【映画を楽しむコツ】vol.46 「里見八犬伝」 編【U-NEXT】【Amazon prime video】

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角川映画の代表作といえば、この作品を挙げる人も多いでしょう。

かく言う自分もこの映画の大ファンです。

何回見ても面白いんですよね。

この記事ではネタバレを多分に含んでいます。ご注意ください。

作品概要

1983年公開深作欣二監督作品。主演は真田広之、ヒロインに薬師丸ひろ子。

江戸時代の文学にして歌舞伎の演目にもなった滝沢馬琴著「南総里見八犬伝」。

これを鎌田敏夫が小説「新・里見八犬伝」としてリメイクしたものを脚本化。
設定が元の原作の八犬伝と少しずつ違っています。
薬師丸ひろ子扮するは伏姫の姪、静姫というオリジナル設定。
真田広之扮する”仁”の八犬士犬江新兵衛仁は実は玉梓の実子という設定。
怨霊、御霊様の巫女にして毒婦、玉梓を夏木マリが怪演。

他にもいろいろと細かく設定が変えられています。

これまでの時代劇と違い、音楽にロックを取り入れたり、特撮を取り入れるなど1大スペクタクルに仕上げられています。

八犬士とは!?

八犬士たちの誕生まで

作中、あまり深くは語られないのですが、

そもそも里見家の殿様が、約束をたがえて玉梓を処刑してしまいます。

恨んだ玉梓の怨念は呪いとなってお家に降りかかり、戦となり、しかも追い詰められて風前の灯火となっていました。

ある時、失意の殿様が敵の大将首を取って来たら娘の伏姫を嫁にやると戯れに飼い犬の八房に言ったところ、一声吠えると疾風のごとく駆け抜け、あっという間に敵陣の大将首を取ってきました。そのおかげでお家は安泰となり平和になったのですが、約束は約束、伏姫を八房の嫁として泣く泣く祝言を挙げました。伏姫と八房は人里離れた山にこもり、ひっそり暮らすようになります。

殿様の右腕にして伏姫の元許婚の大輔は火縄銃を手にハ房を退治して姫を取り戻そうとします。

大輔の放った銃弾は八房に見事に命中、しかし伏姫にもあたってしまいました。

しかし瀕死の伏姫は一度も触れることなく生活してきたのに八房の子が腹に宿っているのを知り、懐剣で腹を裂きます。

その時に腹から、光る球が八つ天空に昇り散り散りに飛び去りました。

大輔は伏姫の数珠を受け取り、僧として全国を霊玉を探す旅に出るのでした。

各地で、この霊玉を持って生まれてくる子供たちが現れます。彼らが八犬士です。

その身には牡丹のあざがどこかにあり、霊玉を持っています。

そして畜生道へと誘う様に玉梓の呪いが掛かっています。だからみんな不幸だったり、悲惨な生い立ちです。しかし事あるごとに伏姫の加護である霊玉に導かれ、集まってくるのです。

仁:犬江新兵衛仁(いぬえしんべえふとし)

真田広之:元々の原作ではいわゆる伏姫の霊的パワーの中で育った不思議の子でしたが、この映画では玉梓の実子で悪と善を揺れ動きます。最終的には静姫との愛情で”仁”に目覚めます。

義:犬川荘助義任(いぬかわそうすけよしとう)

福原拓也:原作では信乃と同じ村の出身でしたが、本作では智の八犬士で小文吾と一緒に異形の者たちが住む洞窟で暮らしてきた。少年の姿だが成人で非常に鋭い聴覚の持ち主。

礼:犬村大角礼儀(いぬむらだいかくまさのり)

寺田豊:本作では義の八犬士。里見家の家臣の子孫。山伏の出入りする家で暮らしていたので、武芸と学問を収めている。山伏姿で火薬や銃を扱う。

智:犬坂毛野胤智(いぬさかけのたねとも)

