※2022年5/28に書いた記事をアップグレードした記事です。
この作品をまだ書いていなかったな~。。
っと思いながら久しぶりにDVDを見るのだった(笑)
ということで絶対に外せない作品として劇場版「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」を紹介いたします。
オタクが好きなアニメですが、意外とドラマ中心の作品で良作であると思います。
SF・アイドル・三角関係と三拍子そろった
※注意:この記事にはネタバレが多分に含まれています。作品をご覧になっていない方にはオススメできません。
作品概要
1984年公開の河森 正治、 石黒 昇監督のSF超大作。
1982年~1983年にかけて放映された「超時空要塞マクロス」の劇場用映画として製作された。
各キャラクターの、作画による細かい演技にこだわってリメイクされている。
主題歌『愛・おぼえていますか』がオリコンチャート最高7位を獲得して、歌手である飯島真理は「ザ。ベストテン」や「ザ・トップテン」に出演した。
またこの年は劇場用アニメで「うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー」、「風の谷のナウシカ」が公開され、「アニメ劇場版の当たり年」と言われている。
キャッチコピーは「それは時空を超えたラブソング」「ミンメイ 最大戦速(マクロスピード)!!」
ざっくりあらすじ
地球を離れる際に避難した5万8千人の民間人を乗せた巨大宇宙艦マクロス。
人々は艦内に築かれた都市で生活を営んでいた。
アイドルのリン・ミンメイのコンサートの日、ゼントラーディ軍の襲撃を受けマクロスは変形(トランスフォーメーション)して応戦する。
トランスフォーメーションによりできた閉鎖区画にミンメイとともに閉じ込められたパイロット一条輝はミンメイと親しくなるが、マスコミにスクープされ、厳格な上官である、早瀬未沙にとがめられてしまう。
人類vs異星種族の戦争が激しさを増していく中、3人の男女の思いの行方は…?
都市がすっぽり入った巨大宇宙船
超巨大な都市宇宙船マクロスは一番の特徴は船内に都市がまるごとすっぽりと収まっていてかなりの人口の住民が生活しています。
「マクロス」ではテレビ版も劇場版も地球は攻撃を受けて絶滅してしまいます。つまりマクロスは地球人類の箱舟(はこぶね)なんです。
だから作品が進むごとに時代が進み、人口が増えて大船団となっていくんですね。
文化の象徴としてのアイドルソング
この作品のすごいところは初めて歌手役の声優を本物の歌手が担当したことです。
リン・ミンメイ役は飯島真理が担当しています。声質がかわいくてアイドルを演じるのにはいい感じだったのではと思います。
しかもリン・ミンメイ名義でボーカルコレクションとしてアルバムが発売されています。
かなり高いキーの声を出すことが出来ていわゆる「アニメ声」でもありました。
リン・ミンメイの代表曲「私の彼はパイロット」。
リン・ミンメイはその名からも分かるように中国人の設定となっています。
劇中で新曲として流れる「小白竜」はシャオ・パイロンと発音します。
実際の発音は以下のサイトからどうぞ
読み上げてほしいテキストを入力して、どの言語で読んでもらうか選択して➤ボタンを押せば音声で発音してくれます。
戦時下のせつなさをうたい上げた名曲「愛は流れる」。
少し実力のついたアイドルがノリのいい曲で観客と一体になる「0-G Love」(ゼロジー・ラブ)。
非常にアイドルっぽい楽曲の「サンセット・ビーチ」。
少し、ユーミンちっくなメロディラインの「シルバームーン・レッドムーン」。
そしてもっとも有名な曲の劇場版の主題歌「愛・おぼえていますか」です。
三角関係
「大人のドラマ」として恋愛を取り入れました。
1974年放映の「宇宙戦艦ヤマト」以降、アニメに大人でも楽しめる要素としてドラマ要素を加えるようになりました。恋愛であったりハードボイルドであったり。
意外と子供たちは大人たちの文化をすんなり受け入れて憧れを持つようにもなります。
主人公の一条輝(いちじょうひかる)とアイドル歌手リン・ミンメイ、輝の上司の早瀬未沙(はやせみさ)の三角関係が描かれます。
さらにこの「三角関係」はいろんな形態をとりますが、その後展開される「マクロス」シリーズのテーマのひとつになります。
どの「マクロス」作品も三角関係の恋愛が描かれています。
アイドルが出る映画やドラマにはせつない恋愛模様が欠かせません。
「通じ合う事が出来るのだ」というメッセージ
この作品は基本的に異種族間同士での戦争を描いているのですが、そんな中でもお互いを理解し合い、通じ合う事が出来るのだという強いメッセージを持っています。
ゼントランもメルトランも同型種族であり、感情も持ち合わせています。
