スティーブン・スピルバーグ監督の大ヒット作『ジョーズ』。
この映画は幼少期に観た後、トラウマになりプールでも河でも水面が怖かったです。居ないと分かっているのに水面にサメの背びれが現れはしないかと想像して怖がっていました。
この作品以降、数多くのサメ映画が撮影されてきました。
恐怖の対象でありながらここまで愛されるサメとその映画群についての楽しみ方を紹介いたします。
サメの生態と映画とのギャップ
サメと言えば、美しい流線型のボディに無感情な目と肉食に特化した強力なアゴと即座に生え変わる鋭利なのこぎり状の歯が特徴。
映画『ジョーズ』では巨大なホオジロザメが出てきました。このホオジロザメは巨大さに加えて非常に身体能力が強く、高速で泳ぎその上、海面にその巨体がすべて露出するほどのジャンプを見せる事があります。
基本的にサメは泳ぎ続けないと呼吸が出来ないため、泳ぎ続けるのですがその分エネルギー消費も高いです。つまり頻繁に食事をする必要があります。しかも疲れを感じないという事です。
巨大なホオジロザメは体重の30%ほどの食事でやっと満腹になるのだとか。常に空腹感を感じて飢えている状態だと言えます。
その為に狩りに特化した能力を獲得しています。
目はほとんど見えていないそうですが、代わりに嗅覚が非常に発達していて、何十キロも先から血の匂いを嗅ぎつけることが出来ます。
さらに鼻先は動体センサーになっていて、動くモノを立体的に感知できるようになっています。獲物を確実に捕らえ、逃がさない為の能力です。
ただし、満腹状態のホオジロザメはそれ以上の狩りを行うことはありません。基本的に空腹状態の時以外は多種を襲わないと言われています。
つまり『ジョーズ』のように常に人を襲い続ける訳ではないんですね。ましてやあの巨体で海岸の浅瀬まで襲いに来ることはないそうです。
この映画のイメージがかなり大きいのでその他のサメの事故被害でもホオジロザメのせいにされていることもあるそうです。
というか、生態系の頂点にいるので環境汚染の影響が蓄積されやすく、さらにその巨体ゆえに大きなフカヒレが珍重されて乱獲され生息数が減ってきていて、実は絶滅危惧種に指定されてしまっています。
人間が「ジョーズ」を襲っているんですねー。映画とは完全に立場が逆になっています。
サメ映画の進化(?)
1999年公開「ディープブルー」という映画では、サメの疲れを感じないという特性(細胞を老化させない)をアルツハイマー病の特効薬として開発をするというのが話の始まりになっています。少しSF的な話ではあるのですが、実は実際にこの研究は行われているそうです。
脳を人工的に発達させた結果、頭がいい上に巨大化したアオザメに次々と人が襲われる話でした。CGも導入されよく出来た作品になっていると思います。諸所にある『ジョーズ』へのオマージュがまたいいです。
以降、本格的なサメ恐怖映画とコメディ色のあるサメ映画とに進化(?)していきます。
本格的な方は「ロスト・バケーション」や「オープンウォーター」など純粋に恐怖を描いています。
もしも大量のサメに襲われたら!?というのが「シャークナイト」です。
一方コメディ色の強い作品はかなりの数に増えています。
まずは1作目は大ヒットした「トレマーズ」シリーズ、地中を高速移動して襲ってくる「地上のジョーズ」映画。
まあ、ジョーズというよりは巨大ミミズですかね。
2以降はどんどん突然変異して最終的に飛行可能になります。この作品以降、「こんなジョーズもありかも」的な作品が続々と現れます。
「ダブルヘッドジョーズ」「シャークトパス」などの奇形サメ映画。突然変異や科学実験の結果、あり得ない姿に変貌し、新たな能力を獲得したサメが襲ってきます。このあたりの作品からは「気持ちいい食われっぷり」がメインでストーリーなどは2の次な作品が増えました。
「メガ・シャーク」シリーズ、巨大サメvs○○映画。vs潜水艦から、vs巨大ロボットなど巨大だという事は「強い」という事!!人間の英知をサメにぶつけろ!!みたいなノリですかね。
「シャークネード」シリーズ、災害×サメ映画。巨大な台風で海水ごと巻き上げられた大量のサメの群れが空から襲ってくる。
などに多種なパターンに分かれていきます。基本的に有名俳優は出演していない映画でチープな感じがなんとも好きです(笑)
その中で巨大サメ映画で最も有名な作品となったのが「MEGザ・モンスター」です。なんとジェイソン・ステイサムが主演で巨大なメガロドンとの戦いを描きます。
しっかり作り込まれていてすごい迫力でした。
サメという恐怖とどう戦うかが描かれている。
サメの映画は基本的にサメは恐怖の象徴です。
想像を超える動きをする存在の上に無感情で賢いというのがさらに恐怖を煽ります。
この恐怖の象徴とどう向き合って戦っていくのかを描いているので、自分の人生においての不安や恐怖の対象との戦いに重ね合わせて鑑賞することになるのかもしれません。
だからチープな作品でも最後に人が勝って生き残る様が描かれているので、人生の難局を乗り切った感覚を共有することが出来るのでしょう。
一言で言えば「勇気がもらえる」という事です。
まとめ
この記事で分かることは
- サメの生態と映画とのギャップ
- サメ映画の進化(?)
- サメという恐怖とどう戦うかが描かれている。
どの映画を観るか迷ったら、サメのパッケージの映画を観てみるといいかもしれません。
チープでもくだらなくても「勇気がもらえます」。
その上で食べられっぷりがどうだったとか、どこまでおふざけを本気でやっているのかを映像にツッコミを入れながら観ていくと非常に楽しいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の記事は以上となります。
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