志穂美悦子:女田楽師で剣の使い手。本作では礼の玉の持ち主にして唯一の女八犬士。呪いのせいで蛇が次々と寄ってくる。原作では女装の麗人です。

忠:犬山道節忠与(いぬやまどうせつただとも)

千葉真一:原作では火遁の術を使う、もっとも派手なキャラクターですが、今作では八犬士のリーダー的な役割を果たし、大角と共に静姫を護衛しながら各地を旅して八犬士を集める。しかも病魔に侵されて余命いくばくもない。

信:犬養現八信道(いぬかいげんぱちのぶみち)

大葉健二:原作では捕り物の天才で獄舎番をしていたが、殿様に逆らって自分が牢獄に閉じ込められるという破天荒なキャラ。

本作では闇の軍団の侍大将で残虐の限りを尽くすが、霊玉と新兵衛の吹く霊笛で正義に目覚める。

孝:犬塚信乃盛孝(いぬつかしのもりたか)

京本政樹:大塚村の蟇六夫婦の娘浜路と義兄妹として育てられる。代官暗殺の汚名を着せられ追われる身に。

原作では妖刀村雨を返しに行く途中ですり替えられるなど嵌められて、やはり追手を掛けられます。

悌:犬田小文吾悌順(いぬたこぶんごやすより)

苅谷俊介:巨体で怪力の持ち主。八犬士一の力持ち。原作では現八と近しいのだが、本作では荘助と同じ異形のモノの洞窟で暮らしている。

公開当時の世相と公開方法による世界への挑戦

呪いなんてものが出てくるくらいですから、この物語は時代劇ファンタジーです。

同時にスペクタクルロマンやアドベンチャーの要素がたっぷりと盛り込まれています。

妖力・魔力・霊力や妖怪、悪霊、などなどファンタジー要素に事欠かないほどです。

その中に時代劇アクションが光るという、素晴らしい作りになっています。

さらに公開当時には「スターウォーズ」や「レイダース失われたアーク」などが世界的ヒットしていました。

脚本や世界観はこれらを非常に意識したつくりになっています

姫を救い出し、仇敵を討つために一大アドベンチャーを繰り広げるというのが共通している点です。

さらに公開の仕方も「ブロックバスター方式」といって、一気に数多くの劇場で同時に公開する方式を採用しています。

これも「スターウォーズ」などの公開した方式と共通です。

いろいろなものを取り入れて世界への挑戦をしていました。

魅力のシーン!

毛野と妖乃介の愛憎絡みあう戦いがなんとも美しい。

毛野役の志穂美悦子の切ない表情がなんともいえません。

最後の方のシーンになると新兵衛と静姫を先に進めさせるためにまたひとり、またひとりと道を作っては散っていくとシーンがあります。

その中でも特に千葉真一扮する道節が何本もの槍に貫かれながらも、巻物の秘術を使って「行けーい!!」と叫ぶとこなんかは本当にかっこいいです。

いいシーンが多いんですよね、この映画。

かと思いきや、サービスシーンも忘れてないところが本当に素晴らしい。

夏木マリ扮する玉梓がその若さを保つために血の風呂に入るシーンがあるのですが、もう夏木マリのヌードの本当に美しい事!

妖女としてその妖しい美しさもキッチリ演じ切ってくれてます。

まとめ

「星よ 導きたまえ」というのがキャッチフレーズで、薬師丸ひろ子が白装束で弓矢を構えているのが、ポスターやパンフレットの表紙になっています。

この絵柄いいんですよねー(笑)

そして、この映画がお好きな方にはもうひとつお勧めの作品があります。

OVA作品「THE 八犬伝」という作品です。

残念ながら制作会社の倒産などいろいろあり、完結していないのですが、このアニメは非常にスタイリッシュで美しく、尚且つ原作に近い形で物語を描いています。

なお、ただいま、U-NEXTにて「里見八犬伝」は見放題配信中です。Amazonプライムビデオでもレンタル配信がありますのでよろしければぜひ。

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