戦闘に何万年も明け暮れてきた彼らと人類とは考え方も価値観もぜんぜん違います。
これは現実における、人種どころか、もっと身近な人々との人間関係ですら大変に困難なことがあります。
しかし、人は互いに通じ合い分かり合えるはずだと。
ミンメイの歌を聞いて感動したのなら同じ価値観を共有できているじゃないかという強烈なメッセージがそこには描かれています。
以下の動画は、この作品でもっとも感動を呼ぶ熱いシーンであるラストバトルの動画です。ここで敵であったブリタイたちがマクロスの味方をしてくれるようになります。
歌によって互いの思いが通じた瞬間です。
このイメージがあまりにも強烈だったために、その後に展開される「マクロス」シリーズでもたびたびこの曲はリバイバルされ、その度に懐かしさと感動を呼び覚まされるのです。
ミンメイ・アタック
リン・ミンメイの歌を戦場の全周波数帯に発信して、曲を聞いた敵が動揺している間に大攻勢をかける戦法をクライマックスシーンで行うのですが、これに名前が付きます。
それが「ミンメイ・アタック」です。
このミンメイ・アタックはゼントラーディやメルトランディなどの敵性種族にはカルチャーショックを与えスキを生みだす効果があり、味方には士気高揚の効果があります。
のちの作品もこれを効果的に行うために歌を聞かせるための強力なシステムを搭載したメカなどが登場するようになります。
板野サーカス
この動画はマックスとミリアのドッグファイトを描いたものですが、ものすごいスピード感でひと時も気を抜けない緊張感が伝わってくるシーンです。
余談:この戦っているふたりはこの後結婚して子供が生まれます。
そして、このものすごく目まぐるしいアクション描写はアニメーター板野一郎によって確立された手法ということで「板野サーカス」と呼ばれています。
のちの作品に大きく影響を与えています。
いまだに、空中戦シーンは板野サーカス風で描かれることが多いです。
完全変形
超巨大な宇宙艦マクロスのトランスフォーメーションや輝たちが搭乗するバトロイド・バルキリーの戦闘機から人型への変形も、ちゃんと模型を使ってきっちり変形できるようにデザインされているのが特徴です。
あまり出番ないデストロイドたち
主人公・輝たちが搭乗するのがバトロイド・バルキリーですが、彼らは制空圏を確保するための航宙攻撃部隊です。
それとは別に後方支援・拠点防衛用に開発されたのがデストロイドシリーズです。
デストロイド・ディフェンダー
デストロイド・ファランクス
デストロイド・トマホーク
デストロイド・スパルタン
デストロイド・モンスター
モンスターのデザインには惚れ惚れしちゃいますね~♪
完全版とは
エンディング「天使の絵の具」
劇場公開3年後の1987年にOVA作品「超時空要塞マクロス Flash Back 2012」が公開されます。
リン・ミンメイの劇中歌唱曲を集めたミュージックビデオでした。
もともと劇場版のエンディングで「天使の絵の具」をコンサートで歌うミンメイを描く予定だったのが諸所の事由によりかないませんでした。
そこで「超時空要塞マクロス Flash Back 2012」公開後に発売されたLD、DVDではエンディングクレジットの映像を「超時空要塞マクロス Flash Back 2012」の映像に差し替えて発売。
タイトルを「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか 完全版」と変更しています。
今となっては大御所だらけ
スタッフロールを見ると知っている名前がずらーっと並んでいます。一部紹介します。
監督:河森 正治、 石黒 昇(「メガゾーン23」など)
脚本:富田祐弘(「ガルフォース」シリーズなど)
キャラクターデザイン:美樹本晴彦(「メガゾーン23」など)
メカニックデザイン協力 – 出渕裕(「機動警察パトレイバー」など)、かがみあきら、原田則彦、石津泰志ほか
作画監督:美樹本晴彦、板野一郎、平野俊弘(「戦えイクサー1」など)ほか
作画監督補:島田英明、飯田史雄、垣野内成美(「吸血姫美夕」など)、増尾昭一
原画:庵野秀明(「新世紀エヴァンゲリオン」など)、北久保弘之(「老人Z」など)、結城信輝(「ファイブスター物語」など)、その他多数。
などなど、ほかにもたくさんの有名な方が携わっています。
おまけ
すかいら〜くCM
公開された年にファミリーレストラン「すかいら~く」とタイアップしていました。
すかいら~くのCMで「愛・おぼえていますか」バージョンのものが放映されていました。
ミンメイ「愛、おぼえていますか?」
輝「いや、僕、味、おぼえています。」
というのが記憶にあります。
動画見つけた時の懐かしさよ!!(笑)
ちなみにただいまAmazonプライムビデオ、U-NEXTでは好評レンタル配信中です。
コメント