※こちらの記事は2022年11月13日の記事を加筆修正したものです。
映画においての怒涛のエネルギッシュな80年代を過ぎ、90年代に入るとよりスタイリッシュでスマートな映画が増えてきます。
電八的に、非常に高く評価していて、かつ「今だに古さを感じない映画」だと思います。
たくさんの曲を使うのですが、ミュージカルではないのも評価できるところだと思います。
今回紹介するのは「天使にラブソングを…」です。
是非ご覧になってください。
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※注意:この記事にはネタバレが多分に含まれています。作品をご覧になっていない方にはオススメできません。
作品概要
1992年公開のエミール・アルドリーノ監督作品。
聖歌をゴスペルやロックなどにアレンジして快活に描かれ、話題に。
アメリカでは6か月ものロングランを記録する大ヒットで、世界的にもヒット。
修道院の聖歌隊などのあり方に変革を起こした作品としても有名。
主演はウーピー・ゴールドバーグ。
原題は「Sister Act」。
『神さまはいつだって、迷える女性の味方です。』『人生が錆びちゃう前に、やりたいことやらなきゃ。』
ざっくりあらすじ
殺人事件を目撃したクラブシンガーのデロリスは、サンフランシスコの修道院で匿われることに。新米シスター・クラレンスとして修道院に迎えられたデロリスは、聖歌隊のリーダーを引き継ぎ、歌のレパートリーにソウルやロックのナンバーを加え始めるが…。
U-NEXTより引用
解放感が気持ちいい!
この映画は主人公デロリスも、修道院の状況も閉塞的でみんな追い詰められているところから始まります。
それをぐんぐんとパワフルに解決していって、閉塞的な状況から解放されていくのが非常に気持ちいい作品です。
原題「Sister Act」に込められたもの
もともとは「Sister Act」は姉妹だけで構成された女性シンガーユニットのことでした。
つまり「姉妹ユニット」のことなんですよね。
このタイトルを見た時には、「姉妹ユニット」を連想しますが、ポスター見たら「修道女」が映っているので「修道女ユニット」であることに初めて気づくわけです。
「姉妹ユニットだと思ったでしょ?(笑)いやいや、修道女ユニットだよ!」というジョークがそこで成立しているんですね~♪
英語が話せて、「Sister Act」という言葉を知っている人にはこのジョークが理解できてニヤリとしてしまうわけです。
そして「Act」は「演じる」とか「ふりをする」という意味です。
あらすじを読んだり、本編を見ると主人公のデロリスが身を守るために修道院に入り込み、修道女のふりをするので、ここで「ああ、修道女のふりをするってことね!」という事が分かるんです。
原題には2重、3重の英語ならではのジョークが仕込まれているんですね。
ラブソングと主への愛
「I Will Follow Him」はラブソングなんですよね。
しかしこの作品では「彼への愛情」を「主への愛情」として歌っています。
うまくシフトさせています。
この曲は公開当時には特に有名な曲という訳ではなく、「単純に古いラブソング」的な感じだったのですが、この映画以降、世界的に有名になり世界中の修道院の聖歌隊などで歌われるようになりました。
元の感じもいいですよね~♪
歌唱力と演技力が素晴らしい人が多い!!
もう、気持ちいいくらいに高い歌唱力を持つ人たちが出演しています。
しかも演技力も素晴らしいんですよね~~!
電八的にはもっともこのシーンが好きです。
ウェンディ・マッケナ演じるシスター・メアリーは声もかぼそくて、なんとも弱弱しいキャラクターなんです。
それが、デロリスの指導を受けているうちに、素晴らしい声を出すことができるようになります。
見てくださいこの表情!「ええ!!?私、歌えてる!!声が出てる!!すごい!!」という表情になります。
そして最終的には最前列で堂々と踊りながら素晴らしい声を披露する演技を魅せます。
この表情の変化は本当に素晴らしいですよね!!
なお、歌に関してはアンドレア・ロビンソンが吹き替えしています。
これも素晴らしい声です!!
主演ウーピー・ゴールドバーグの魅力
1990年の『ゴースト ニューヨークの幻』でアカデミー助演女優賞を受賞したことで有名。
さらにドラマ界ではエミー賞、音楽界ではグラミー賞、演劇界ではトニー賞に輝いた、ショービジネスを代表する4つの賞を制覇した数少ない人物です。
演技、音楽、歌などの間違いない彼女の才能が、本作で爆発しています。
しかもSFも好きで、「スタートレック ネクストジェネレーション」でレギュラーメンバー演じています。
彼女は「スタートレック 宇宙大作戦」に登場する女性黒人の士官ウフーラ(ウラ)に影響を受けて女優になることを目指したという事で、「スタートレック」シリーズへの出演は彼女自らの希望もあったそうです。
才能だけでなく、「実はSF好き」などの身近な感じが彼女の魅力です。
実際に教会で撮影!
本作の舞台となる修道院の外観として撮影に使用されたのが、サンフランシスコのセント・ポール・カトリック教会です。
現在ではサンフランシスコでもっとも有名な教会になっているそうです。
小ネタ
- 院長役は、『ハリー・ポッター』シリーズのマグゴナガル先生役で有名なマギー・スミスが演じています。
- ローマ法王(聖ヨハネ・パウロ二世)役のジーン・クレイタックはあまりにもそっくりなために『裸の銃(ガン)を持つ男PART33 1/3/最後の侮辱』(1994)や『ラスト・チャンスをあなたに』(1998)、ドラマ「アリー my Love」などでも法王役を担当する、「法王専門の役者さん」です。
- 大ヒットの結果、興行収入も好調で1993年には、続編『天使にラブ・ソングを2』が製作されました。
- 2006年にはミュージカルとして舞台化されます。日本を含む世界各国で上演されました。
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