽しめる。

基本的に人間ドラマなので野球が分らなくても楽しめます。

  • 野球選手の幽霊たちが陽気で笑えます
  • 謎解き要素があります
  • カリンがかわいいです
  • 景色が美しいです

など、野球に言及した映画ではなくテーマもアメリカの時代背景や思想、そして家族の絆などが中心でロードムービー的に分かり易く見せていく作りになっています。

叶わなかった夢を実現させる

主人公レイ、テレンスマン、球場に現れたシューレス・ジョーを含む選手たち、そしてレイの父親。

彼らはみんな夢を叶えられなかった人々として描かれます。

その中で唯一、レイだけは夢を叶えることが出来て、しかも上記に挙げた人物と妻と娘に応援されます。

難しい決断の時、必ずそばにいる誰かが背中をそっと押してくれます。

全体としてものすごくやさしく夢を応援する映画になっています。

60年代がキーワード

アメリカは60年代後半から70年台にかけてベトナム戦争の暗いイメージがのしかかった時代です。

そんな中を「ラブ&ピース」を合言葉にした反戦運動と公民権運動が盛んになり花開いたのがヒッピー文化です。

主人公のレイや妻のアニーはこの運動に参加していました。彼らはテレンスマン(サリンジャー)が書いた本を読み影響を受けて運動していたんですね。

この辺は保護者会のシーンなどで描かれています。

金曜ロードショー版が好き。

映画DVDには実は一本の作品で〇〇版というのがあります。(ディレクターズカット版とか)

この「フィールド・オブ・ドリームス」には金曜ロードショー版というのがあります。この金曜ロードショー版が自分にとっては最高です。

声優陣が一番キャラクターにフィットしているように感じます。

そして何より翻訳がいいです。最高のセリフになっていると思います。

テレンス・マンのセリフ

テレンス・マンは原作を読むと分かるのですが、実在の作家サリンジャーがモデルです。

原作ではそのままサリンジャー本人として描かれています。

レイが義理の兄に農場に作った球場を売るように迫られているシーンでのセリフがいいです。もちろん金曜ロードショー版のが最高です。

以下、本編よりセリフを引用。

レイ、人々はやって来るよ。

みんなこのアイオワへ。

たぶん理由もわからずに 見えない糸に引かれて 大勢の人々が集まってくる。

入り口に立って、子供のように無邪気に昔を懐かしみ。

もちろん君らは笑顔で客を迎えるだろう。

観戦料は20ドル。

みんなためらいもせずに出すさ

金は持ってるんだ。

無いのは安らぎだ。

やがてスタンドに出てくるとみんなシャツの袖をまくり暑い午後が始まるんだ。

何と言ってもそこは最高の席だ。

ベースラインがすぐ近くに見える。

子供の頃、よくそこに座ってヒーローの名を叫んだもんだ。

試合を見ているとまるで魔法の水に浸っているような気持ちになる。

思い出が次々と押し寄せてそいつを払いのけるのにひと苦労だ。

人々はきっとやってくる。

長い年月、少しも変わらなかったのはこの野球だけだった。

アメリカはロードローラーのようにめまぐるしく、黒板のように様相を変える。

消してはまた描き。

だが、野球は人々と共にあった。

このグランドも このゲームも 我々の過去の一部だ。

かつての良き時代を思い起こさせ、甦らせてくれる。

ああ、人でいっぱいになるぞ。

必ずやってくるとも。

「フィールド・オブ・ドリームス」金曜ロードショー版のセリフより引用

そして彼はシューレス・ジョーにトウモロコシ畑の「向こう側」へ招待されます。

笑い声と共に消えていきます。

彼は「向こう側」で何を見て、そして何を書いて本にするのか?それはあなたの想像にお任せいたします。

そして彼は、このことで「作家」としての自分を取り戻します

つまり、ここでテレンスマンの「苦痛」が癒されるのです。

父子のキャッチボール

レイは父親のジョンにわだかまりを持っていました。

そして和解することなくジョンは亡くなってしまったのです。

お互いに本当は野球が好きで、互いに愛しているのに、それを伝えることなく生き別れてしまったのです。

トウモロコシ畑から若返った姿でジョンは帰ってきます。

それを見たレイは父とのわだかまりを解くチャンスが到来したのです。

ふたりはキャッチボールをします。

お互いの思いを言葉ではなくキャッチボールのボールに乗せて。

夕暮れ時にふたりの語らいはしばらく続きます。

そのままラストシーンへ。

アメリカの映画やドラマでは父親と男の子の絆を深めるための大切な儀式のように「キャッチボール」が重要視されています。

ラストシーンそっくり!!

映画「ペイ・フォワード」でのラストシーンがこの「フィールド・オブ・ドリームス」のラストシーンとそっくりなのです。

両者ともに列をなした自動車がどんどんやってくるのですが、カメラが上昇していくとどこまでもどこまでも自動車のヘッドライトの列が続いているという描写で映画が終わっていきます。

何かこれらの映画に繋がりがあるわけではありません。偶然にしてはあまりにも酷似していてパ〇リだと言われてしまいそうなほど。

けっこうこれで酷評される方もいらっしゃいますが、自分的にはオマージュということで認識しています。(笑)というか真似したらダメならあれもこれもダメ、みたいのいっぱい出てきてしまいます。なによりも製作サイドで問題なかったことなのですからね。

〇今回のまとめ

陽気な幽霊たちがいい。カリンがかわいい。雰囲気がセリフや訳でかなり変わってきます。〇〇版なんてのがあったら試しで観てみるのもありだと思います。

※楽しまないと損だ。

是非ご覧になってください。

無料期間中であれば、無料視聴できますので是非お試しあれ。

期間内の解約は0円で、簡単に登録・解約できます

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