今回紹介するのは配信がなくて、なかなか見る事が出来ず、電八が「また見たい」って思っている作品5選です。
版権の問題やそもそもの人気の問題などいろんな事情で今のところ配信されていない作品たちです。
中には一般的にも名作・傑作というのもありますので、じっくりと見ていってください。
『空想科学任侠伝 極道忍者ドス竜』
まず、1作目は日本のいわゆる特撮技術を駆使した作品の『空想科学任侠伝 極道忍者ドス竜』です。
関東一のヤクザ忍道組の一人娘しのぶがずば抜けた戦闘力を持つ敵対組織にさらわれてしまう。
しかし忍道組は江戸時代より続く忍者集団天部衆に代々守られてきた。影から守るために誰にもその正体を知られずに、忍道組の近くに存在し続ける。
さらわれたしのぶ救出のために天部衆が救出に動き出すが・・・。
永井豪原作の漫画を実写化した作品で、いい意味で「忍者」に拘っていないです。
主演は大槻ケンヂで極道に身をやつした忍者の役ですが、『スーパーマン』のクラーク・ケントを意識しているのか、普段はメガネをかけたパッとしない極道見習いの運転手ですが、いざ戦いとなると鋭い目つきの忍者になるというギャップを魅せます。
さらにキューティー鈴木、尾崎真弓も出演していて、2人のレスラーとしての本格的な格闘戦を見せてくれます。
ほぼ女子プロレスそのままなので迫力があって緊迫した戦いになっています。
ここで忍者関係ないじゃん!とかいうのはナンセンスです。
なかなかレアなキャスティングで感慨深いです。
『チョコレート・ソルジャー』
続いて2作目はタイの作品から『チョコレート・ソルジャー』。
男に浮気されヤケ酒をあおっていたデュー(“ジージャー”ヤーニン・ウィサミタナン)は、女性ばかりを狙う誘拐組織「ジャガー団」に目を付けられる。
amazonより引用
しかし、誘拐されそうになったデューを救い出してくれた1人の男がいた。
彼はHIP HOPダンスと酔拳を融合させた「泥酔拳」を駆使して、仲間と一緒に誘拐組織を追いかけるサニム(カズ・パトリック・タン)だった。
サニムと仲間たちは大切な女性をそれぞれジャガー団に誘拐されてしまい、復讐と救出計画を企てている者たちだったのだ。
「泥酔拳」を学んだデューは、囮となってジャガー団のアジトに潜り込むのだが…。
何が見どころかって、デュー役のジージャーの本格的なアクションです。
彼女はもともとテコンドーのチャンピオンになりインストラクターをしていたのでアクションはお手の物です。
ワイヤーも取り入れた本格的なアクションと格闘シーンが素晴らしいです。
アクションもすごいのですが、かわいいんですよね!
さらに「泥酔拳」です。
「酔拳」よりもHIP HOPダンスを取り入れることでよりトリッキーな動きになっています。しかもかっこいい!
ジャッキー・チェンの『酔拳』が有名ですが、実は酔拳を題材にした映画は結構あります。劇中にちょっとだけ使われる事もあります。
ただ、今作の「泥酔拳」は「酔拳」の動きとはだいぶ違いがあります。ダンスのトリッキーさに加え、至近距離で肘を多用するのが印象的です。
なんなら攻撃も防御も肘で行っているところなどもあります。
そして、全体に流れるどこか懐かしいアジアン・テイストな雰囲気と明らかにあまり見た事がない景色、感じた事がない感覚がないまぜになって不思議な雰囲気を醸し出しています。
これがタイ映画の雰囲気なんですかね?なんか好きです。
『惑星ソラリス』1972
SF史に燦然と輝く金字塔的な作品『惑星ソラリス』。
公開当時はまだロシアがソビエト連邦だった頃で、ソ連製のSF映画です。
海と雲に覆われ、生物の存在が確認されていない惑星ソラリス。科学者たちはソラリスの海に理性があると考え接触を図るが、失敗に終わる。宇宙ステーションは謎の混乱に陥り、地球との通信が途絶えてしまう。心理学者クリスが原因究明のため送り込まれるが、友人の物理学者は既に自殺しており、残る2人の科学者も怯えきっていた。やがてクリスの前に、数年前に自殺した妻が姿を現す。
映画.comより引用
ロシアのSF作家スタニスワフ・レムの原作小説を映像化したもので『2001年宇宙の旅』に対するロシア人的な回答とも言われる作品に仕上がっています。
生きている事と意思がある事以外に共通点がない生命体とどうしたらコミュニケーションが取れるのか?
ソラリスの海は人間とコミュニケーションを取るために人々の記憶にある人間の姿を複製します。
『2001年宇宙の旅』でも*宇宙人*は木星のモノリスからスターゲイトを潜って彼らの元に辿り着いたボーマン船長の記憶から彼の最も落ち着ける「ホテルの一室」を複製していました。
そのシーンへの回答として、環境などではなく直接コミュニケーションを取るために記憶から人間を複製したらどうなるのかを見せているのかもしれません。
アンドレイ・タルコフスキー監督による極度にスローテンポに進んで行くストーリーに眠気をガマンするのがなかなか大変な作品としても有名です。
なんのためにテンポをゆっくりにしているかというと、常に次がどうなるのか分からない状態を保つためだと言われています。
自分を見つめ直すというのもテーマに含まれていて、自分のトラウマと強制的に向き合わなければならないのはなかなかの苦痛だというのが表現されています。
同時に記憶が薄れ、愛を*忘れてしまう*事への恐怖を味わうことも描かれています。
いつか、知的生命体であるソラリスの海とコミュニケーションできる日が来るのでしょうか?
リメイクでジョージ・クルーニー主演の『ソラリス』がありますので、物語だけ知りたい人はこれも見るとよいでしょう。
こちらは2024年10月1日現在、Disney+で配信されています。
『イグジステンズ』
3作目は奇才デビッド・クローネンバーグが監督・脚本を担当した、クローネンバーグ成分濃厚な作品『イグジステンズ』です。
天才ゲームデザイナーのアレグラが、新作ゲーム「イグジステンス」の発表会でトラブルに巻き込まれる。青年テッドに支えられ脱出した彼女は、テッドに新ゲーム「イグジステンス」を試そうと提案。それは脊髄に有機生命体のゲーム端末を差し込んで、ゲームの世界へトリップするというものだった。
amazonより引用
骨、胎児、内臓、実在しないはずの生物、などなど幻覚というか、何か自分がおかしくなっていないと感じられないような感覚を描くのが上手い監督です。
おそらく、クローネンバーグ作品を見ると、見ている間は発狂しているのかもしれません。
言ってみれば、「安全に発狂していられる作品」という事でしょうか。
さらに今作は、ゲーム内という非常にリアルな仮想現実もあって、自分がゲームをしているのか、夢を見ているのか、現実にいるのかだんだん分からなくなっていく展開になっています。
虚構と現実がどこまでもあいまいになっていく恐怖と、クローネンバーグっぽいグジュグジュの内臓感たっぷりのゲーム機や骨の銃など、うひ~~なゾクゾク感がたまらない作品です。
クローネンバーグ作品の特徴は、夢や薬物による幻覚や覚醒状態において、見えるものや現実感が薄れていく感覚に近いと言われています。
『未来忍者 慶雲機忍外伝』
5作目は雨宮慶太の初監督作品『未来忍者 慶雲機忍外伝』です。ある意味やりたい放題な感じがして、むしろ気持ちいいくらいです。
日蝕を利用し世界征服を企む黒鷺の機忍軍団!囚われのサキ姫を取り戻すため、諏訪部の傭兵・赤城は若武者らと黒鷺の本拠地・奇械ヶ城へと忍び込んだ。彼らの窮地を救う謎の機忍・白怒火。果たしてその正体は…!?
V-STORAGEより引用
素晴らしいデザインのメカ忍者・不知火や、スターウォーズを意識しまくって、和風に変換させたガジェットや乗り物など独特のデザインや世界観が大人気で、いろんな分野に影響を与えた作品です。
スターウォーズの「フォース」は「気合」であり、側頭部に装着した気合メーターでどのくらいのレベルに達しているのか数字で表されます。(それも漢数字でww)
変形する建物や、ヤグラウォーカー、キャタピラで自走する天守閣などもあります。
剣から蒸気が噴き出すシーンなんてのもあって、なんともオタク心をくすぐるギミックです。
また、剣に弾丸を仕込んで引き金を引きながら爆発させて斬るなんていうのもあります。これゲーム「ファイナルファンタジーⅧ」で同じ発想の武器が登場しています。
本当にいろんな分野に影響を与えた作品であるにも関わらず、意外と配信されていないんですよね。
その後の作品が生み出されていく時に常にこの作品の世界観ぽさが残っているのがわかります。
代表作『ゼイラム』シリーズや『牙狼-ガロ-』シリーズなどの雰囲気はすでにこの作品で醸し出されていて、雨宮慶太色はこの時にすでに完成されていたのでしょう。
コメント